木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

アームチェア 続き

2009-02-27 22:24:57 | 木工
背板のほぞ。


さらに

貫。
細くても丈夫にするため、これだけ楢を使いました。木目の感じはタモと少し似ていますので、あまり違和感はないと思います。
ほぞは大入れにします。

前脚

前脚は、座板から肘掛けにかけて細くしていきます。

肘掛け

バンドソーで切り出して、


切断面を反り台鉋で削りました。
今回、一番の課題はこの肘掛けと後脚の接合部
前回は蟻で嵌めました。もちろん肘掛けとしては問題ないのですが、肘掛けの上に乗って踏み台代わりにするなんて事になるとちょっと強度に不安も・・・。(自分が良くやるものですから・・・)

いろいろ考えた結果

抱かせほぞにしました。
その場合問題となるのが胴付部。後脚の断面を胴張り(わずかに丸く)にするのでそれとどう隙間無く付けるか・・・、まあ、なんとかなるでしょう。


部材の加工がほぼ終わりました。
次は仕上げ削りやほぞの調整をしながら仮組をしていきます。
ちゃんと組み上がるのでしょうか・・・。
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畑 

2009-02-26 21:42:18 | その他
久しぶりに天気になったので、念願の畑おこしをしました。

「畑」といっても

こんな猫の額どころか鼠の額?ほどの土地、わずか畳2枚ほどです・・・
石ころだらけの硬い土地ですが、このところの雨でだいぶやわらかくなっていました。

ツルハシで掘り、スコップで土をおこし、石を拾って・・・

ちょっと畑ができそうな土になってきました。

スコップで掘りながら拾った大きめの石だけで

ごらんの通り。細かい石を拾ったら土が少なくなってしまいそう・・・。
明日からの雨で洗われて出てくる石を拾い、腐葉土を入れて、畝を立て・・・何を植えようかな・・・。

梅の花が満開になりました。

この梅、先日柿の木をもらいに行った際、切り倒した梅の木の枝。
たくさんのつぼみを付けていたので、このまま咲かずに終わるのはかわいそう、と娘が持ち帰ったもの。
水にさしておいたらつぼみがふくらみ、満開になりました。

小さな枝は、

お雛様には本当は桃の花なのですが・・・。





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小鉋台打ち

2009-02-24 21:38:00 | 木工
背は板に6枚分墨をつけ

ほぞを切り


バンドソーで切り離し、24本できました。
切断面に鉋をかけるのですが、曲面(凹面)に合った反り台鉋がありません。
前回は豆鉋で済ませましたが、この機会に作ることにしました。

刃は、手持ちの24mm幅の刃 
反り台にするので、少し厚めの樫の材を使いました。

墨をつけ、鑿で掘り


刃口をあけ


押さえ引きで挽き


1分鑿で押さえ溝を掘り


刃をはめ、表馴染みを削って刃の出具合を調整
銅製の豆げんのうは、銅の立方体の固まりをたたいて円柱にし、柄の穴をあけて自作しました。


刃口は刃口鑿で調整
この刃口のみは、京鍛冶竜作こと今井義延作。
20年ほど前に特注で打ってもらったものですが、鉋台の調整に大変重宝しています。


今回作るのは反り台鉋。他の鉋で下刃をR200mmに削り


周りを削り、面を取って


完成

削り具合は

OKです。

最後に

台を打つのに今回使った道具
道具作りは実に楽しいです。
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アームチェア その後

2009-02-23 23:31:37 | 木工
アームチェアの制作はその後も淡々と続いています。


座板に後ろ脚を組む切り込みを入れ


周りを曲線に沿ってバンドソーで切り


鉋で削ります。
良く切れる小鉋は、木口も節も関係なくさくさくと削れます。

材の固定は万力を使います。

この万力、幅が230mmもある大型。
1年以上前にインターネットオークションで見つけ購入しておいたのですが、大きすぎてそのままでは作業台に付かないため使わずにいました。
今回、いろいろ考えた結果、補強の脚を付け作業台の幕板をぶち抜くという強硬手段で作業台に取り付けました。
結果は上々、材をしっかり固定してくれます。

その上、

レバーを押すとワンタッチで開閉ができるという優れものです。


次は傘木

墨付けをして、まず、後ろ脚のほぞが入るほぞ穴をあけ


バンドソーで切断し


内側を鉋で削り


治具を使って角鑿盤で、放射状に背のほぞ穴をあけます。


作業は前回と同じことの繰り返しですが、前回の教訓を生かして、少しでも完成度をあげたいと思っています。

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2009-02-22 23:16:34 | 木工
昨日のこと
午前中、京都市美術館へ
目的は

教職員美術展の鑑賞

元同僚から案内状をいただき行ってきました。
20年ほど前に2~3回出品したこともあるのですが、その後はとんとご無沙汰
絵画、写真、書、彫刻、工芸と約300点の力作に刺激を受け、大いに楽しませてもらいました。

午後は、木工木楽屋さん
昨年秋に入札した欅の板が落札できたという連絡をいただき引き取りに。

この欅の板


じつに木味が良く、慎ましく入った玉杢がまた良い。
いつまでも眺めていたくなるような杢です。


写真は一部ですが、幅50cm、長さが2mを超える大きさがあります。
これで何を造るか、楽しみですね。

そして夜は、京都木工芸同好会「一木一優」の新年会?へ

京都駅に降りると夕空に浮かぶ京都タワーがきれいだったので、思わずシャッターをおしてしまいました。

京都タワーを写真に撮ったのは初めてです。

新年会、久しぶりにみんなで集まり、楽しいひとときを過ごしました。



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後脚

2009-02-19 22:21:24 | 木工
後脚の制作にかかりました。


材の歩留まりを少しでも良くするため、1枚の板から3本を取りました。
墨が見えませんね。


切り離す前に、ほぞやほぞ穴を作っておきます。


バンドソーで切断し


切断面に鉋をかけます。外側は長台が使いやすい。


内側は反り台鉋を使って削ります。以前掘った小がんなの台をカーブに合わせて削り、反り台鉋にしました。


すこぶる調子が良く、削っていて楽しくなります。
刃は、千代鶴貞秀。刃幅36mmです。実に良く切れます。


座板との仕口の細工をした後で少し丸みを付けます。


一日の仕事が終わったら、道具を片付け掃除をします。こういうとすごく几帳面な性格だと思われるでしょうが、さにあらず。実は、O型そのもので、大変な面倒くさがり屋。とにかく使った道具を片付けるのが面倒くさいので、いつしか作業台の上はどこに何があるのかわからない状態に。ゴミと一緒に捨ててしまったと思われるものもいくつか・・・。
これでは良い仕事はできないと、心を入れ替え、一工程終わったり一日の仕事が終わったら、道具を片付け掃除をすることにしました。これも修行。やっと身について来つつあります。
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前脚の仕口加工

2009-02-18 22:45:16 | 木工
前脚と座板の接合
力のかかる部分なのでしっかり接合できる仕口を考えました。


まず、脚にほぞ穴をあけ、


座板に2枚のほぞを切り、


さらに、座板を大入れにするための加工をしました。これでどの方向からの力にも強度を持たせることができます。
ほぞのかみ合わせの微調整は組立の段階でします。


肘掛けにさすほぞを切り、貫のほぞ穴をあけて


前脚の仕口の加工が完了。


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座面削り

2009-02-17 22:18:31 | 木工
ルーターで粗彫りした座面を鉋で削りました。


使う鉋は、刃幅24mmの四方反り台の小鉋。
反り台のカーブは掘る部分の一番きついRが削れるように調整してあります。


はじめは横摺でざっくざっくと削ります。
テンプレートの形状を直して荒堀りしたのでとても削りやすくなりました。


ルーターで粗彫りした段差の線が見当になってくれます。
削るに従い鉋の刃の調子を低くし、左右の削り具合を手で確認しながら削っていきます。


段差の線が消えました。ここまで20分程度です。

次は仕上げ

調子を低くした豆鉋で、高い部分を舐めるように削っていきます。逆目や横刷りの傷も取って仕上げます。


4枚削り終わりました。
この1年間で座面を15枚削りました。だいぶ慣れて少しこつがつかめてきました。


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アームチェア 荒削り

2009-02-16 21:03:43 | 工房
荒木取りした材の荒削りをしました。荒削りは手押し鉋盤や自動鉋盤を使いますが、幅が広い座板は機械に入らないのでルーターを使いました。


材を作業台に固定し、作業台の両端に取り付けたガイドに渡したルーターベッドの上でルーターを前後させながら削っていきます。

今回は集塵装置を付けました。


集塵ホースの先に木を取り付け


その上に段ボールをかぶせただけのものですが、ルーターベットと一緒に段ボールも動くようにしたのがミソです。
これで削りくずが作業台の周りに飛ばなくなりました。


平らに削れました。表面は粗いので鉋で中仕上げをします。


脚も含め削り終わりました。

次は座の部分を刳ります。
荒掘りはテンプレートを使いルーターで掘っていますが、今回テンプレートを作り直しました。


準備完了


1年ほど前までルーター類はあまり使わなかったのですが、椅子を作るようになってよく使うようになりました。


荒堀完了。ここからは手作業です。
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作陶展

2009-02-15 17:45:26 | その他
私の工房の向かいで陶芸をしておられる中村さんご夫妻の作陶展の案内をいただき行ってきました。


会場は、「一木一優」の作品展でもお世話になっている、みやこメッセの美術工芸ギャラリー


たくさんの方が見え、大変盛況でした。


どれもこれも生活の中で使ってみたい器ばかり



中でも一番目を引いたのはこれ

素朴な味わいの中に圧倒的な存在感がありました。


信楽の穴窯で焼かれたそうですが、どの作品も荒土を使った荒々しさの中に、眺めているだけで気持ちが安らぐ、そんな味わいがあります。


こんな作品を家に置いて、いつも眺めていたい。と思ったのですがすでに売約済み。



妻も気に入ったこちらの花器を譲っていただきました。

これに花を生けて眺める毎日が楽しみです。
中村さんありがとうございました。良い時を過ごさせていただきました。

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