母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

春の句 花心

2016年04月30日 | 花(春)
☆ 風強き朝の窓辺の残り花

☆ 春あらし空の高さよ雲遠し

☆ 菜の花を食べて飾りての朝の卓

☆ ぶたまんじゅう名より可愛い葉を伸ばす

☆ 晴れてのち曇ってのちの陽の寒さ

☆ 赤い花黄色い花と絵の庭に

☆ カタツムリ高層の壁に春描く

☆ ミント茶にこぼるるばかり葉を積んで

☆ 夢多き乙女に戻り花買う日

☆ 垣に葉と花垂らす家人静か

☆ うらおもてどちらも春の霞富士

☆ 猫の尾の陽炎のごと浮かぶ午後

四月の句ー九州ー

2016年04月19日 | 

 春に揺れ阿蘇に乱れる火山の土

 爪跡も大いなる大地言葉無く

 若葉萌える阿蘇山麓の空黙す

 火と水と豊かなる肥後哀れなる

 花冷えに夜を過ごせし人を想う

 避難所の軒下の犬のつぶらの眼

 大阿蘇の旅の思い出もはるかにて

 湯けむりの別府に朝の定期船

 友の里春の別府よ若き日の

 雄大な草千里を牛ら草はむも

 歴史古る神の天地に祈り捧ぐ