木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

エアーサンダー

2008-11-29 21:44:49 | 
椅子とテーブルは拭き漆の工程に入りました。
漆を塗り、乾いたら耐水ペーパーで研ぐ。椅子とテーブルの部材を一通り研ぐのに丸4日。#240、#320、#400、#600と研ぐとすると全部で16日間はひたすら研ぎ続けなければならない・・・。今までの経験では、2日から3日研ぎ続けると指の皮が薄くなり熱いものが持てなくなる。16日間も研ぎ続けられるだろうか・・・と悩んでいたところへ、強い味方。
これです。


大型コンプレッサー 
最近何かとお世話になっているSさんの口ききで格安で譲ってもらいました。

これを何に使うかというと・・・・・

エアーホースの先には

エアーサンダー!
電気を使わないので水研ぎもOK
実はこれ、数年前にインターネットで見つけ早速試してみたことがあるのですが。
手持ちのコンプレッサーにつなぎスイッチを入れると・・・わずか数秒でコンプレッサーのタンクの空気がなくなり止まってしまいました。
やたら空気を食う??

しかしこのコンプレッサーなら大丈夫。まさに渡りに船!とはこのことです。

エアーサンダーで研ぐなんて、黒田乾吉先生が生きておられたら「邪道だ!」としかられそうですが、決して工程の手ぬきをするわけではなく、拭き漆の工程で一番大変な「研ぎ」が省力化されることにより、必要なところにより手を加えられる、ということで許してもらえるでしょう。
もちろん細かな部分や仕上げは手で研ぎます。

今回部品が多いので、2カ所での作業です。

漆部屋では天板を


削り台ではブルーシートをかけて、その他の部品を

研いで塗る、研ぎ泥と漆にまみれる作業がこれから10日以上続きます・・・・。
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京の秋

2008-11-26 23:31:35 | その他
京の秋を求め、義母のお供で南禅寺から永観堂のおきまりのコースを歩いてきました。

 

今年の紅葉は、ちょっとムラがあるような・・・。





天気にも恵まれ、紅葉を堪能してきました。

その後は祇園鍵屋で開かれている、アラン・ウェストさんの「花暦展」へ。

アラン・ウェストさんは先日お伺いした黄檗売茶流家元のお話に出てきたアメリカ人の屏風絵師。
金箔なども使い大胆なタッチと筆使いでありながら、なんとも繊細で美しい。
屏風絵の前にたたずみ、いつまでも浸っていたい、そんな気持ちになりました。
見ず知らずの私たちに対する丁寧な対応にもアランさんの人柄が感じられました。
個展は30日まで、是非どうぞ。

 
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拭き漆

2008-11-21 21:10:55 | 木工
拭き漆に取りかかりました。

捨て刷り

空研ぎはせず、鉋で削ったまま生漆を塗ります。
よく漆を吸い、約300gの生漆を使いました。


棚を増やし4段にした風呂が満杯になってしまいました。



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椅子の制作 その8

2008-11-20 21:17:36 | 木工

背板の仕上げ削り


表側の直線部分は木端削り台において鉋をかけます。


裏側は反り台の豆鉋で削ります。


全部で24本。


最後に傘木を削り出しました。

部材の仕上げが完了し、いよいよ仮組


前脚の組み立て


後ろ脚



背板をたてて


傘木を乗せて 仮組完了


4脚が組み上がりました。 
この後また分解して拭き漆にかかります。


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椅子の制作 その7

2008-11-18 21:25:58 | 木工
座板の仕上げ削り


バンドソーで挽いた座板の縁を削って仕上げます。


木口の仕上げは反り台の豆鉋で
さくさくと気持ちよく削れます。


膝の裏が当たる部分は大きく面をとります。
縁を削り、最後に表と裏を仕上げます。

後脚との仕口の調整


仕口の調整は、部材を鉋で仕上げてからします。


あまり固くせず、ゴムハンマーで軽くたたいて入っていく程度にしました。


椅子の形が見えてきました。
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煎茶のお茶席に招かれました

2008-11-16 23:44:28 | その他
黄檗売茶流家元継承50周年記念の集いのお茶席に招かれました。

はじめにいただいたお茶席は雅な中にも秋を感じる設え


漆塗りの立礼卓を中心とした点前座の道具飾り 華はお菓子の盆に秋が添えられていました。
ここでは二人で向かい合ってする、対面点前を拝見しました。

次の席は琵琶湖を見渡せる部屋
「この席の一番の飾りは琵琶湖です」という説明がうなずけました。


その琵琶湖に感謝を捧げる飾り


琵琶湖を表す点前座の飾りも透明感あふれる秋のしつらえでした。

「飾り一つにもすべて意味があるのです。」という家元のお言葉
いろいろ教えていただいて作品作りに生かしていけたらと思っています。

充実したひとときを過ごさせていただきました。
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椅子の際作 その7

2008-11-15 21:57:05 | 木工

前脚


墨に沿って挽き、鉋で仕上げました。木端は後脚と同じでわずかに丸く削りました。

大入れ加工
強度をもたせるためほぞは大入れとします。


ほぞの調整をしながらほぞ穴にはめ、大入れの墨をつけます。


荒堀はトリマーで


仕上げは鑿で。曲線は浅丸の小道具で。


貫の大入れも同じです。
貫に面取りをした部分が入る隅は五厘鑿で仕上げました。


これでOK!

使った五厘鑿(厚さ1.5mm)

これも千代鶴貞秀作。よく切れます。神経を集中しないと平らに研げませんが・・・。




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冬の準備

2008-11-14 22:03:44 | 工房

いよいよ登場しました。

昔懐かしいダルマストーブ。
来週から寒くなるというので物置から出して設置しました。

今年はトップから吹き込む雨のため錆びてしまった煙突を新調しました。
今まで使っていた煙突もステンレスのはずなのですが・・・。



煙突トップも、雨の入りにくい構造のものを見つけたので変えました。
重いストーブを運び、屋根に上ったり降りたりしていたら汗をかいてしまいました。
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椅子の制作 その6

2008-11-13 22:06:27 | 木工
傘木に背板のほぞ穴をあけます。


まず、準備として、治具の局面に合うよう傘木の凹面を豆鉋で削ります。


こんなものでしょうか。


ほぞ穴の中心を治具の中心に合わせて角鑿盤で掘ります。


後脚の仕上げ削り。


墨線に沿って左右1対を同じ形に削ります。


次に1本ずつ極浅の内丸鉋でわずかな丸みをつけます。
この丸みは別につけなくてもよいのですが、


感じがとても柔らかくなるでしょう。私の好みです。


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椅子の制作 その5

2008-11-12 23:43:26 | 木工
座板はバンドソーで外側を切り抜いた後、背板のほぞ穴を掘ります。


座板の背側の曲線に会わせた治具を使って角鑿盤で掘ります。


こうすることにより放射線状のほぞ穴が簡単に掘れます。
これによって棒状の背板を並べて背中に当たる局面を作ることができるようになりました。

次は後ろ脚


墨線に沿ってバンドソーで挽きます。


8本切り出しました。貫のほぞ穴はバンドソーで挽く前にあけておきます。


座板との接合部の段欠きは、トリマーとペティーワークで荒堀りした後、鑿で仕上げます。
鑿は左市弘作、よく切れます。

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