木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

座卓天板その後

2012-06-28 22:12:46 | 
座卓天板の研ぎが完了しました。
これからが漆を塗っては拭く、拭き漆の作業になります。

初めは綿布でしっかり拭き切ります。



この綿布での拭き切りを数回繰り返して全体の調子を均一にしていきます。




こちらは盃の地付け。陶芸の手回しろくろを利用します。
芯を出して、台に両面テープで固定します。



まず、ヘラで地を全体に多めに配り、しっかり付けます。



ろくろを廻しながらヘラで余分な地を取り、均一な厚みに仕上げます。
地の粒で、ヘラが「チリチリ」と言う程度の厚み(0.5ミリ程度)に仕上げます。



凸面を平らなヘラで均一に均すのはなかなか難しい。



それが、最後の方には割合簡単にできるようになりました。
「だいぶ上達したわい!」と喜んだのですが・・・・



実はヘラ先が盃の曲面に沿って丸く減っていてくれたのでした・・・・。



しばらく扇風機で風を当て、地の水分を飛ばしてから漆風呂に入れて乾かします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伝統工芸近畿展が終わりました

2012-06-26 21:49:48 | 木工
昨日をもちまして日本伝統工芸近畿展大阪展が終了しました。
期間中多くの皆さんから感想や励ましのお言葉をいただきました。本当にありがとうございました。
昨日作品の搬出に行ってきました。



今回出品した、「黄蘗十角飾箱」です。
今年の3月はじめの搬入ですから約4ヶ月ぶりに戻ってきました。

「中を見たかった」という声を何人かの方からいただきましたので、画像でご覧いただきたいと思います。


蓋を開けてみました。中には箱を使い易くするため「懸け籠(かけご)」を付けています。
懸け籠の縁に使っている材は、神代欅です。



懸け籠を取ると、底板が現れます。

実物は、秋の「一木一優」の作品展でご覧ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

座卓拭漆

2012-06-24 21:43:36 | 
座卓の天板の1回目の研ぎ。エアーサンダー大活躍です。



脚部は今回で研ぎが終了。



生漆を塗り、綿布で拭ききりました。



天板はまた生漆を塗り、余分な漆をヘラで取るのですが、乾きが速くあっという間にコテ付いてしまいました。
厚めに漆が残るので研ぐのは大変ですが、導管はすぐに埋まります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伝統工芸近畿展 大阪展

2012-06-19 21:06:11 | 
明日より、第41回日本伝統工芸近畿展大阪展が始まります。


会期、会場は以下の通りです。

列品解説では、作品一つ一つについて工法などの説明が聞けます。箱の中も見せてもらえますよ。
木竹工の列品解説は24日(日)の午後2時からです。


今日の仕事

座卓の脚部を240番の耐水ペーパーで研ぎ、



漆を塗りました。



天板は1回目の捨て摺り。
胴摺り刷毛で生漆をたっぷり塗り、余分な漆をヘラで取りますが、気温、湿度が高いので漆乾きが速くすぐコテコテになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大原へ ~野田芳直個展~

2012-06-18 21:39:05 | その他
陶芸家の野田芳直さんに個展の案内をいただき、行って来ました。

会場は、大原花尻の森にある芳直窯。
今回は、妻の友人の岡山のKさんと3人で寄せていただきました。



車を降りると、江文神社の御旅所の欅の巨木が迎えてくれます。



芳直窯。森の中の落ち着いたたたずまいです。
いろいろ作品を拝見し、作品に込めた思いなどいろいろお話ししていただきました。
歴史や自然の向き合う中で生まれる美意識やもの作りの姿勢など、多くの事を学ばせていただきました。
野田さんの個展は6月20日まで開かれています。



大原まで来たついでに、三千院まで足をのばしてみました。

前回ここを訪れたのはもう20年以上前。当時とだいぶ雰囲気が違っているような・・・。




庭に下りて歩いたのも初めてのような気がします。



苔の柔らかい緑が何とも言えず綺麗でしたが、その中にかわいいお地蔵さんを見つけました。



わらべ地蔵と言い三千院では結構人気らしいですが、はじめて知りました。
今回は時間がなくゆっくり見学できませんでしたが、木立の中を歩くだけで気持ちの良い時間を過ごすことができました。
Kさんゆっくりしてもらえず申し訳ありませんでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

座卓天板鉋削り

2012-06-17 23:11:16 | 木工
埋木の麦漆もだいぶ乾いてきたので、座卓の天板を鉋で削りました。


まず、表。中央部は節のような硬さですが、何とか仕上げました。



こちらは木裏。



やはり中央部は硬いですが、むしろ問題はその周りの木理が交差する部分。
荒削りで掘ってしまった逆目がなかなか抜けきれませんが、一応完了。
久しぶりに良い汗をたっぷりかきました。



木端、木口はいつものように、わすかな胴張りに仕上げました。



今回は全体に軽くサンダーをかけてみました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

乾漆刷毛

2012-06-15 22:55:29 | 
泉清吉さんより、注文していた乾漆刷毛と毛板が届きました。

乾漆刷毛は一閑摺りの紙張りの際、糊漆を均一に延ばすのに、今までは普通の塗り刷毛を使っていましたが、もう少し腰のある刷毛があればなあ・・・と思っていました。
泉清吉さんのホームページの乾漆刷毛の説明を改めて読み、これだ!と気が付きました。
さらに五稜箸などの小物に生漆を摺り込むのにも調子が良さそうです。



早速木地固めをしました。乾いたら紙着せをして補強します。

一緒に注文した落とし毛板は、刷毛についての勉強を兼ねて刷毛作りに挑戦してみようと思います。
うまくできるかわかりませんが何事も経験ですから。
泉さんありがとうございました。




先日挽いたコーヒーカップの取っ手を作りました。



はじめに作ったのはこれですが、なんか締まらない。持ちやすさも今一。



そこで思い出したのが、陶芸でコーヒーカップを作る時に使っていた小生オリジナルの取っ手の型。
これに決まり。



接着はダボを入れて、麦漆を使いました。



輪ゴムで固定して、漆風呂で乾かします。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木工ろくろ

2012-06-11 22:32:27 | 木工
木工ろくろ(旋盤)の仕事も3日目。いよいよ佳境に入ってきました。??

その前に。

座卓の天板の表の埋木。こちらは麦漆を使いました。
木質も木目もできるだけ似たような材を使って埋めました。


埋めた天板を漆室へ運んで、・・・木工ろくろ開始。

今日は、コーヒーカップの制作です。
手に力が入れにくいので陶器では重たいと、年配のご婦人から注文をいただきました。
取っ手を削り出しにしようかと迷いましたが、ロクロで本体を挽いて後からつけることにしました。



欅の木口を深く掘るのは大変でしたが何とか掘れました。
でもここからが大変。



切り離して糸底を仕上げるのですが、削る抵抗が大きいと、チャックから外れ、ここまでの苦労がすべて水の泡になります。
刃物を良く研いで慎重に削りました。



無事2つできました。
これに取っ手を付けます。



挽き終わった木地。この後漆の作業に移ります。
え、後の丸いのですか?  それは・・・完成してからのお楽しみです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

届きました。

2012-06-10 22:43:56 | オーディオ
待っていたものが届きました。


チェンバロ奏者井幡万友美さんのCDです。
一昨年の秋、世屋のコンサートで演奏を聴き、ファンになりました。
CDを出されると聞き楽しみにしていましたが、ご本人のブログでできあがった事を知り、申し込みました。
申し込み1番!!ということで、送料をサービスしていただいちゃいました。ラッキー!!


早速聞いてみました。曲はバッハのインベンションとシンフォニア
17世紀のチェンバロを使われたそうですが、普段聞くチェンバロとは少し違い、柔らかい透明な響きと、低音部の骨太な響きがホールに広がる感じ。
素晴らしい演奏にしばし聴き惚れました。



小生のオーディオ装置。
最近ゆっくり聞くことが少なくなってしまいましたが、久しぶりにしばし音楽にひたりました。
井幡さんありがとうございました。秋のコンサートも楽しみにしています。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木工旋盤で盃

2012-06-09 23:19:03 | 木工
仕事の段取りの関係でしばらく中断していた座卓の制作を再開しました。

ルーターで天板の面出し、荒削りをして、はじめに入り皮部を埋めます。



裏面を入り皮より少し大きめに掘って別の材で埋め。



裏返し、入り皮を取り去り、そこに別の材をエポキシ接着剤で埋め、さらに地を埋めました。
地が乾いてから麦漆で表も埋めます。つまり、埋めた部分の断面がHを横にした形になります。
こうすることにより単純に埋めるだけでなく、補強も兼ねる事ができると思うのです。


地や麦漆が乾くまでには少し時間がかかるので、その間に次の仕事にかかります。
Dさん、お待たせして申し訳ありません。


盃。

材を木工旋盤に取り付け、外形を整え、



外側を荒削り



高台はやや厚めに仕上げておきます。



次に表を仕上げ、



最後に高台を薄く仕上げます。



4つ作ったのですが・・・



一つは最後の糸底を仕上げる時に失敗してしまいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする