いや~、やっと読み終わりました。
こんな本。
「自由研究には向かない殺人」
著者はホリー・ジャクソンさんという方です。
本屋さんで見たとき「本屋大賞 翻訳小説部門2位」という帯を見て読んでみたというところです。
(2022年の本屋大賞です)
女子高生が、5年前の事件の真相を・・・自由研究の題材として追っていく。
という話です。
ざっくりの説明で申し訳ない。。。
個人的には17歳の女子高生が車の運転をしているのですが・・・やめてほしい(笑
(ネットを見るとレンタカーが借りれるのは21歳からなので、一応練習って感じなんですかね)
さて、話があらぬ方向に行きましたが、感想を一筆。
私は、ハリーポッターすら読んだことのない、洋書初心者です。
外国の小説の特徴は、よくわからないのが実情です。
そんな私が、思った第一印象。
「長い」
でした。
本のページが厚いって話ではなく、無駄とは言いませんが、状況の本質ではない箇所の状況説明・心情説明が事細かに書いてあります。
これは、日本語翻訳の影響なのかもしれませんが、ほんと心情の説明が多い。
このおかげで、ページ数がドンドン増えていってしまっています。
ある本のあとがきで、誰もが知っている小説家さんが「物語には適度な長さがある」と書いてあります。
物語の進行がリズミカルに感じられるページ数というのは、どんなに長編であってもワクワクしながら読めるものですが、本書は「ちょっと間延び」が感じられました。
逆に、裏読みをすると「ひょっとすると映像化を目論んでる?」と思いました。
ここまで書いてあると、役者さんへの説明もスムーズでしょうしね。
さて内容ですが、本書「ミステリー」枠です。
日本とは違う、外国らしい文化、女子高生らしい行動というのが随所にあり「なるほどね~」と思いながら読みました。
が、これがミステリーか?と言われると、ちょっと違うような印象を受けます。
現代風なアプローチや、おちゃめな主人公が無謀な行動もありながらエンドを迎えますが、どう考えても
「本来語らなければいけない部分が欠落している」
ように思えます。
どこかは書きません。
が、1つだけ。
文章では「初めに」~「目的」・・・「まとめ」~「おわりに」と書きます。
(う~ん、我ながら理系というか、論文ぽいな~)
つまり「おわりに」は「初めに」の返答であるべきです。
ただ「よかった、よかった」ではなく、「初めに」に回答することで話が締まると、あくまでも個人的ですが思います。
本書は、だら~と話が進み、最後によかった、よかったで終わりますが、いまいち「あの件どうなった?」という部分が多々残ります。
こういう理由から、すこし若年向け?日本でいうラノベ的な立ち位置に感じました。
ラノベにしては長いですが。
そして、どこにも「盛り上がり」が感じられませんでした。
起承転結とは言いませんが、さすがに「ここだ!」というところに盛り上がりポイントを作らないと、読んでいる人の心が盛り上がりません。
それがなかったように感じます。
全体的に、平均点がずーと続く感じ。
昔、テレビでやっていた「サスペンス劇場」。
今は放送していないんですけど、一時期ひどかったんですよね。
前半部分は、主人公が色々考えるのですが、途中からラスト直前に向けて必殺技が発生します。
刑事たちが聞き込みで走っているところをカメラで映して、セリフなし。
音楽だけで処理。
そして、突然「新しい事実が見つかりました!」とキャラクタが言うのです。
視聴者置き去りの、新事実発見です。
これは、本当に面白くない。
「自由研究~」という話は、これと似た感じがしました。
キャラクターが考えに考えて・・・という感じではなく、思いついた行動をしたら「都合のいい新事実」にぶつかる。
そして話が進むということが続いていく感じ。
内容的には、まとまっていて、キャラクターたちが生き生きと動いているように思える良い作品でした。
が、キャラクターが女子高生なのだから、壁にぶつかり、考えに考えた内容で打開していく、そんな展開でも良かったかな?
と思いました。
逆な例として、相棒の「右京さん」の場合は、壁があろうが突き破っていく「大人」なので、ああいうシナリオがぴったり合う。
キャラクターとお話、それは一心同体なんですね。
そして、テンポと語らなければならないポイントの回収。
偉そうなことを書いますが、私の文章なんて、ひどいもんです(笑