木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

仕事納め

2008-12-31 19:06:03 | 木工
昨日は懐かしい方が工房を訪ねてくれました。
20年ほど前、長岡京市の吉峯寺の下に「職人かたぎ」という工房を開かれ、そこのギャラリーに私の作品も展示させていただいたという縁の今野さんと清水さん。


当時の案内はがきです。

実は今野さんとの再会は今日ではなく先日長岡京産業会館で開催された、「木の文化展」で。
実に15年ぶりでした。
現在、今野さんは、「木芸舎」、清水さんは「木創舎」という工房を主宰しておられます。

お二人からいろいろお話をお聞きし、とても楽しいひとときを過ごさせていただきました。

もう一つ
昨日は、10年ほど使った「刃物研磨機」を吉田さんに引き取ってもらいました。


あると便利なのですが、使うのも年に数回で、場所も取るのでお願いしました。



積み込みも無事完了。

ちょっと淋しい気もするのですが、専門家のもとで働いてくれるでしょう。

そして今日が仕事納め


妻から頼まれた、重箱の中仕切りを作り


道具入れの上を片付けて、お供え餅を飾りました。


皆さん良いお年をお迎えください。
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桐箱

2008-12-27 22:26:55 | 木工

側板には、仕切り板をはめる溝をほりました。


箱の天板と底板は、木目を合わせて接ぎ合わせます。


木端を長台で削り


のりを付けて接ぎ合わせ、はたがねで締めます。

のりが乾いたらはたがねをはずし、鉋をかけて目違いをはらいます。


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桐箱 

2008-12-26 18:17:58 | 木工
次の仕事は、桐箱
鉋を5丁入れることができる箱。



木作りをして、印籠と仕口の加工をします。
今回は、付け印籠でなく中継印籠にしました。



桐は軟らかいの仕事がし易いようで難い。



特に木口の加工は、刃物の切れがすべてといってもよいでしょう。

仕口は

組み合わせて木釘で止めます。



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テーブル・椅子 納品

2008-12-25 13:00:53 | 木工
完成したテーブルと椅子を納品させていただきました。納品先は、ご注文いただいたMさんのご実家の浜松。
軽トラックではちょっとしんどい距離なので、愛車レガシーに積み込みました。


傷がつかないように梱包して、テーブルと椅子4脚を何とか積み込むことができました!
よく入ったものだと自分でも感心。

途中、浜名湖サービスエリアで休憩。




無事到着し、納めさせていただきました。


Mさんのお母さんにも気に入っていただき、本当にうれしく思いました。


お部屋にもよくマッチして、ほっとしました。
お話をいただいてから約1年。「今年1年間の仕事をやり終えた」そんな気持ちになりました。
長く使っていただけたらと思います。本当にありがとうございました。

ところで、浜松は学生時代を過ごした町。
帰りに母校に寄ってみました。


母校を訪れたのは、卒業以来実に34年ぶり。
すっかりきれいになってしまいましたが、左の建物が研究室のあった電子工学科棟だったような・・・。

もう冬休みに入っているのか人影もまばら。
唯一開いていた、「高柳記念未来技術創造館」を見学しました。

高柳健次郎は、世界で初めてブラウン管に「イ」の字の表示を成功した人。いわばテレビ発明者。

私の学生時代には、「高柳記念館」という古い建物がありましたが、2年ほど前に建て替えられたようです。


中には古いテレビも展示されていました。
展示を見ながら、学生時代、近くのく古物商で壊れたテレビを1台100円で買ってきて修理し、大学祭で売ったりしたことを思い出しました。

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槍鉋の柄

2008-12-23 18:11:54 | 木工
完成したテーブルを梱包のため床に下ろしたので一枚。


明日は納品です。



テーブル・椅子と並行して、槍鉋の柄を作りました。


「装飾用に拭き漆で」という注文で、栃の縮み杢を使いました。
口金には純銀の平線をややカマボコ状に削って巻きました。
拭き漆に銀は合いますね。

刃をはめると


刃は千代鶴貞秀作です。
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テーブル 組立~完成

2008-12-19 20:37:29 | 木工
テーブルの組立の続き 

といっても途中の写真を撮り忘れたので、いきなり組立完了ですが。

ハタ金を外して、

完成です!
が、ひっくり返っているとなんか「完成」という気がしませんね。


約2ヶ月に渡る制作が無事完了しました。
来週、浜松まで納品に行きます。Mさんお待たせしました。


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テーブル 組立

2008-12-18 20:33:21 | 木工
天板の拭き漆が上がりました。


下地をしっかり仕上げたので、大変きれいに上がりました。・・自己満足です。



組立は、まず蟻桟を入れます。

送り蟻(寄せ蟻)にしました。

これをしっかり効かせることがテーブル作りでは最大のポイントです。
木地の段階では確認してあるのですが、漆を塗り、水研ぎを繰り返しているし、湿気の高い環境で漆を乾かしたりという工程を経ているので・・・


送り蟻は、天板の反りを止めるとともに天板の収縮に対応することを目的としているので接着剤は使いませんが、天板や蟻桟が痩せた時締まる方向に動くように、一番手前(太い部分)にだけ少し接着剤をつけます。


何とかうまく入りましたが、大きな失敗を!


蟻桟の木口をゴムハンマーで叩いていて、手元が狂い、天板の角を叩いてしまいました。ゴムハンマーでも角を叩くとさすがに漆が削れてしまいました。
部分的に拭き漆のやり直しです。
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椅子の制作 組立~完成

2008-12-17 19:10:46 | 木工
椅子の制作もいよいよ佳境に入り、最後の組立


後脚を座板に組んだ後、背を組み立てます。


背板を立て


上から傘木を被せます。

この時活躍するのが、

ゴムハンマー。 漆を塗った上から叩いても傷がつきません。ゴムが白いので黒い汚れも付きません。

クランプ等で締めるのが難しいのでこのゴムハンマーで最後に一発ドンと叩いてしっかりほぞが入る 
そのくらいにほぞの固さを調整したのですが・・・・・まあ、なんとかうまくいったようです。

こうして無事4脚完成しました!


反対側から


次はテーブルです。
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椅子の制作 組立

2008-12-16 21:27:04 | 木工
拭き漆の工程が終わりいよいよ組立に入ります。
養生のためにほぞやほぞ穴に貼っていたテープをはがします。

漆や研ぎ泥で汚れていますが、


テープをはがすと・・・


きれいな木地が出てきます。


はみ出した漆を取るには、底取り鉋が便利。


部品が揃いました。

いよいよ組立。まず前脚から

接着剤の乾くのを待ちます。続きは明日・・・。

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テーブル・椅子 拭き漆3

2008-12-09 21:54:22 | 
12日間ひたすら研ぎ続けた「研ぎ」の工程がほぼ終了しました。


600番の耐水ペーパーで研ぎ終わった椅子とテーブルの部材


このエアーサンダーが大活躍してくれました。

そして

漆を塗っては拭いて乾かす、いわゆる「拭き漆」の工程がこれから10日間ほど続きます。

では、今までの工程は・・・・

下地つくり。しっかり漆で固められた下地があってこそ拭き漆もきれいに上がるのです。

一般的には材の導管を埋める(目止め)にはサビ(砥の粉を生漆で練った物)を使いますが、サビを使わず、漆をすり込んでは研ぎ、漆だけで導管を埋めてしまうのが「黒田乾吉流拭き漆」
気の遠くなるような手間と沢山の漆が必要とされます。ちなみに今回の椅子とテーブルでここまでにすでに1kg以上の生漆を使いました。
なぜそこまでするのか・・・黒田先生流に言えば「美への奉仕」ということでしょうか。

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