母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

北の星

2016年02月07日 | 季節
夜空は広いベルベット
触れれば優しい群青色
宝石のような星星が
キラキラ貼りつき光っている

からっ風が吹き止んで
音を亡くした夜の空
チカチカ宝石貴石の触れ合う音ばかりする
空はなんと静かで深い夜なのか

この北の空の正面に
大きな孤独な星ひとつ
ひとは何時からか呼ぶ北極の星と
北を示す標べの星と

地上はあまりにも狭く苦しく
さくらの花 生き物の命は短かく
繰り返す浮沈はめまぐるしくて
泪の河の絶える間もなく


北の星よ北の煌きよ
人は弱く淋しく癒えても傷また深め
襲う波さえ繰り返し天地は渦巻くを
星は幾億年を総て受け止め抱き輝きを続ける

北極の星 冬の空の涼しい王者 
群青の
ベルベットも凍る空にダイヤモンドの群れ従えて
独り立つ星よ