城郭考古学の冒険
幻冬舎(刊) 千田 嘉博(著)
お城を見て歩くのが好きで「日本百名城」に目標を定め、多くの城跡を訪れたがまだ道半ばというところである。
コロナ禍にあっては思うように進捗しない。
少し前までは、「天守(閣)」をさして「お城」というものだと間違った理解をしていた。
それでも徐々に視点が、天守から堀や石垣、土塁などへ広がり、城全体の基本設計(縄張り)に興味が向くようになっている。
”東京から出ないで!”と自粛を求められる状況では、なかなか現地への旅行はしにくい。
今年1月に出たこの本を見つけたので、おウチで知識を得る良いチャンスになった。
城跡を考古学的に研究されている著者が、歴史を紐解きながら詳しく説明されている。
豊富な写真や図が理解を助けてくれるのは有難い。
また、実際に行ったことのある城跡については、その遺構が思い出されてワクワクする。
「熊に注意」の看板を横目に登った小谷城の本丸、目を見張る安土城の大手道や石垣など、印象に残る城跡の記憶が甦ってくる。
改めて城跡巡りの魅力と、見落としてはいけないポイントを再認識した一冊である。