木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

茶の器五人展 

2017-08-31 21:09:49 | 作品展

明日から「茶の器五人展」が始まります。
早朝に京都を出発。昼には会場のルーサイトギャラリーに到着し、早速搬入・展示

夕方には展示が完了しました。


1階の展示スペース。皆さんの力作が並びます。

茶室では、随時呈茶致します。


二階は、手前座を設えてみました。


煎茶道具以外にもいろいろ展示しています。


床には、美風流の中谷美風宗匠のお軸。


ベランダに出ると、隅田川の向こうにスカイツリーも望めます。

茶の器五人展は、9月1日(金)~3日(日)
午前11時~午後6時(最終日は4時半まで)開催されます。
是非お立ち寄り下さい。
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金沢~信州への旅 信州編3

2017-08-16 21:48:13 | 木工
8日京都への帰途、長野を回って信濃美術館に寄って来ました。

今「ウィンザーチェア」展が開催されています。


入場券は谷さんより招待券を2枚いただいてしまいました。

会場には18世紀~19世紀に作られたウィンザーチェアが列び、大変見応えのあるものでした。
デザインの美しさもさることながら、なにより刻まれた傷や磨り減った座板、痩せて座板から飛び出した足等にその椅子の歴史を感じました。
いつ、どんな人がどのように作ったのだろう?
どこからこのデザインは生まれたのだろう?
どこでどう使われてきたのだろう?
座板には節のある板も使われ、なぜこのような材をあえて使ったのだろう?
上体に比べ脚がいかにも貧弱な作りなのはなぜだろう・・・・・
そんなことに思いを巡らせながらとても楽しく見て回りました。


会場の入り口には2つの椅子が並べられていました。
左側の椅子は我が家にある椅子と同じものであることに気がつきました。


#44Aという松本民芸家具のウィンザーチェア。

この椅子は、漆研究家の豊島清さんと愛子さんご夫妻が使われていたものです。
お二人が亡くなられた後、ご子息から形見としていただいたものです。
曲げ木が使われていないところから昭和30年代に作られたもののようです。
普通の#44Aの椅子と少し違うのは。畳摺りが付き、座の高さも少し低くなっていることです。
当時はこのような和室仕様があったのか、豊島愛子さんの特注のような気がしますが・・・。
時間ができたら少し手を入れて大切に使い続けて行きたいと思います。

ウィンザーチェア展は8月27日まで開かれています。
その後、東京の日本民芸館でも少し規模を縮小して開かれます。
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金沢~信州への旅 信州編2

2017-08-13 23:56:44 | 木工
必要な用事を済ませた7日午後、小諸の谷進一郎さんの工房にお邪魔をしました。


私が谷さんを知ったのは、確かこの雑誌を見てだったように記憶しています。
1992年山と渓谷社発行のWOODY LIFE別冊の「手つくり家具作家図鑑」
当時私は黒田乾吉木工塾の塾生でしたので、黒田辰秋先生に影響を受けたという谷さんの作品は印象に残りました。
工房が長野県小諸市にあるということを知り、帰省時に小諸高原美術館で開かれていた展覧会で作品を拝見したりしていましたが、直接工房にお邪魔するというのはちょっと敷居が高かったのです。
今回やっと長年の思いを叶えることができました。


谷さんの工房の一画。私の工房もちょっと似た雰囲気・・かな。
FaceBookでも紹介されていた釿(ちょうな)やその斫り跡を生かした作品、昨年今年国展に出品された栃厨子や黒胡桃箱などを拝見していろいろお話しを伺いました。


また、奥様の谷恭子さんが主宰されているスタジオKUKUの展示室も案内していただきました。
三畳ほどの和室は、四方卓子や立礼卓、衝立など高品位な現代的和の空間だ設えられていました。
また、展示スペースに並べられたテーブルウェアや小物、木と金属を組み合わせたアクセサリーは大変上品で素晴らしいセンスの作品でした。
あまりアクセサリーなど買わない妻が帯留めをいただいたのもよくわかります。大変喜んでおりました。
居心地の良さに時間はあっという間に過ぎ、ついつい長居をしてしまいました。

谷さんはご自分の制作や若いスタッフの育成の傍ら、「木考会」に始まり「信州木工会」、「木の家具展」「木工家ウィーク」など、木工を志す人たちが集い、切磋琢磨できるための「集まり」作りに力を注いで来られました。
信州木工会の研究会は50回を重ね、その内容はWebページを通じ広く公開されています。
メーリングリストの木工家ネットでは様々な情報を受け取ったり発信したりできます。
それらの中で、これまでにどれだけ多くの木工家が学び育っていった事でしょう。
私も多くのものを学ばせていただいています。
谷さんのお人柄と果たして来られた役割は、日本の木工界の中でも特筆に値するものだと思います。
次の世代の方がそれを是非引き継ぎ、未来を切り開いていってほしいと思います。

谷さん、恭子さん本当にありがとうございました。
秋京都においでになるのを楽しみにしております。

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金沢~信州への旅 信州編1

2017-08-12 22:45:08 | 故郷信州にて
5日午前中金沢を発ち、故郷佐久に到着したのは夕方。そのまま野辺山の八ヶ岳高原音楽堂へ。

ここで開催された「小椋佳 アコースティックライブ」。たまたまインターネットで見つけすぐに申し込んだのです。
小椋佳のデビューは1971年。私の学生時代。「しおさいの詩」や「木戸をあけて」など良く聴いた・・いや聞かせてもらったものです。
もちろんコンサートははじめて。あれから45年、さすがに高音の伸びは当時ほどではないものの、柔らかい豊かな声は昔のまま。
暮れゆく森を背景に、しばし美しい歌声に浸りました。

田舎へ帰る主たる目的は、今は誰も住まない実家の点検と庭の草刈り、そしてお墓参り。

冬には凍てついて穴も掘れなくなるのだが、夏には背丈ほどもある草に一面覆われる。
人が住まなくなって約15年。かつては家庭菜園をしたり、草花や植木をおいた庭もまさに藪から森へと化している。
人間のしてきたことをあざ笑うかのようにすべてを自然に帰していく。

お墓は実家から10km程離れた小高い山の中腹。
回りをは畑と土手に囲まれた60坪ほどあるお墓もあっという間に草に覆われます。
お墓参りの前に、刈り払い機で草刈り。

あと何年こうして草刈りに帰れるのか、この実家とお墓をこれからどうしたらよいのか。
真剣に考えなければならない歳になってしまいました。

田舎へ帰る楽しみは、小中学高校時代の友と会えることです。
今回も夕飯をご馳走になったり、家の仏壇のことを相談に乗ってもらったりしました。
また、税務署を退官後果樹園を営む友人宅では、ブルーベリーや完熟のプラムなどたくさんいただいてしまいました。
田舎を出て50年近く経ってもこうして暖かく迎えてくれる友人がいることは本当にありがたく嬉しいことです。
W君、S君、M君ありがとうございました。


写真は幼い頃、毎日のように遊んだ手前の千曲川と、駆け回った裏の羽黒山。その間に挟まれた故郷の町並み。
ここも過疎に喘いでいます。
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金沢~信州への旅

2017-08-10 23:04:29 | 故郷信州にて
帰省のついで?に、木竹部の秋の研修旅行の下見を兼ねて金沢を回りました。

途中、鶴来に寄り昼食。白山比咩神社にも参拝。

金沢市に入り最初に訪れたのは、卯辰山工芸工房。

卯辰山からは金沢市街が一望。
卯辰山工芸工房は、伝統工芸に携わる技術者育成と、工芸作品や資料の展示などを目的に建てられたものです。
陶芸、漆芸、染、金工、ガラスの5工房では現在30名の若者が、創造的なものつくり目指して研修に励んでいるとのことでした。
このような形の施設は全国でも珍しく、県や市の工芸への力の入れ方が伝わってきました。
木工がないのがちょっと残念ではありましたが・・・。
展示されている工芸品や工房をゆっくり見学していると時間もあっという間に過ぎ、次の金沢城へ向かいました。


金沢城へついたのは夕方5時過ぎ。幸い暑さも収まり、夕風に吹かれながら場内をゆっくり・・ではなく急いで見て回りました。

翌4日は朝から太陽が照りつけ気温もうなぎ登り。
兼六園もゆっくり見学するどころではなく、ただ通り抜けたという感じ。




兼六園に回りにはたくさんの美術館等の施設がありそのいくつかを見学。
 

その中でも研修旅行での一番のメインは、ここ県立美術館。
研修旅行当日の11月11日から

この展覧会が開かれるのです。
その後、中村記念美術館を見学、さらに鈴木大拙館も見たかったのですが、閉館時間を過ぎてしまいました。


夕食は、林先生に紹介していただいた、金沢市郊外の季節料理「つばき」へ。
地の食材を使った料理は本当に美味しく、研修旅行でも是非訪れたいお店です。

翌朝(5日)は散歩で金沢駅へ。

この作者、灰外先生は北陸新幹線の開通式に参列された後体調を崩され亡くなられました。
木竹部からはお花をお送りしてご冥福をお祈りしました。

ホテルを出発し、東茶屋街と金箔工芸館をチラッと見て、信州へ向かいました。









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今日からフル稼働

2017-08-09 22:51:22 | 
3日から金沢~信州と巡った旅?から昨夜京都に戻り、今日からフル稼働。(旅の話題は後日)


まずは、先週捨摺りをした茶箱、盆の研ぎ。


盆は3枚。#240(一部#180)の耐水ペーパーでひたすら研ぎました。
挽き跡を一度に消そうとすると研ぎ過ぎてしまうので、捨摺りと研ぎ重ねの中で消していきます。


水分を十分乾かした後、生漆の多い錆を摺り込み余分を篦で取りました。
拭漆で錆を使うことは今までほとんどしてきませんでした。初めての試みです。

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「煎茶を楽しく」 茶の器五人展 のお知らせ

2017-08-02 19:07:37 | 作品展

茶の器五人展を開催致します。
 井内 素 陶芸
 市川正人 木工芸
 稲澤隆生 陶芸
 松下喜山 金工
 三木啓楽 漆芸


会期:9月1日(金)~3日(日)  11:00~18:00 (最終日は16:30まで)
場所:ルーサイトギャラリー
     東京都台東区柳橋1-28-8
 
         
 ゆったりとした風雅なひとときを楽しむ煎茶道具を中心に生活を彩る木工品も展示致します。
 ご来場をお待ちしております。 3日間在廊致します。
 
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茶箱

2017-08-01 22:06:20 | 木工

制作は、木取りして乾燥庫で乾かした欅の板を鉋で削って厚みを一定にそろえるとこから


仕口は定番の隠し蟻。


底板をはめて仮組。


このところ湿度が高く、板は乾燥庫に入れたり出したり。

<
天板の裏透き、蓋の仕口加工が完了


組み立てて覆輪や高台をつけて木地が完成。


蓋は手前盆として使うため、裏透きも甲盛りも中央部は平面を残しています。
明日は捨摺り。

この茶箱も9月はじめの煎茶道具5人展で展示する予定です。


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