母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

ブリューゲルの画のような

2018年01月27日 | 季節
遠くにビル群を臨む見慣れた街が
雪に埋まるとまるで
ブリューゲルの画のように
白ひと色に目の下に広がっていた

屋敷木立の中に家々が雪に埋もれ
中世の穏やかな暮らしが
雪の中で生息しているようで何か愛おしい
不思議な朝の景色
静けさが空の広さに吸われたこの街で
知らない国の旅人となり
想像の世界に迷い込ませた雪の純白

狩人や猟犬らの姿もなく
獲物を追う狩人の密かな合図の声も
ざわめく犬の声も聞こえては来ないが
雪に埋もれた白い街に
毛皮と肉を追う遠い国の中世の人々の生活の息づかいがした
名画のような 朝