母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

紅い落葉

2017年11月15日 | 花(秋)
紅い落葉
舞い散る桜の 赤い葉

林檎色の可愛い
虫食いのある小さき落葉
葉脈の幾筋も浮かぶ落ち葉
秋深まる晴れた午後の通り

花終われば葉桜青く伸び繁り
今年の春夏を過ごして満たされて
いまは地上に落ち消えようと

今年のいのちを楽しみ
絵の具より優れた色彩で
染まるちいさなかたちの桜の葉

去年でなく
来年でなく
この年の
季節 時間をともに過ごし路上に落ち
消えようとする愛しい
仲間 秋のさくら葉の美しき

秋の句 べにいろ

2017年11月03日 | Weblog
☆ 真夜中をオリオンの位置微動せず

☆ 三つ星は夜の語り部街静か

☆ 水冷えて緑藻の濃いメダカの家

☆ 軒の秋終りを尾花と風ながる

☆ 紅色に丹沢暮れる父母恋し

☆ 短日を赤き肌色富士の空

☆ 熟し柿色の温さよ煙匂う

☆ 燃える火は五右衛門風呂の祖父の家

☆ 虫食いの曲線の葉の赤い色

☆ さくらの木猫のしとねや葉の重ね

☆ 白黒の猫の飛び出す枯れ野なり