母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

かすれた夏、赤とんぼ

2019年09月11日 | 季節
かすれた夏が
村の外れ 分か去れの古い石の上に
腰掛けて遠い空と雲を眺めていた
濃い青い空に夏の面影はあっても
季節は今年も少しずつ動いてゆく

道の端 
山桑の木の枝の枯れたてっぺんに
アキアカネが止まり
大きな目を動かして風を見ていた
人も道も時の中で静かにうねり変化してゆくが
野の花草と赤とんぼらは
人の目に移ろう秋への季節も
毎年のんびりと跳び揺れて舞うだけです