川ちゃん農園だより 樹齢700年といわれる黄大銀杏と坂東十番札所岩殿観音本堂

農家の遊休土地をお借りしてはじめたものです。カメラも趣味ですので四季の移り変わりを記録して行きたいと思います。
  

川ちゃん農園だより<エッセイ風> 大兄 ひろしさんの死

2014-03-17 06:21:32 | エッセイ風
 「大兄ひろしさん77日法要に思う」 ひろしさんが癌で亡くなった、肝臓がんである。かかり付けのお医者さんから、検査のために総合病院へ入院した。検査結果がでた、入院ではなく自宅療養とのこと、家族には知らされていた。余命半年ほどのことであると・・、「家族は本人に知らせない、」ここ配りである。近い親戚に知らせがある、わたしにも知らせがあった。
 わたしは何か複雑な心境になる。わたしには、妹の旦那であるから、義理の兄弟である、年は二つ上である、妹の亭主ということで、わたしのことを兄さんと呼んでくれる、わたしにはありがたいことであるが、ひろしさん本人とっては呼びにくかったに相違ない。でも妹との結婚以来50年あまりつづけて来たのである。
 わたしはひろしさんの死に際し、本当のお義兄(おにい)さんと呼んであげたい、「二つ上のおにいさん」・・いろいろお世話になりました。

*思い出を綴ります。
○酒飲み仲間
住む処は違えども妹の旦那、冠婚葬祭には、隣合わせ、お互い酒がいけるので酌み交わしたものである、喜びも悲しみも一緒にしたものだ。肝臓がんで逝ったのには私にも一因があると感じている。

○ひょうたん作家
となりの畑で瓢箪づくりをしていた。瓢箪が上手にできたと、Mailで写真を送ってくれた、ヒョウタンの写真をネットでも全世界へと流させてもらった。
その後、訪れてそれが瓢箪が中をくり抜いて、乾燥させ、明り取りの穴をあけて、さらに漆を二度三度塗りをして出来上がったという、伺った晩、部屋の明かりを消して瓢箪に灯を入れる。ビュウテイフル、ワンダーフルである、まさに瓢箪アート作家です。

○釣り名人 ヘラ鮒のうき
釣り名人でしかも獲れた魚を調理してもくれた、ヘラブナ釣りが好きで釣ってはまた逃がしてやっていた、お棺のなかに竿は長いので「浮き」を家族が入れてやっていた、思い出の品なのである。 

○ガス燈 ロッサノブラッツイ、映画旅情 
ひろしさんが住む町、ガス燈通りが有名である、約1キロに渡りメイン道路脇にガス燈が連なっている、薄暮、夕闇が迫る黄昏とき、わたしが訪れたのは11月の半ば、まだ寒さもきつくない時期である、一杯ご馳走になってほろ酔いのなか、散策にでる、ガス燈の灯が淡くやさしい、老夫婦、灯影にかくれて顔が見える。なにか、映画「旅情」に出てくるロッサノブラッツイとキャサリンヘップバーン並み、格好いい、映画俳優にしても渋い役者になれたと思う。

○最後の運転 
亡くなる2週間前、病気見舞いに伺った、その日はことの外、ご機嫌がよく、たまたま、偶然80歳の群馬の姉も見えて話に華がさいた。一昨年11月には私の会社の同僚の病気見舞いに千葉の八千代台まで来たので、10数年ぶりに寄せてもらった。
 その時の思い出をわたしのブログから取って持ってきたので、姉のこども、姪に読んでもらって感動を新たにしたものだ。
 80姉とも帰る時刻になり、わたしも帰ることとした、駅まで送ってもらう、とひろしさんが送ってくれるという、<駅までの2km、> 気分転換になればと思い、娘を助手席に乗せて送ってもらった。それが最後の別れとなる。ありがとうひろしさん、お世話になりました。 <ブログ名、いわどの山荘主人>

<生前のひろしさん 2013.1.17>