木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

日本伝統工芸近畿展入賞!

2013-02-26 22:38:02 | 作品展
24日搬入した、第42回伝統工芸近畿展の審査結果が届きました。

な、なんと、日本工芸会近畿支部長賞を受賞しました!
作品は、「栃蘇芳染拭漆十角飾箱」です。


制作中の作品

工芸会木竹部会の先輩方、漆の先生を始め、皆さんにいろいろ教えていただいたことが制作の大きな力やヒントになりました。
この場を借りましてお礼申し上げます。

なお、展覧会は少し先になりますが、
大阪展が、前期4月17日(水)~23日(火) 後期24日(水)~30日(火)
 JR大阪三越伊勢丹にて
京都展が、5月22日(水)~27日(月) 京都高島屋にて 開催されます。

近づきましたらまたご案内させていただきます。 
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ろくろの勉強

2013-02-21 22:45:27 | 木工
お世話になっている田中さんの紹介で、兵庫県の冨島さんの工房へろくろの勉強に行って来ました。

冨島さんは兵庫県の宍粟市に奥様と二人で、木工ろくろと漆塗りの工房、木工芸「山清」を開いておられます。
途中から降り始めた雪が、工房への道や工房の庭には数センチ積もっていました。
もう一人予定していた方が雪のために来られなくなり、個人授業を受けることになりました。


まず、ろくろのかんな作りから。

ある程度延ばして用意していただいたハイス鋼の棒をコークスの炉で赤く熱して



叩いて更に延ばします。叩いて延ばしながら形を整えていきますが、ハンマーは重く、なかなか難しい。


写真がありませんが、適度の厚みまでのばしたらからおろし、グラインダーで刃先薄く削りました。
そしてもう一度炉で赤めて、先を折り曲、最後に焼き入れ、焼き戻しをして、鍛冶の仕事は終了。
研ぎにかかりました。



一応完成したかんな3本。刃先の曲げを変えて作りたかったのですがなかなか難しい。



早速試し切りをしていただきましたが、まあまあ切れるようで一安心。
この後かんなを使ったろくろの挽き方も教えていただきました。

今までこの日本式のろくろの鉋がうまく使いこなせず、バイトばかりをつかっていましたが、なんとか削ることはできるようになりました。
これからろくろの仕事の中で、しっかり使いこなせるよう練習していきたいと思います。

また、昼食後、冨島さんのろくろを中心とした作品の数々や、奥様の刳り物の作品なども見せていただきました。
薄く薄く挽かれた杉の大きな盛り器など、すばらしい作品を拝見しました。

冨島さん、今日1日大変有意義な勉強をさせていただきました。
本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


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研ぎ

2013-02-19 22:47:51 | 

槍鉋の柄の漆が乾いたので240番の耐水ペーパーで水研ぎしました。
鉋をかけた後、ペーパーで空研ぎをしてきれいにしたのですが、漆を塗ると鉋をかけた痕が少し残っているのがわかります。



十角箱の研ぎも完了。水分が乾いたらまた生漆を塗ります。



漆を塗って余分な漆をヘラで取りますが、まだたっぷり漆を吸い、真っ黒になりました。



栃は良く漆を吸い、特に杢のある栃材ほどきれいに仕上げるのが大変です。
もう一つの十角箱にも難儀しています。24日の搬入に間に合うのか不安になってきました。

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楕円盆 ~菓子器

2013-02-17 23:52:43 | 


和紙を貼った楕円盆を糊漆で固めます。



糊漆をヘラで配って、均し、更に刷毛で均一に延ばしますが、時間との勝負。
何度もヘラや刷毛を動かすと、和紙の繊維が剥がれてきて大変な事になります。



簡単そうでなかなか難しい作業。最近やっとそこそこできるようになってきました。



こちらは、十角菓子箱。側面の仕上げ削り。



削り台に使っている磨きろくろの真空ポンプ。
専用のスイッチ付きコードを作り、磨きろくろ本体から離して使用できるようにしました。



仕上げの削りをして漆を塗りましたが、3月7日の期限までに仕上げるのは時間が足りそうにありません。
どうしよう。


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炭山も雪

2013-02-16 22:21:55 | 木工
気が付けばもう週末。1週間があっという間に過ぎてしまいました。
久しぶりの記事。仕事に追われブログにまで手が回らなかった・・・ということにしておこう。


昨日に続き、今日も朝から雪が舞っていました。積もるほどではありませんでしたが。


この間の仕事。

まずは、楕円盆の紙貼り。糊漆で底に貼り。



糊が乾いたら周りを切り取り、縁の外側に貼りました。

次は槍鉋の柄、2本。

今回は栃の杢を使い、拭漆で仕上げます。



この樋布倉、刃は清忠というめずらしいもの。良く切れ、小型で使い易い。



貼り合わせて,糊が乾いたら楕円の削り出し。八角形~十六角形~



逆目を止めながら、滑らかな楕円に近づけます。



最後は手のひらで廻しながら確認。



ペーパーで空研ぎをして、



漆を塗りました。

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野沢温泉スキー合宿

2013-02-13 22:27:47 | スキー
この連休は、所属するスキークラブの合宿で野沢温泉スキー場へ行って来ました。
今シーズンの初滑りです。


天気予報では3日間とも雪マークでしたが、日頃の行いが良いのか、1日目、2日目とも晴れ!
前日には積雪もあり、絶好のスキー日和でした。



毛無山の山頂で記念撮影。小生は・・・右端。



3日目は前日から降り始めた雪が30cm以上積もり、新雪も楽しめました。



1日目には恒例のKTSカップレース。どうです、この加齢・・いや「華麗」な滑り!
さらに班別の講習会などクラブ合宿ならではの内容で、大いに楽しんだ3日間でした。
詳しくは、KTSクラブのブログをご覧下さい。

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槍鉋の柄 続き

2013-02-08 21:50:57 | 木工

糊が乾いたらハタガネをはずし、木口に楕円の墨を付け、墨に合わせてテーパーをつけて削ります。



削り台に置き、角を削ってやや扁平の八角形に。



さらに十六角形に・・・・



あとは、刃の調子を低くした小鉋で、柄を廻しながら滑らかな楕円に近づけます。



柄尻は私好みに丸く削ります。



鉋削りが終了。自分で使うにはこれで十分、むしろ滑りにくくて良いのですが、



商品なので、ペーパーで磨きます。



先に籐を巻いて、



できあがり。
普通の槍鉋の柄は先の方だけを細くしていますが、何となくしまりがないようであまり好きではありません。
この、私好みの形に仕上げました。この方がずっと美しく槍鉋の曲線が引き立つと思うのですが・・・。



汚れ止めに自家製の蜜蝋ワックスを塗りました。

千代鶴さん、これだけ先にお送りしました。
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槍鉋の柄

2013-02-07 22:31:00 | 木工
千代鶴さんから槍鉋の柄の依頼をいただきました。


3本の内、取りあえず朴の柄から制作。仕込む柄の部分に合わせて溝を掘ります。
トリマーで粗掘りし、櫛形作理、樋布倉、鑿で溝を整えます。



槍鉋を仕込んで確認。



貼り合わせる両面に鉋を掛けます。



糊をつけて貼り合わせ、ハタガネで締めておきます。




その間に取り出したのは・・・・



スキーのチェーンナップ台。木製で折りたたみ式。10年以上前に作ったものです。



ワックスのアイロン掛け



冷えてからアクリル板で余分なワックスを削り取りますが、これが床に落ちると滑って大変。
そこで、この台を考えた訳です。削ったワックスはすぐに掃除機で吸い取ります。
床には念のために、ブルーシートも敷いています。
これで暖かい室内でも安心してスキーのワックス掛けができるというわけです。

この連休は、野沢温泉へ。今シーズンの初滑り。楽しみ!楽しみ!!


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果実王

2013-02-06 20:14:05 | その他
いつもお世話になってばかりのTさんからめずらしものをいただきました。


グレープフルーツ・・・ではありません。



晩白柚(ばんぺいゆ)という果物。
この果物、大きさが半端ではないのです。



隣にふつうのミカンと、500mlのペットボトルを置いてみました。


さらに手を載せて見ると・・・

バレーボールほどの大きさがあるのです。

この晩白柚、原産地はマレー半島。日本では熊本県の八代地方の特産になっているそうです。
果実も果皮も食べられるということで、もう少し熟し高い香りが部屋に漂う「食べ頃」がとても楽しみです。
Tさん、ありがとうございました。
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岡山へ

2013-02-05 22:01:38 | その他
一昨日、昨日と岡山へ行って来ました。
まず訪れたのは、真庭市。

唐木で家具を製作しておられた、廣田さんの工房です。
廣田さんは、黒田乾吉木工塾で一緒に学んだ太田さんの唐木のお師匠さんで、紫檀や花櫚の材を分けていただいたり、昨年秋の作品展にも来ていただきました。
工房へお誘い頂き、昨年12月にお伺いする約束をしながら、今頃になってしまいましたが、妻と二人で寄せていただきました。



廣田さんは大坂で唐木の家具製造会社を営みながら、家具組合の理事をされたりして活躍されていましたが、身体を壊されたのを機会に生まれ故郷の真庭市に帰ってこられたのだそうです。
それが25年ほど前の60歳の時だそうですから、今85歳。
そんなお歳とは思えない程お元気で、唐木のことや若い頃の仕事のことなどいろいろ伺いました。
太田さんも交えてのお話しはとても楽しく、また、勉強にもなりました。



現在は唐木のお仕事はされていないそうですが、工房内には使われていた機械や材料などもそのまま残されていました。



その材料の中から、紫檀や手違、花櫚などの材をいろいろ頂いてしまいました。
大切に使わせていただきたいと思います。廣田さん、太田さんありがとうございました。

私は岡山へ行ったのはこれが初めて、行ったついでに倉敷まで足をのばしました。

もちろん倉敷も初めて。早速美観地区へ。




夕暮れ迫り、灯りの付いた古い街並みの散策はなかなか良かったです。


翌日は月曜日、美術館等はほとんど休み。

小雨の中再び美観地区を散策。



米倉を改装した喫茶店でお茶。




そして、備前焼の窯元のお店をのぞいてみました。
その店のご主人藤岡さんに、備前焼の見方などいろいろ教えていただきました。
お話しの中で、ご主人は元学校の教師。知的障害を持つ子ども達の働く場を作るために47歳で退職して、苦難の末「たけのこ村」を設立されたということを知りました。
藤岡さんも今85歳。子ども達の力を引き出し、生きる自信を育てて来られたその生き方と、もの作りにかかわる姿勢からはいろいろ学ばせて頂きました。


最後に、「大野昭和齋記念資料館」へ

ここは、人間国宝であった大野昭和齋の自宅だった建物。



内部もそのままで見学者に開放されています。



展示されている作品は少なかったのが残念でしたが、木工芸だけでなく、作陶や書などにも造詣が深かった大野昭和齋の在りし姿を偲ぶことができました。

忙しい中での旅でしたが、楽しく有意義な二日間でした。


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