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インスタグラムで稼ぐために「映え」よりも大切なこと

2023年10月16日 23時03分22秒 | インターネットにまつわるはなし
インスタグラムで稼ぐために「映え」よりも大切なこと

「働き方改革」に伴い、政府も副業を後押しする昨今。スキマ時間に手軽にできるものから、まとまった元手や時間を要するものまで、その内容は多種多様だが、果たしてその明暗を分かつものは何なのか?



プロフページのタイムラインの美しさにこだわる

『「こだわり」が収入になる! インスタグラムの新しい発信メソッド』の著者であり、インスタグラマーとして自身で培ったノウハウをもとにインスタグラムによる法人向けのマーケティング支援を行う会社「grams」を運営する艸谷真由氏。前回の記事では一見、男性会社員には縁遠そうなインスタグラム副業の魅力をお伝えしたが、今回はより具体的なノウハウを伝授していく。  インスタを活用して副業や個人ビジネスを始める上で、まず気がかりなのは発信するコンテンツのテーマ選び。アパレル販売員を経て10か月で1万フォロワーを達成した艸谷氏は、カフェやファッション、旅などインスタ内で定番人気のジャンルで成功しているが、比較的メジャーなテーマで差別化していくには自分が好きなテーマを掛け合わせていくことがコツだという。

 「もともとのパイが大きい分野がやりやすいのは確かなので、自分の好きなテーマやインスタの中に転がっているテーマから、自分が好きで続けられそうなものを拾い、自己流で組み合わせるのが一番やりやすいと思います。例えば、本好きなら小説系とかビジネス系とか、本をテーマにしたアカウントを調べて空いているジャンルを私なら狙います。もしくは、新しいコミュニティやマーケットを自分で一からつくるのが難しそうなら、ほかのテーマを掛け合わせるという感じ。『自分だったらこういうコンテンツをフォローしたい』という基準が大切です」  

インスタで扱われるジャンルやコミュニティは日々、多様化しているため、ほかのユーザーがまだやっていない、意外とニッチなテーマでも成功する可能性は十分あるが、写真や文章のテイストをインスタの温度感に合わせて発信することは必須となる。 「写真で意識してほしいのは“映え”ではなく、統一感があって見やすいこと、いつ見てもプロフィールページのタイムラインがきれいで完璧な状態に保つことです。普通、知らない人をフォローするときは投稿写真の統一感や、コンテンツの完成度を判断してフォローします。写真の雰囲気が余りにもバラバラだったり、コンテンツと直接関係ない日常の写真が混じっていたり、プロフページのライムラインがグチャグチャした印象だと、その一瞬の見た目でフォロワーを逃してします」

艸谷氏がオススメするプロフページの例




 艸谷氏はストーリーやほかのSNSを使い分け、インスタの本投稿では自身が手がけた商品の宣伝などは一切行わないそうだ。 「1枚1枚の角度や背景を変えてプロフのタイムラインをいい感じに揃えるのはすごくセンスがいりますが、意識することは水平と垂直を真っ直ぐにして、色がちゃんと出るように撮るだけです。変に斜めからとか撮る人も多いですけど、それだけでかなり差別化になります。写真は絶対に真っ直ぐ撮ると決めておくと、それだけでセンスあるように見えますよ」  写真は基本デジカメで撮影している艸谷氏だが、特殊な機材なども使わず、他メディアで活用しやすいといった理由からフィルターも使っていない。

 「テーマ的に写真が地味になりやすい場合は、YouTuberのサムネ画像みたいにイラレなどでレイアウトし、写真に文字を入れるのがオススメです。吹き出しなどで文字を入れるだけで写真の雰囲気がだいぶ変わるし、デザインは使い回しできます。キャプションなどテキストの内容は、写真に紐付く情報だけを書き、日記にしないこと。自分のことは最後に一言くらいにして、『駅の何番出口から徒歩何分で行きやすい』とか、フォロワーがなるべく自分事として共有できる、有益な情報を心がけましょう」

ハッシュタグ活用と地道な「いいね!」回りで仲間を増やす

早くフォロワー増やしたいなら、『いいね!』回りをしっかりやると、フォロワーの増える速度が全然違います。自分と同じようなテーマで発信しているアカウントやハッシュタグを足掛かりに、そこのフォロワーに『いいね!』しまくるんです。そのためにも『ここをフォローするなら自分もフォローしてくれるはず!』というコンテンツづくりが大事です。結局、『いいね!』した人には『いいね!』が返ってくるし、コメントしたらコメントが返ってくる。『いいね!』返しやコメント返しも徹底しましょう」  インスタ内で仲間をつくり、一緒にコミュニティを盛り上げる意識も成功の近道となりやすいが、インスタにはハッシュタグのフォロー機能(フォローしたハッシュタグの付いた投稿を自分のタイムラインに表示させる機能)もある。ハッシュタグは新規フォロワーの流入元として積極的に活用したい。 「日本人のフォロワーを増やしたいなら日本語のタグ、学生のフォロワーを増やしたいなら学生の間で盛り上がっているタグというように、自分のターゲットがどんなキーワードで検索するか想像して付けます。いかにトップに載るかを考えると、投稿10万件以下の規模のタグがオススメ。ハッシュタグをいろいろ見ていくと、関連タグや人気の投稿内容などもわかってきます。例えばカフェ関連のタグの中で『このお店がトップに来やすい』とわかったら、みんなとは違うアングルで撮るなど、その層に刺さりそうな内容を投稿しましょう」  インスタでは複数のハッシュタグによる同時検索ができないため、店名などの基本情報的なタグに加え、「東京カフェ」「浅草ランチ」など複数キーワードを組み合わせたタグ、広いテーマから狭く絞り込めるタグを付けるのもポイントだ。  最後にフォロワーを増やすための投稿のペースについてだが、ほぼ毎日同じ時間に1投稿することが基本だとか。撮り溜めして、下書きに置いておくことも可能とはいえ、本業の仕事もしながらだとなかなか大変そうだが……。 「たとえフォロワーがたくさんいても、週1くらいのペースだとトップに上がりにくくなるんです。まずは18投稿と1000フォロワーを目標にするといいと思います。自分のプロフのタイムラインが良い感じにできてくると、みんな気持ちが乗っかってくるので。18枚くらい投稿が揃った段階から本格的に1日1投稿と『いいね!』回りを実践していくと、着実にPVが増えて反応もらえるようになる。最初は大変ですが、1000フォロワーくらいになると続けやすいし、本気でやれば3か月で1000フォロワーは可能です」  インスタも副業として取り組むとなると本気度が問われそうだが、スマホ1台で完結する上、元手ゼロで始められるのは魅力。“これは”という趣味がある人、単に「稼ぐ」だけでなくやり甲斐や楽しさを重視する人は気軽に始めてみるといいだろう。





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芙蓉の花は、まだ、

2023年10月16日 18時03分18秒 | 日々の出来事
芙蓉の花の季節は長いです



10・9・2023
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豊かな水量の河面です

2023年10月16日 17時03分42秒 | 日々の出来事
久しぶりの雨で増水してます

10/9/2023

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自民が東京でまた敗北 立川市の都議選補選で都民ファ&立民に及ばす 9月の市長選に続く敗戦

2023年10月16日 10時03分28秒 | 政治のこと
自民が東京でまた敗北 立川市の都議選補選で都民ファ&立民に及ばす 9月の市長選に続く敗戦

自民が東京でまた敗北 立川市の都議選補選で都民ファ&立民に及ばす 9月の市長選に続く敗戦(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース


自民が東京でまた敗北 立川市の都議選補選で都民ファ&立民に及ばす 9月の市長選に続く敗戦
10/16(月) 5:00配信

日刊スポーツ
東京都議補選・立川市選挙区の告示日、都民ファ伊藤大輔候補(左)の応援に入り支持を訴える小池百合子知事(2023年10月6日撮影)


 自民党が、東京の選挙で再び敗北した。


 都議2人の市長選出馬による自動失職に伴う東京都議選・立川市選挙区(欠員2)は15日、投開票され、いずれも新人で都民ファーストの会の元市議、伊藤大輔氏(48)と、立憲民主党の元葛飾区議、鈴木烈氏(49)が当選した。自民党の新人、元市議の木原宏氏(47)は落選した


【写真】笑顔を見せる小池百合子都知事(2023年6月)


 新人3人が2議席を争い「三つどもえの激戦」といわれた選挙戦。トップ得票で初当選した伊藤氏には、都民ファ特別顧問を務める小池百合子都知事も応援に入った。都議会の知事与党・都民ファの勢力に直結する選挙だっただけに「都政としっかり連絡を取れる都議会議員にいてほしい。厳しい戦いだが送り出して欲しい」と、支持を訴えた。鈴木氏には蓮舫参院議員らが応援に入り、9月の立川市長選で初当選した同党都議出身の酒井大史市長との連携を訴えた。


 木原氏にも高市早苗経済安全保障相をはじめ多くの国会議員が応援に入ったが及ばず、自民党内では、選挙結果を深刻に受け止める声も出ている。というのも自民党は、次期衆院選での東京都内の選挙区候補者調整をめぐり、連立政権を組む公明党との関係が悪化。公明党の石井啓一幹事長は今年5月、「これまでの自民党との協議において、東京における自公の信頼関係は地に落ちた」と強い調子で批判。一時、選挙協力解消に追い込まれた。


 9月4日に、選挙協力の「復活」で両党は合意したが、その前日の9月3日に投開票された立川市長選も、自民候補は立民系の酒井氏に1581票差をつけられ、敗れている。


 今回は、東京での自公選挙協力が復活した中での本格的な選挙戦。衆院解散・総選挙のタイミングが近いといわれる中、自公選挙協力の「現状」を占う上でも注目が集まっていたが、厳しい結果となった。


 今回の選挙結果によって、都議会の勢力は第1党の自民党(27議席)と、知事与党でこれまで26議席で第2党だった都民ファが1議席を増やしたことで、両党が同数の第1党となった。都民ファ幹事長の尾島紘平都議は15日夜、自身のX(旧ツイッター)を更新し「立川市民の皆さまの信託を頂き、新たな仲間が加わること、心から歓迎します」と投稿した。【中山知子】


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きついノルマ、経費は自己負担――大量採用・大量脱落「生保レディ」の労働実態 #昭和98年

2023年10月16日 09時03分52秒 | 雇用と職のこと


きついノルマ、経費は自己負担――大量採用・大量脱落「生保レディ」の労働実態 #昭和98年(Yahoo!ニュース オリジナル 特集) 


きついノルマ、経費は自己負担――大量採用・大量脱落「生保レディ」の労働実態 #昭和98年
10/8(日) 13:12配信


Yahoo!ニュース オリジナル 特集
写真はイメージです(アフロ)


「ノルマ達成のために不正行為を示唆された」「営業成績を上げろという上司のパワハラがひどい」――。全国で23万人強を数える生命保険会社の営業職員から、こんな声が続出している。営業職員の約9割は「生保レディ」と呼ばれる女性たちだ。正社員として採用されるが、実態は個人事業主で、経費などは自己負担。きついノルマがあり、目標未達の場合は給与が下がったり、解雇されたりする。背景には「大量採用・大量脱落」が半世紀以上も放置され、労働環境の改善が進まなかった事情がある。問題の解決に向けてストライキなどを起こそうとしても、入れ替わりが激しい職場のため働き手の団結も難しい。そんな現場を取材した。(取材・文:鳥海ケイタ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)


「ノルマはありません」と優しく勧誘
飯田美保さん(仮名)が勧誘されたハローワーク(撮影:鳥海ケイタ)


2022年8月、うだるように暑い日だった。首都圏に住む40代の飯田美保さん(仮名)は、再就職に向けた職業訓練の説明を聞くため、地元のハローワークに足を運んだ。スーツ姿の女性2人に「お仕事をお探しですか?」と呼び止められたのは、説明を聞き終え、建物を出た時である。


「すごく優しい口調で話しかけられました。私を木陰に誘い、『誰でもできる仕事です』『正社員としての募集』『営業の仕事ですが、ノルマなどはありません』と。熱心な勧誘でした」


2人は、中堅生命保険会社の営業職員。名刺にはテレビのCMでよく見る社名があった。すっかり彼女たちを信用した飯田さんは後日、営業所で面接などを受けて、営業職員として働くことになった。


取材に応じる飯田さん(撮影:鳥海ケイタ)


「金融業界に興味があって、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格取得も考えていたので、『仕事中の空いた時間に資格の勉強もできます』との説明が決め手になりましたね。でも、入社後の説明とは全然違っていて……本当に驚きました」


正社員と聞いていたのに、実際は営業経費などを自己負担する“個人事業主”だったのである。


正社員という法律上の定義はないが、一般的に正社員と言えば、収入は給与所得であり、社会保障も完備している雇用形態をイメージするだろう。飯田さんもそう思っていた。しかし、研修で聞かされたのは、給与は事業所得であり、税法上は個人事業主のために確定申告が義務づけられているという内容だった。先輩の営業職員には「正社員と言われるけど、正規の社員ではない。社会保障が付いた個人事業主と考えればいい」と説明されたという。


ないはずのノルマもあった。家庭を訪問する「飛び込み営業」のノルマは1日150件以上。朝礼では各職員の活動状況と営業成績を記載した一覧表が配られ、全員の前で成果を問われた。ノルマには契約件数と保障金額、そして期限が示されており、その達成度が昇給や昇格の条件になっていた。


「あらゆることが嘘じゃん」
写真はイメージです(アフロ)


飯田さんをさらに驚かせたことがある。


入社直後、約20人の営業職員全員が集まる朝礼での出来事だ。新人の採用に成功した職員を対象とする“抽選会”が行われた。ハローワーク前で飯田さんを勧誘した女性職員のもとに箱が運ばれていく。箱の上部には丸い穴。女性職員が手を突っ込み、数秒間、中をかき混ぜる。やがて、名刺サイズの紙を引き出した。


飯田さんが振り返る。


「紙を見るやいなや、彼女は『旅行券3万円!』と言ってガッツポーズ。周囲からは拍手が起こりました」


飯田さんは彼女のもとに歩み出て、「私を採用したからもらえたのですよね」と言ってはみたものの、それが精いっぱい。別の同僚からは「どの生保もそうやって営業職員に採用活動をさせている。鼻先に人参をぶら下げてね」と言われ、大きく落ち込んだという。


営業活動も忙しすぎた。ノルマをこなそうとしたら、業務時間内にFP資格の勉強など全くできない。


経費の問題もあった。生保の営業職員は、顧客に配るグッズやお菓子、カレンダー、名刺、さらには駐車場代や切手代まで、経費のほとんどを自分で負担する。こうした自己負担は労働基準法に違反しているとして、住友生命保険の営業職員が会社側を提訴したことがある。2023年1月に出た一審・京都地裁の判決は「合意のない控除は労働基準法違反」と認定。小冊子や年賀状、切手、コピー用紙、会社のロゴ入りお菓子などの代金約34万円を原告に返還するよう命じた。


それでも、飯田さんはさまざまな出来事を前に「あらゆることが、嘘じゃん。見事に騙された」と思った。入社から2カ月で退社。現在は「あの時、すぐに辞める決断をして本当によかった」と言う。


3年目以降は固定給が激減 給与は月額10万円以下に
営業職員の給与規定集。ノルマが達成できないと“解雇”される(撮影:鳥海ケイタ)


飯田さんとは別の中堅生保で働く40 代の本橋あかりさん(仮名)は「この8月の給与は手取りで10万円を切りました」と語り始めた。入社3年目で、同期と比べても営業成績は悪くない。それなのに、1年目よりも給与は減ったという。


営業職員の給与は固定給をベースにし、営業成績に応じて歩合給が加算されるが、入社3年目になると、固定給が減る仕組みになっている。固定給の減額分を歩合給で穴埋めできないと、毎月の給与総額は減っていく。


本橋さんの場合、1年目の固定給は15万円だった。現在は5万円しかない。それを前提とすると、例えば、歩合給が同じ10万円だった場合、1年目の給与は「15万円+10万円」で25万円。これに対し、3年目は「5万円+10万円」で15万円にとどまる。営業成績が同じ水準だと給与は下がってしまうのだ。


実際には歩合給がゼロだったとしても、固定給に最低賃金保障が加算され、額面で月額十数万円は確保される。ところが、その額面から健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険料、必要経費などが控除されるため、手取りは月額10万円以下になることもある。歩合給ゼロが続けば、今度は雇用契約終了、つまり解雇という別の問題も出てくる。

年間4万人前後の営業職員が入れ替わる異質さ
写真はイメージです(アフロ)


国内の生保18社のデータを総計すると、2022年度の営業職員は約23.5万人だった。このうち女性は約21万人で全体の9割。生保の営業職員が一般に「生保レディ」と呼ばれるゆえんだ。一方、新たに営業職員になる人と辞める人は近年、ともに年間4万人前後に達しており、毎年、大量の営業職員が入れ替わる。この大量採用・大量脱落は “生保のターンオーバー(新陳代謝)”とも称される。2022年度も18社合計で約3万5000人の営業職員が新たに採用された。


生保のターンオーバーは今に始まったことではない。


戦後、対面販売網を拡大したい生保業界は、女性、とくに主婦を積極活用し、人海戦術で企業や家庭に商品を売り込んだ。高度経済成長と人口増の波に乗り、生命保険は急速に拡大。近年の世帯加入率はおよそ9割に達している。それを支えたのが「GNP」(義理・人情・プレゼント)を武器とする「生保レディ」の働きだった。


筆者作成


生命保険文化センターの1997年調査では、営業職員を通じて保険に加入した人の割合は約9割に上っている。保険ショップや郵便、ネットなど他の販売チャネルの台頭によって2015年以降の調査ではその割合が6割を切ったものの、依然として「生保レディ」の営業力は大きい。


一方、主婦層を中心とした女性の大量採用は、大きな歪みも生んできた。飯田さんや本橋さんのケースに見られるように「ノルマがきつい」「給与が不安定」「経費が自己負担」「自己研さんができない」というマイナスは、大量退職に直結している。


写真はイメージです(撮影:穐吉洋子)


営業成績を最優先で追い求めてきたためか、近年では、営業職員による金銭詐取事件や架空契約、過剰契約なども相次いで発覚し、社会問題になっている。


例えば、2020年10月には第一生命の山口県のベテラン営業職員が、架空の投資話などで複数の顧客から合計約19億円を詐取した事件が明らかになった。同社ではその後、福岡県や埼玉県でも営業職員による金銭詐取事件が発覚。最終的には全ての契約を確認する事態に追い込まれた。また、最大手の日本生命は2022年6月、営業職員15人が総額1億3800万円の金銭を詐取していたと発表した。その後も阪神支社の元営業部長が契約者から約1億4000万円を騙し取り、詐欺罪で逮捕・起訴された事件が発覚。さらに、横浜北支社の元営業部長が本人確認書類を偽造し、約80件の契約を捏造した事実を公表している。そのほか、1家族に46件もの契約をさせていた大樹生命のケースなども明らかになった。

「ノルマが未達なら契約を作れ!」と不正を迫られ
大手生命保険会社の本社(撮影:鳥海ケイタ)


関西に住む50代の望月薫さん(仮名)は、そうした不正の現場に遭遇した経験を持つ。入社10年の大手生保の営業職員で、「生保レディ」の世界ではベテランと言ってよい。


「年に3回もの営業査定があり、ノルマ未達で給料が下がったり、解雇されたりする規定になっていました。私は幸い、与えられた職域を開拓し、ノルマをクリアしていきましたが、同期15人のうち3年目に残っていたのは私を含めて3人だけでした」


望月さんは入社5年目で約10人の部下を指導するリーダーになった。その頃、年下の女性が営業所長として赴任し、上司となった。新卒で営業職員として採用され、優秀な営業成績を続ける“たたき上げ”だ。


写真はイメージです(撮影:穐吉洋子)


月末の締め日が近づくと、望月さんらリーダーは部下の営業成績を営業所長に報告する。ノルマを達成できそうにないと、新任の営業所長は「(部下に契約を)取らさんか!」「おまえがせい!」と大きな声で怒鳴り散らした。目標が達成できなかった月には「死ね!」「無礼者!」と怒鳴り散らす。同じフロアに入居していた別の会社の人が「大丈夫ですか?」と駆け込んできたこともあるという。


望月さんによると、営業所長は「作れ!作れ!」とも言っていた。「作る」とは、「名義借り」などの不正を指す。例えば、友人に保険の申込書に記入・捺印してもらって保険契約を成立させ、毎月の保険料は営業職員自身が負担する。“自爆営業”だ。保険業法で禁止されているが、上司の“圧”に耐えかね、不正に手を染める職員もいたという。


そうした環境下で望月さんは約半年間、懸命に頑張った。それでも追い詰められ、顔面神経痛などを発症。適応障害と診断されて休職し、復帰には数カ月かかった。


「私は会社の内部通報窓口や支社長に営業所長のパワハラ行為について訴えていましたが、改善されませんでした。彼女は今もきっと、他の営業所で同じことをしているでしょう」


放置される「大量採用・大量脱落」
生保各社が加盟する「生命保険協会」(撮影:鳥海ケイタ)


生保の営業職員が直面する問題について、専門家はどう見ているのだろうか。


保険コンサルタントでオフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨さんはこう話す。


「私は1995年から日本生命で10年間働きました。同月入社の営業職員は約40人。ほとんど女性でしたが、3年後に残ったのは私ともう1人だけです。『採用してみないと成功するかどうか分からない』などと言って誰でも勧誘する姿勢は今も変わりません。歴史の長い制度なのに、会社は成功する人の共通点すら把握できていない。顧客にとっても担当者が頻繁に代わることは迷惑でしょう」

実は、生保営業職員のターンオーバーは、1960年代後半から国会でも再三問題視されてきた。しかし、同じような質疑が繰り返され、半世紀以上を経た現在も解決への道筋は描けていない。


最近では2022年3月の衆議院財務金融委員会で、日本共産党の田村貴昭議員が「営業職員を大量に採用して、ノルマやパワハラ、給料の査定落ちなどで業績の悪い社員を退職に追いやる営業形態は、働き方改革の面から見ても改善すべき悪癖ではないか」と追及した。これに対し、鈴木俊一財務・金融担当相は具体策を示さず、「金融庁としてターンオーバー改善に向けた(業界の)取り組みを後押ししていく」と答えただけだ。


生保各社の商品パンフレット


後田さんは言う。


「例えば、『終身雇用を前提とした雇用に変える』などの結論を決めておけば、生保側も厳選採用して人材の質を高めるなど、今と真逆の取り組みをせざるを得ないはずです。しかし、そのような動きをしている生保はありません」


では、パワハラや厳しいノルマなどに悩む営業職員は、どうすればいいのか。


1人でも加入できる「よこはまシティユニオン」(横浜市)の書記次長・川本浩之さんは「生保の営業職員は『名ばかり労働者』で、ノルマを達成できなければ解雇されてしまうことが諸悪の根源です」と話す。


「よこはまシティユニオン」書記次長の川本浩之さん(撮影:鳥海ケイタ)


川本さんが指摘するのは、ターンオーバーでは人材が定着しないという構造上の問題だ。


「営業職員の入れ替わりが激しい職場では、同僚が団結するのが必然的に難しくなり、個人の問題として片付けられてしまう恐れがあります。労働問題に直面したら、早めに、かつ、諦めないで地域の労働組合に相談してほしい」


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鳥海ケイタ(とりうみ・けいた)ジャーナリスト。東京都出身。権力や強い力によって埋もれてしまう、人々の「声なき声」を届けることをモットーにしている。


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「#昭和98年」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。仮に昭和が続いていれば、今年で昭和98年。令和になり5年が経ちますが、文化や価値観など現在にも「昭和」「平成」の面影は残っているのではないでしょうか。3つの元号を通して見える違いや残していきたい伝統を振り返り、「今」に活かしたい教訓や、楽しめる情報を発信します。



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