木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

仕事納め

2010-12-31 18:00:38 | 
年末に遊んでしまったので、今日が仕事納め。


やりかけの、インシュレーターに漆を塗り、綿布で拭き取りました。拭き取り2回目です。
コースターは、欅の導管を漆でしっかり埋めるため、研ぐ前に、2回目の刷毛摺りをしました。
これだけやって、後は工房の片付けです。


朝から降り続いていた雪は夜まで降り続き、昼には道路も車も真っ白になりました。こんなに降るのは久しぶりです。


真っ白な雪の中、炭山の里の大晦日は静かに暮れていきます。

1年間ご覧いただきまして、ありがとうございました。
では、皆様、良いお年をお迎えください。

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ニセコツアー

2010-12-30 11:02:48 | スキー
しばらくブログをお休みしていましたが、この間、所属するスキークラブの行事で北海道へ行っていました。
25日夕方神戸空港を出発。夜のニセコは雪が降り続いていました。


翌日も朝から雪、雪

膝近くまでのパウダースノーの中を爽快に・・・と行きたかったのですが、どこもかしこも踏まれた後。
視界がなく、しかも圧雪してないバーンの上に積もった雪なので結構疲れました。


ホテルに帰ると、窓の外には幻想的な雪景色が広がっていました。


温泉に入り、おいしい料理を食べながら楽しいスキー談議。アフタースキーもまた楽し。


翌朝は雪も上がり、新雪が朝日に輝いていました。窓の外をトナカイが。


ゴンドラからは朝日に輝く樹氷が見え、


羊蹄山も、その姿を現してくれました。


最終日も朝から晴れ、羊蹄山をバックに記念撮影。

では、皆様もニセコでのスキー気分をお楽しみ?下さい。
写真をクリック。



3年間頑張って働いた、自分へのご褒美の、楽しい楽しい3日間は、あっと言う間に過ぎてしまいました。

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拭漆仕上げのスピーカー

2010-12-24 21:03:10 | 木工


今年秋の「一木一優」の作品展に出品した「拭漆仕上げのスピーカー」の行き先が決まりました。
Mさんありがとうございます。
そこで、作品展の時は急ごしらえのものだった前面のサランネットを作りかえることにしました。


ネットにも丸みを付けるため、格子状に組みます。


ここまでは簡単なのですが、これからが問題。
スピーカーボックスへの取り付けと、ネットの張り方。


バッフル板への取り付けは、磁石を使うことにしました。
次は、どうしたら厚いサランネットをすっきり貼れるか。まだ検討中です。
Mさんもう暫くお待ち下さい。


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大作 宇宙船

2010-12-22 21:52:51 | 木工
もと同僚のAkoさんからメールが届きました。そのメールに添付されていた写真は・・・

大作の「宇宙船」 すごいでしょう。
息子さんのRYOくんが作られたのです。以前工房に遊びに来てくれた時のお土産に上げて以来、木片で作るのが大好きとのこと。
ほぞを切った木っ端などがたまるのを楽しみにしてくれています。
今回の宇宙船は、12月4日~12日、岐阜県関市で開かれた全国子ども木の造形作品コンクールへの出品作です。
Ryoくん、次の作品も楽しみにしていますよ。


今日の私の作業は、コースターの木地の仕上げ。

裏をペティーワークで斜めに切り落とし、縁を薄くしました。


縁は鉋で削り、私好みのわずかな胴張りにしました。


それに合わせて、裏も削ります。


ほんのわずかなことですが、雰囲気が変わります。


すべて削り終わりました。


捨て摺り。生漆をたっぷり塗り、しっかり導管のなかに摺り込みます。


風呂で1週間ほど乾かした後、研ぎにかかります。



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吉野塗小皿

2010-12-21 21:17:44 | その他


バーゲンセールの続く婆佐羅さんにまた寄せていただきました。
前回お伺いした時にお願いしていたものをいただきに行ったのですが。

こんなものを見つけてしまいました。

吉野塗小皿。黒地に朱で芙蓉の花が描かれているのが特徴とのことでした。
直径9cmほどのかわいい乾漆の小皿です。


こちらは、猿投山茶碗。


平安から鎌倉時代のもの。
写真ではきれいに写りすぎてしまいますが、1000年の時を経てここにあると思うと不思議な感じがします。


これが今回の主たる目的の日野膳。
前回寄せていただいた時に見つけ、取り置いてもらったものです。直径が30cmほどあり、高台の付いた立派なものです。
妻は実家のある日野に里帰りさせたいと考えているようです。


これは前回見つけた雉の香炉。凛とした姿が気に入りました。

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コースター

2010-12-20 21:37:00 | 木工
町家を改修し、ゲストハウスを営むTさんからいただいた注文のコースターの制作に取りかかりました。


ご希望のデザインに合わせて型紙を作り


その型紙で欅の板に墨をつけ、彫刻刀で彫ってみました。
が、丸刀で深さを揃えて線に沿って直線に仕上げるのは、手間のかかる作業であることがわかりました。
手彫りの味も良いかなと思ったのですが、ここはやはりトリマーを使うことにしました。


図面を元に、正確に掘るために治具を作り、トリマーで掘りました。


注文いただいたのは20枚ですが、試験用も含め25枚ほど彫ってみました。


縁(木端・木口)のデザインをどうするか、実際に削って試しながら決めていきます。

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お椀納品

2010-12-17 23:08:21 | 木工
Yさん宅へのお椀の納品を兼ねて、マキノ町へ行って来ました。


天候に恵まれ、海津大崎から竹生島を望む琵琶湖は穏やかに輝いていました。


冬晴れのマロン街道のメタセコイアの並木でしたが


暫く走ると、突然冬景色に変わりました。
マキノ町の北部以北は昨夜かなりの積雪があったということでした。
いよいよ待ちに待ったシーズンの到来です。


Yさんのお宅を訪問し、昨年お納めした栗の下駄箱に1年半ぶりに対面しました。
下駄箱の上にはかわいいクリスマスの飾り。とても大切に使っていただきうれしい限りでした。
今回は、両開きの扉のしまりが悪くなったとお聞きし、その修理も兼ねての訪問でした。

お椀を納めさせていただいた後、改めて下駄箱を拝見すると、閉める時左右の扉が当たってしまうことがわかりました。
いろいろと調べて見ても木の部分にゆがみや変形は見られませんでした。


取っ手を軽く持ち上げながら閉めるとすっと閉まります。
よく見ると、仕切り板と扉との隙間が上に行くに従って広がっています。
丁番のネジのゆるみは見られないので、どうも丁番自体の遊び(がたつき)が大きくなり、扉が下がったためではないかと思われました。
取りあえず、扉の縦框を当たらないように鉋で少し削り、その部分のみ塗装をし直しました。
もし、また当たるようになるようでしたら次は丁番を交換させていただきます。


この玄関の額、いつ見ても良いですね。その玄関に下駄箱もすっかりなじんでくれていました。
居心地の良さについ長居をしてしまいました。
Yさん、お世話になりまして本当にありがとうございました。



帰り道、琵琶湖は夕日に輝いていました。



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艶クロメ漆

2010-12-15 21:48:14 | 
先日、なやし、くろめをした漆(なんと呼んでよいのかわからないので、艶クロメ漆とでも呼びましょうか。)で塗った香合。


良い艶に上がりましたが、細かなブツが少し気になります。


そこで、内側は、漉し紙8枚重ねで2度漉してから塗りました。
どう上がってくれるか楽しみです。


大、小の羽反り椀、小皿、つなぎ五稜箸も完成しました。
これの仕上げにも艶クロメ漆を使いましたが、欅材の拭き漆仕上げとは思えないような色つやに仕上がりました。
ご注文いただきましたMさん、Hさん、Bさん、お待たせいたしました。近日中に納品させていただきます。


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両搾り漉し馬

2010-12-14 21:36:30 | 木工
日本の漆を守り育てようと奮闘しておられる浄法寺漆産業松沢さんからの注文で、両搾りの漉し馬を制作しました。


木取りが済んだ部材。台と支柱は楢材、搾り手はブナ、軸はタモ材を使いました。
搾り手と軸は市販されている丸棒を使いました。


搾り手は、軸を差し込む穴をあけ、内側をえぐりました。搾り込んだ時、逆回転するのを防ぐためです。


外側は、握りやすいよう丸く削りました。内丸鉋で大まかに削り、


手回しろくろのように、材を廻しながら豆鉋で仕上げました。


紐を通す穴をあけた軸を差し込みます。


台と支柱にほぞ穴、ほぞ、軸を通す穴の加工をして、仕上げの鉋をかけました。


組み立てて、搾り手の軸に紐をつけて完成。
漉し馬から埃を出してはいけませんので、ペーパーは一切使わず、鉋仕上げにしました。

Mさん、お待たせしました。近日中にお送りいたします。
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生漆のなやし、くろめ

2010-12-13 22:32:59 | 
なやし・くろめ機をつかって実際に漆のなやし、くろめをしてみました。


昨年、渡邉さんから分けていただいた新潟産荒味漆。
一度寒冷紗では漉してはありますが、細かいゴミを取るため吉野紙で再度こしました。
ゴミが多いので、紙が目詰まりしやすく、注意して漉さないと破裂します。
そんな時、この両搾りの漉し馬は、ちょっとゆるめて漆の位置を移動させることができるので大変便利です。


機械に乗せ、ヘラをセットし準備完了。生漆は165グラムありました。


くろめ開始。良い感じです。ファンで風を送って水分をとばします。この時の漆の温度は16℃。
なやしを強くかけるため、暖めません。


あとは機械にお任せ、と行きたいのですが、初めてなので様子を見守ります。
コーヒーを飲み、本でも読みながら・・・。この「漆の文化史」なかなかおもしろいですよ。
縄文時代の前期には、すでに、今日の技術に通じるような漆の使われ方をしていたというから驚きです。


くろめること約2時間。水分が飛び、漆が透けてきました。(写真で透けたように見えないのは細かな泡が入っているためです。)
最後の15分ほどはしっかり水分を飛ばすため、ドライヤーで暖かい風をおくりました。
この時の漆の重さは130グラム。35グラムすなわち、21%の水分が飛んだことになります。


この漆を、再度漉し紙で漉してチューブに詰めました。


漉した後の器などに残った漆は制作中の羽反椀の最後の拭き上げに使いました。
モスリンで拭くと良い艶に仕上がります。

このなやし、くろめ機?、ヘラの形状にもう少し改良が必要な箇所も見つかりましたが、まずまず成功でした。

なぜこんなことをするかというと、一言で言うと「漆の持つ力を最大限に引き出すため」ということになるのでしょうか。
つまり、低粘度で透明感があって艶が良く、乾燥が速い丈夫な漆に精製することができるのです。

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