木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

文机

2010-08-31 21:56:28 | 木工
作品展に出品を予定している作品の内の一番の大物?文机の制作に取りかかりました。


材は欅。天板は20年ほど前に黒田材木店より購入した欅の一枚板。
ルーターで荒削りをしました。
あまり暴れてはいませんでしたが、それでも40mm近くあった厚みが30mmになってしまいました。


鉋削り。この板、木端に「65cm」とマジックで書いてありました。
購入時に幅を書き込んだと記憶しているのですが、今回幅を測ってみたら60cm弱しかありませんでした。
1割近くも縮むということは考えにくいので、たぶん測り間違えたのだと思いますが、さすが良く乾いています。


他の部材の木取りも終わり、墨付けにかかります。

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段取り変更

2010-08-30 21:47:22 | 木工
椅子の制作に取りかかったのは良いですが、このままでは漆の風呂が満杯
そこで段取りを変更し、風呂に入っているテレビ台等の拭漆を先に仕上げることにしました。


テレビ台の地板の研ぎ。
面積が広いので、エアーサンダーを使うことにしました。
このエアーサンダー、調子が良くないので分解してみたところ、ベアリングが錆び付いていました。
やはり水研ぎ用にはできていないようです。メンテナンスをして無事動き出しました。


エアーサンダーだけではどうしてもムラになりますので、後必ず手で研いで仕上げる必要があります。


こちらは几帳台。手のひらで転がして丸みを確認しながら研ぎます。


地板の研ぎが完了し、綿布で拭き上げました。


几帳台も仕上がってきました。


続けて盆の研ぎにもかかりましたが、3日間研ぎ続けたら、右手の親指の皮が一部薄くなってしまいました。
暫く研ぎは休憩です。

連日の猛暑、私の暑さを乗り切る秘訣は・・・

ここで、毎日昼食後に昼寝。外からの涼しい風の中で30分ほどぐっすり。疲れも回復し、午後からもがんばれます。
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椅子

2010-08-28 21:03:10 | 木工
次の制作は、椅子式の文机とそれに合わせた椅子。
まずは椅子から。


部材の木取り、荒削りをして


ルータによる座の粗彫り。


粗彫り完了。いつものパターンです。


次は小鉋で削りますが、その前に冷たいコーヒーで一服。
婆佐羅さんでいただいたこのコップ、すっかり気に入り、なくてはならないものになってしまいました。


20枚近く彫ると座の鉋削りもすっかり慣れ、40分ほどで仕上がってしまいます。


続きは明日。

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お盆水研ぎ

2010-08-27 21:48:23 | 木工

捨て摺りした漆もすっかり乾いたので#240の耐水ペーパーを使い、水研ぎにかかりました。
煎茶盆と一文字盆は隅々まできれいに研ごうと思うと大変です。


こちらは裏。


栃の盆。ルーターで彫ったところの荒さ、傷の深さに驚きます。


6枚を研ぐのに約7時間もかかってしまいました。


また漆を塗り、風呂で乾かします。


風呂がいっぱいになってしまいました。頑張って研がないと・・・。
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和うるしの器展

2010-08-25 22:38:52 | 木工
昨日の几帳台。捨て摺りの前に空研ぎをしました。

まずベビーサンダーで鉋の刃跡が取れる程度まで軽く研ぎます。あまり研ぎすぎると形が歪んでしまいます。


後は手で研ぎ残った鉋の刃跡を取り、丸みを整えていきます。


最後は、丸みを手のひらの感覚で見ながら研ぎ上げます。
捨て摺の前の空研ぎは、普通はしないのですが、丸棒の場合、鉋の刃の跡を漆を含んだ状態で消すのはとても大変なので、この段階で丸みを仕上げておきます。


捨て摺り完了。風呂に入れて乾かします。向こう側に見える板はテレビ台の地板。
長すぎて風呂に入らないので、そのまま乾かしています。
風呂の中は捨て摺りをした部材でいっぱいになりました。明日から研ぎをはじめます。

今日は、午後からの漆教室の終了後、高島屋で開かれている「和うるしの器展」に行って来ました。

香川県で国産漆のみを使って漆器を作られている、「和うるし工房あい」さんの作品展です。

ブログでは時々拝見し、漆の植栽までされ、日本産漆のみを使って制作されていることにとても興味を持っていました。


会場には、器やスプーン、箸、アクセサリーなど、漆の肌合いが実に美しく、また使い良さそうな作品がたくさん並べられていました。
工房を主宰する松本さんにいろいろお話をお聞きすることができました。
同じ日本産の漆であっても、その産地、その年の気候、掻き手などにより様々な表情があること、その特徴を生かして塗られた漆の表情、艶や肌合いの違いなど、実際に見せていただきとても勉強になりました。
やってみたいことがまた増えました。
松本さんありがとうございました。

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几帳台

2010-08-24 20:58:56 | 木工
めずらしい几帳手に入れたので、几帳台を作りました。


材料は縮み杢の栃。仕口の加工が終わったところ。
これから鉋で削り出します。


こちらは脚。同じ栃ですが、赤身の少し重いところを使いました。


まず天棒の下側を丸く削り出します。ルーターで荒削りした後、平鉋のみで削り出します。


この天棒に合わせて、柱の胴付きを丸く仕上げます。


天棒の上端の削り出し。反りの部分は内丸の反り台鉋を使いました。


柱の削り出し。最終的に逆目を完全にとめて仕上げます。


部材の削り出しが完了。


脚に貫を嵌め、柱を立てて、


天棒を差して完成です。

衝立として使いやすいよう、衣桁風にしてみました。
几帳は別の棒を通して天棒に紐でくくって下げます。どんな几帳を掛けるのかは作品展当日をお楽しみに。
仕上げは拭漆です。

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テレビ台 仕上げ削り

2010-08-21 21:21:07 | 木工


仕上げの鉋を掛ける前に、古いほぞ穴や虫穴を埋めました。今回は彫り込んで木を埋めました。
これが一番手っ取り早く、確実ですね。裏なのであまり目立ちませんし。


栃は鉋で削りやすい材ですが、問題はこの金食い。石灰質が固まったものだと思いますが、鉋を掛けるとここで必ず小さな刃こぼれがおこります。
そのたびに鉋を研ぎ直し・・・


やっと3枚の板の鉋掛けが終了。
全身汗まみれになりました。


脚も箱ほぞの高さを板厚に合わせて調整し、仕上げの鉋を掛けました。


木地が完成。仕口の養生をして漆にかかります。
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テレビ台 仕口の加工

2010-08-20 22:30:27 | 木工
荒削りした板の寸法取り

長さは、横切り盤で正確に切れますが、幅を決めるのには、この長棹罫引が必需品。


地板、棚板と脚の接合は、箱ほぞで継ぎます。


まず、差しほぞを調整して継ぎ、


箱ほぞは板の中央でつながるようにしました。


接合度も大きく、かなりの強度を持たせることが出来ます。


ほぞの調整が出来たら仮組み。地板に棚板の脚を差し込み


棚板を乗せ、


棚板に2段目の脚を差し、


天板を乗せて仮組み完了。

実際に置かれる場所と使い方に合わせ、違い棚風にしてみました。
次は仕上げの鉋削りと、仕上がった板に合わせて箱ほぞの長さ調整です。


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テレビ台

2010-08-19 22:19:25 | 木工
次の制作はテレビ台
同じスキークラブに所属するNさんからの注文です。
材料はこれ

古い家を改築された時に取り外して保存しておられた、違い棚。材は栃です。
釘穴の部分などをカットして、平らに削り直します。


かなり反りが出ていましたが、出来る限り厚く仕上げました。


荒削りが終わったところ。


一部削れていない部分もありますが、これ以上削ると薄くなってしまうので、このまま使うことにします。
節や赤身もあり、高級材ではありませんが、良く乾燥し木質も硬化しているので安心して使えます。


脚の木取り・荒削りも出来ました。
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こちらも「お盆」

2010-08-17 22:05:16 | 木工
こちらは刳り物のお盆。
シンプルなデザインにしました。

ルータによる粗彫り。2種類のテンプレートと2種類のビットを使いました。
作業中の写真を撮り忘れたので、掃除が終わった後で再現。
作業中は集塵機や掃除機を使っても、作業台も床も服も削り屑だらけになります。


内側の粗彫りが完了。きれいに見えますが、やはりルーターで削ると削り跡は荒いですね。


外側は、糸のこ盤で荒取りした後、鉋で輪郭を削り出します。


隅の丸みは刳り小刀で削って仕上げます。


外側は、輪郭に沿ってルーターで粗彫りした後、鉋で仕上げます。


最後に面取りをして木地が完成。
本当は最初から鑿で手彫りをしたかったのですが、時間の関係でルーターで粗彫りしてしまいました。
楽しみが半減してしまいましたが、手彫りはまたの機会に楽しむこととします。
今回2種類の大きさの盆を、それぞれ栗と栃で作ってみました。


捨て刷り。生漆をたっぷり吸い込ませました。
1週間ほど乾かしてから水研ぎにかかります。
作品展まであと5週間になってしまいました。
コメント (4)
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