CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-271「惡の華」(日本)

2019年11月07日 00時49分20秒 | 日本映画
向こう側へ行けなかった
 周りを山に囲まれ閉塞感漂う地方都市に暮らす中学2年の春日高男。ボードレールの詩集『惡の華』を愛読し、誰とも理解し合えない孤独な毎日を送っていた。
 そんなある日、ふとした出来心から、憧れのクラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着を盗んでしまう。しかしその現場をクラスの問題児・仲村佐和に見られてしまう。
 そして秘密にする代わりに、彼女の命令に従うよう強要され、その変態的な要求に次第に精神的に追い詰められていく春日だったが。(「allcinema」より)


 人気コミックを実写映画化した青春ストーリー。

 青春ストーリーと言えども、爽やかな様子で描かれる話ではなく、思春期の少年少女が抱える欲望を描いたような作品。

 監督が、「片腕マシンガール」「電人ザボーガー」の井口昇。

 意外という気もするし、内容を見ると、らしいという感じもするな。


 中学2年生の春日高男は、ボードレールの「惡の華」を愛読するなど、本好きでちょっと孤独癖のある少年。

 ある日、ふとしたことでクラスのマドンナ、佐伯奈々子の体操着を盗んでしまい、それをクラスの問題児、仲村佐和に見られてしまう。

 秘密にする代わりに彼女との主従関係を強要されることになる。

 佐和の要求は、かなり変態的とも言えるもので、高男は徐々に追い込まれていくが、いつしか自分の中で抱えているものが湧き上がっていくようになる。

 
 青春時代に抱えている鬱屈とした気持ちを解放させるような話であるが、あまり共感できるような感じでもなかったかな。

 高男と佐和が口にする〝向こう側〟というものが何なのか。
 何故に夏祭りであのような行動を取ったのか。

 どちらかと言えば、高男、佐和、奈々子の関係がどうなっていくのかが興味深い展開。

 物語は中学時代をメインとしているが、高校時代も映し出され、同じく人気者である常盤文との関係も描かれる。

 こうして考えると、中学も高校も、高男は学校のマドンナに好かれるという役柄なんだな。

 
 青春時代に抱える鬱屈した気持ち、そして自分は他人とは違うと思う気持ち。

 果たして彼らの心は壊れていってるのか。
 
 先行きの読めない話としては、面白い作品だった。

/5

監督:井口昇
出演:伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえ、北川美穂、佐久本宝
   田中偉登、松本若菜、黒沢あすか、高橋和也、佐々木すみ江、坂井真紀、鶴見辰吾
於:シネ・リーブル池袋

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