母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

春の句 【春の空、桜】

2014年04月22日 | 花(春)
さくらさくら身延の山は紅の山

さくら咲く今年の春をまたさくら

小学校のさくらの古木の古里に

振り仰ぐ昭和のさくら懐かしや

先生も友らもさくらに化身して

山麓は空もおぼろに春の星

父母は今春空の星となり

幼い日クレヨンで描きし春の星

春の星どなたの瞳かまたたきか

風に乗りさくら思索し舞い散るか

さくらさくらさくら

2014年04月14日 | 花(春)
わたしの上に降るさくら
わたしの空を埋めるさくら
過去を覆い
言葉を奪い
未来を見るさくら
いつもの春の
あけぼのいろのさくら

息をひそめ
どこかで見ているのはどなた
慈愛のひとみで
みつめているのはだれ

さくらのはなのはなびらに
ひろがる小さな宇宙
ひろがりが胸を締め付け
この道をまた歩くと
数え切れぬ花の思い出が舞い散るのだ
過ぎし日よ さくらよ 
手を合わせ見上げてその空に吸われてゆく