今、高知県出身の「岩崎弥太郎」が主人公の小説を、安芸の生家を訪れたことを思いだしたりしながら読んでいる。
ちょうどそんなところに、昨日、高知の親戚から「土佐文旦」が送られてきた。
今回は、高知県の足摺岬に近いほぼ高知県の最西端といってもいい宿毛産の文旦である。
文旦は前年に収穫したものを追熟させ、年を越し。春になって出荷するものだと聞いていた。
ところが、これは樹に付いた状態(樹なり)で越冬し熟させたもので、温暖な宿毛の気候を生かした栽培方法だという。
手に取ると、一個一個の実入りがよくずっしりと重い。
ナイフで外側の皮に切れ目を入れ、はぎとるようにむく。
そして、一房ごとに薄皮をむいて果肉を口に入れ、シャキシャキっとした食感を味わいながら食べる。
果肉から果汁が絞り出され、口に甘酸っぱさとともに独特な香りが広がる。
「土佐文旦」は、高級フルーツ店やデパートはいざ知らず、近くのスーパーでは見ることがない。
したがって、日ごろは私などの口に入ることなない。
このようにその季節に送っていただけるのは何よりもうれしい。
南国土佐の海の青さによく映えるであろう、文旦畑の黄色い実を思い描きながら味わっている。