母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

2012年11月13日 | Weblog
雲は水蒸気の塊なのにいきものみたいに
意思を持ってあちらへこちらへと
何かを探しまわるポーカーフェイスのともだち

だから雲の一ひらもない日はなんだか落ち着かなくて
ちいさな雲が流れてくるとほっとする

ふわふわと白い雲がのんびり浮かび
動物に似た形などになるといつもみとれてしまって
すっかり時間をなくしてしまい
そのまま僕の一日は過ぎてしまうけど
あくせくニンゲンの時を過ごすより
こんな風に毎日違う顔をする空と雲を眺め
一日を過ごすほうが貧しくても心は満ち足り豊かなのさ

雲は 
明け方と夕暮れはピンクサーモン色に染まって恥ずかしげに
それはそれは素敵な挨拶をしてくれる

そんな楽しい雲だから水蒸気の塊だということを
いつもすっかり忘れてしまうのさ