
甘木鉄道太刀洗駅の道を挟んで正面に大刀洗平和記念館はあった。
大型バスが数台止まっていたので何かあるのかなと思っていたが
どうやら小学生の社会科見学の様である。
ここは知覧や大津島程生々しい展示物が少なく
また終戦間じかにあった大刀洗空襲での小学生の惨事も映像として流しているが
かなりビジュアル的に見せているので大人が見ると実感的には乏しいので
多感な時期の小学生にはちょうどいいのかもしれない。
ほんとに戦争っていうものが解かっているのかなと
ちょっと穿った見方をしてしまったが
平和の折鶴を一生懸命折っている姿を見るとそんな事を思う事を恥ずかしく思えてきた。
自分だって本当の戦争なんて知らないのだから…。
大刀洗飛行場は福岡市から南東に位置し
西部方面の防衛と大陸への攻撃拠点として開設し陸軍の一大拠点となっていた。
あの特攻の最前線基地の知覧もここの分隊である。
もちろんここからも特攻隊が出撃しているが
特質すべきはあの空の要塞B29爆撃機に対して
屠龍という双発の戦闘機で体当たりするという方法が取られていた。
また幻の試作機震電のテスト飛行も行った基地であが
今は遺物はほとんど無く大きなビール工場とコスモス畑になっていて
ここにそんな物があった形跡さえない。

ここには現存する唯一の零式艦上戦闘機32型が展示されており
この32型の他に大濠公園の池から回収された97戦も展示されていが
館内は撮影禁止ではあるがゼロ戦だけは撮影が許されている。
32型の特徴である両翼先端がカットした形状がよくわかる。
天井には巨大なB29のサイズが表示してあり
床にはそれに体当たりした小型の屠龍のシルエットがある。
特攻撃墜に成功し撃墜したB29の機体の一部と日本機の機体の一部が比較して展示してあったが
B29の肉厚のアルミブロックに対して日本機は1mm程度の薄いアルミであった。
資源・工業力の差は明らかな相手に戦いを挑んだので
結果は明らかであったのである。
筑前町立大刀洗平和記念会館