チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

フォッションのアップルティー

2024年02月09日 05時04分27秒 | お茶

晴、5度、75%

 最近、紅茶好きな友人たちと話していると必ず「フォッションのアップルティー」の話が出ます。彼女たち再びこの紅茶にぞっこんになっているそうです。私も「フォッションのアップルティー」がないとやっていけない時期がありました。ちょうど香港に渡った頃です。香港では大きな缶、日本の倍の250グラム入りが安かったように思います。その大きな缶を一週間で飲みあげていました。それ以後本当にたくさんの紅茶を飲んできました。気まぐれに買った他のアップルティーはフォッションのものより美味しくありませんでした。でもこの数年、「フォッションのアップルティー」を飲んで記憶がありません。「フォッションのアップルティー」と聞いただけであの香りが鼻先を漂います。

 友人たちの話で触発された私の食指です。「フォッションのアップルティー」を自分のために買いました。家のお茶の棚には数種類の紅茶が常にあります。紅茶好きの私に高価なお茶を送ってくださる方もいます。「あと2年は紅茶は買わなくても大丈夫。」などと話していたのに、むくむくと飲みたい気持ちが湧き上がって買ってしまいました。デパートの地下に行けば買えると思っていたのに売っていない。カルディで見つけた時はやっと会えたと思ったほどです。

 セイロンティーにりんごの香りを移しています。セイロンティーは葉が小さく、色よく出るのが特徴です。小さな葉は濃く出すことも薄く出すことも容易です。普段は強めの紅茶ですが、久々の「フォッションのアップルティー」はまず、薄く入れました。 缶の外のセロファンのカバーがかかっていても香ります。こんなに気持ちが昂って紅茶を淹れたのも久しぶりです。

 毎日入れる紅茶、普通のセイロンティーですが、濃く自分の好みに入れます。熱いティーカップに注ぎ口をつける前に深く紅茶を香ります。そして口に含むと渋みのある熱い紅茶が心も体も落ち着けてくれます。幸せの瞬間です。

 「フォッションのアップルティー」は一日一回、おやつの時だけと決めました。40年近くかかってまた私の元に戻って来た旧友のように思います。合わせるお菓子で濃さも調節します。昨日は頂き物のお饅頭と一緒に濃いめに入れました。お茶ひとつでこんなに幸せをもらいます。

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フォッション 緑茶「京都の夜」

2021年11月07日 03時56分40秒 | お茶

晴、13度、74%

 秋の気配を感じると香りがついたお茶を欲しくなります。まだ暑さのある9月、「アールグレー」の缶に手が伸びました。寒さに従い香りの濃いお茶を欲します。

 先日、お茶好きの友人から小包が届きました。出て来たのはフォッションのお茶でした。紅茶かな?と急いで封を切りました。「京都の夜」と名前がついた緑茶です。京都の夜をイメージしたフレーバーティー、さて?華やかな京の街のイメージなのか?それとも静寂をたたえた水辺に建つ古刹のイメージなのか?想像しながら、缶の蓋を取りました。 甘い香りが鼻をくすぐります。バラの花びら、レモングラスが入った華やかな緑茶です。賑わいある京の街をイメージした緑茶のようです。

 早速入れました。緑茶のフレーバーティーも馴染みが出て来ました。日本は昔から「玄米茶」と言うフレーバーティーがあります。海外から入ってくる緑茶の「フレーバティー」には意表を突かれるものもあります。その反面楽しみです。「京都の夜」、お茶色は透き通って葉っぱの時より複雑な香りがします。柑橘の香り、フルーツの甘い香り、お茶色は澄んだ緑です。一口含むと、首を傾げてしまいました。タンニンを含んだ緑茶に慣れた舌に「何だこれ?」とサインが出ました。ふた口目、味を覚えます。香りはありますがお茶のインパクトは薄く感じます。焼いておいたサブレをかじって、もうひとくちお茶を、その時、まるでお茶が花開いたようにはっきりした旨さを伝えてくれました。「京都の夜」は甘みを足すことで香りづけされた一つ一つの要素の形が見えて来ました。フレーバーティーの面白いところです。友人は「京都の夜」と一緒に「キャラメルサブレ」を入れてくれています。キャラメルの甘さ香りも合わさって「京都の夜」を引き立ててくれるはずです。

 秋に入って、マリアージュの「マルコポーロ」、辻利の「壺切茶」、フォッションの「京都の夜」と香り高いお茶をいただく機会に恵まれました。一日のお茶の時間、日の差すデッキでお菓子と共に過ごします。数分のことですが、この時間は心身ともに安らぎます。今日のおやつ、もちろんフォッションの「キャラメルサブレ」と「京都の夜」で。

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壺切茶

2021年11月02日 03時53分48秒 | お茶

晴、14度、58%

 「壺切茶」ご存知でしょうか。5月に摘まれた新茶は壺に入れられ半年眠ります。その壺の紐を切り出したお茶だそうです。お茶の世界ではこの茶葉を抹茶にして「口切」という茶事が行われると聞きます。「壺切茶」とマドレーヌのセットを頂戴しました。 「辻利」のものです。京都のお茶屋さんですが、東京駅にも羽田にも「京都の物産展」では必ずやって来る人気のお店です。私は「辻利」の抹茶バームクーヘンが好きです。

 「壺切茶」は初めていただきます。煎茶のティーバックです。大きめのクショッとしたティーバックにお湯を注ぐと、驚くほどに香りが立ち上がりました。香りばかりではありません。そのお茶の緑の綺麗なこと、湯飲みを見つめました。 半年の眠りから覚めた「新茶」は香り、甘み、渋み、色ともに深みを帯びています。ゆっくりと口に含みました。

 一口サイズのマドレーヌ、「辻利」ならではの抹茶味です。口に一粒放り込んで、お茶を一服。月が代わった清々しさと秋の穏やかな静けさを感じながらのお茶の時間です。頂いた時小さなセットだなと思いましたが、一杯のお茶と小粒なマドレーヌは心もお腹もいっぱいにしてくれました。お茶が運んでくれる幸せです。

 「壺切茶」、お茶が好きな方は是非お求めください。「辻利」のゆるゆるティーバックは茶葉をうまく泳がせて最大限に美味しさを引き出してくれます。「壺切茶」もいく種類かあるようです。私も自分用に求めようと思っています。秋の寛ぎの時間に「壺切茶」を楽しむ、ゆっくりと時間が流れます。いつもお心遣いありがとう。

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香りある紅茶

2021年10月27日 03時54分57秒 | お茶

晴、14度、78%

 暑かったこの夏、私にしては珍しく冷たいお茶、しかも日本茶を飲み続けました。それでも1日に一度は熱い紅茶を入れます。9月に暦が変わっても暑さは続きましたが、冷たいお茶に手が伸びなくなりました。そして熱い紅茶の回数が増え、紅茶も普通のセイロン紅茶から「アールグレイ」を飲み始めます。ベルガモットで香り付された「アールグレイ」を毎年この時期から欲します。

 意識的ではありません。ある時急に「アールグレイ」の香りが欲しくなり「アールグレイ」の入っている茶缶に手が伸びます。毎年のことです。寒さが進むともっと温かみのある香りや味のする紅茶に移行します。クリスマスには香りもホットで味わいあるマリアージュの「エスプリドゥノエル」を飲みます。シナモンが香り出すと「もうすぐ年末だわ。」と思います。

 まださほど寒くはありません。先日「アールグレイ」を入れていて、「マルコポーロ」、マリアージュの一番有名な紅茶を飲みたいと思いました。日本のマリアージュの紅茶は高いのでぐっと我慢です。手持ちの「エスプリドゥノエル」は香港から持ち帰ったものです。そしたら友人から「マルコポーロ」が送られて来ました。飲みたいなと思って数日後のことでした。嬉しいやら驚くやら。紅茶好きの私のことをよくご存知の友人です。早速入れました。香りの調合は明かされていませんが、甘いフルーツ、かすかに香る花の匂いです。マリアージュの中で一番売れているのがわかります。

 マリアージュではこの「マルコポーロ」と「エスプリドゥノエル」しか買い求めません。一度「カヌレ」を買いましたが好みではありませんでした。それにこんな高級紅茶をいただくのは贅沢だと特別な日、お菓子を焼いた日などに一緒にいただきます。

 この数日寒さを感じる日がありました。マリアージュばかり飲むわけにもいきません。そこで手頃に手に入るアーマッドのティーバックを買ってみました。ずっと気になっていた、 ヘイゼルナッツとチョコレートの紅茶、キャラメルの紅茶などが入った詰め合わせです。 ティーバックは便利だなあと思いながら、ふわっと香るチョコレートの香りを味わいました。

 紅茶は体を温めてくれます。もう少し寒くなると、ミルクティーに変わります。そしてクライマックスはクリスマスに飲むマリアージュの「エスプリドゥノエル」です。香りある紅茶は寒さで縮こまった体も心も解きほぐしてくれます。

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「ほうじ茶」を作りました。

2021年08月19日 03時53分10秒 | お茶

雨、22度、88%

 今年は早い梅雨入り、早い梅雨明け、その後、雨のない猛暑の日が続きました。やっと雨が降ったと思ったらすでに十日近く降り続いています。

 暑い日が続く中、水分補給は大事です。この夏は珍しく冷茶を飲み続けました。頂き物の「ほうじ茶」「玄米茶」の水出しが手元にありました。大きなメッシュのティーバックで簡単に美味しい冷茶が作れます。ひと月ほどこの冷茶で過ごしました.雨が降り出すと気温がぐっと下がりました。久しぶりに熱いお茶をいれようと、茶筒を開けました。「あら!」茶っ葉の色が変わっています。深い緑が褪せて薄茶色です。全部の茶筒を開けました。「紅茶」「中国茶」はどれも変化なし、高温の影響を受けたのは日本の「煎茶」だけでした。中国の緑茶「龍井」は日本の緑茶のような緑の葉ではありませんが、「煎茶」二種類と「龍井」をいれて飲みました。「煎茶」が味、香り共に傷んでいます。

 そこで「煎茶」で「ほうじ茶」を作りました。 「ほうろく」が無くても厚手の鍋で作ることが出来ます。煎っている間、常に葉を動かし続けます。白い煙が立ち始めると火を小さくして10分近く煎れば出来上がりです。

 大きく広げて冷ました葉で早速「ほうじ茶」をいれました。頂き物の「煎茶」ですので、高価なものに違いありません。すっきりとした味わいのある「ほうじ茶」になりました。飲みながら、この葉を濃く煮出して、「ほうじ茶ラテ」を作ったら美味しいだろうと思います。

 無駄にすることなく「ほうじ茶」に変わりましたが、「緑茶」をダメにする度に気持ちは凹みます。「やっぱり、煎茶の方が好き。」としみじみ。

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お茶の味

2021年02月25日 04時00分18秒 | お茶

曇、7度、78%

 香港にいた頃は日本からのお土産で「緑茶」をよくいただきました。「帰国したらお茶を買うことになるわね。」と思っていたところ、ここは日本です、「緑茶」を事ある毎にいただきます。帰国して4年、まだ日本茶を自分で求めたことがありません。

 先日、地元八女茶の「玉露」をいただきました。 包み紙を解くと「玉露」の字が見えます。その途端、口の中でまるやかな甘い緑の玉が転がるような感覚を覚えます。「玉露だわ!」と急いで封を切りました。

 「お煎茶」「玄米茶」「ほうじ茶」どれもそれぞれに好きです。食事の後の「ほうじ茶」のホッと感、外から帰って「お煎茶」を一杯、今日のお饅頭には「玄米茶」と言った具合です。一日、紅茶、日本茶、コーヒーをその時の気分でいれます。最近気付いたのですが、本当にお茶の美味しさが分かるようになったのはこの数年です。「紅茶」だって、色、香り、渋みからどこの産の茶っ葉か分かるようになりました。「中国茶」の微妙な甘みも舌が感じます。葉の大きさ、捻り具合、茶の色で少しづつ茶の種類が言い当てられるようになりました。「日本茶」も帰国後、全国のお茶をいただくのでその特徴が分かるようになりました。香りや茶っ葉の色は産地で違います。それがお湯をかぶると、はっきりと産地の持つ特徴を出して来ます。

 八女の玉露は緑濃く、葉自体からの香りも最高です。とろりと急須から滴る緑の雫を最後の一滴まで楽しみます。「抹茶」、「玉露」は緑の色が心と体にストレートに落ちていきます。「紅茶」「中国茶」では味わえない色彩です。

 歳を重ねて、やっと「お茶の味」が分かるようになった事、一服のお茶を楽しむことがどれだけ心と体に潤いをもたらしてくれるか、しみじみと湯呑みを手に思いました。 

 若い頃、喉の渇きを癒すためゴクゴクと飲んだお茶の美味しさもまた格別でした。日本人は「日本茶」「紅茶」「中国茶」どれもを楽しむことができる繊細な民族です。今日もまた、ちゃんと座って湯呑みを持つ「お茶」との時間を大切にしたいと思います。

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和紅茶 「丹色」

2021年02月03日 04時01分20秒 | お茶

曇、4度、64%

 日本に帰国して驚いたことの一つが日本製の紅茶が沢山作られていることでした。「和紅茶」と呼ばれています。紅茶は輸入物とばかり思っていました。考えれば、紅茶も日本茶も中国茶も元を辿れば同じお茶の木の葉から作られます。ただ製法が異なるだけですから「和紅茶」があっても不思議ではありません。たくさんの紅茶を引っ越しの荷物に入れて帰って来ました。紅茶好きです。自分では買わずにいた「和紅茶」をよくいただきます。

 先日いただいたのは、奈良のお茶屋さんの「丹色」という名前の紅茶でした。日本の「色名」を紅茶のネーミングに使っています。古都奈良らしい風情ある名前です。お茶の葉は「国産」としか書かれていません。奈良で採れるお茶の葉にこだわらず、紅茶向きの葉をブレンドして作っているのだと思います。

 ティーバックで指示通り、熱湯で1分間待ちました。 

 「丹色」はどんな色だかご存知ですか?薄い茜色、朱にうっすら桜色を混ぜたような色です。帯締めが好きなので和名の色の名前を紐解くことが多く、和名の色名は言葉の響きまで美しいと感じます。

 ティーバックを引き上げてカップを見た時、「あっ、この色!」そうです、紅茶の色が「丹色」です。澄んだ「丹色」です。紅茶は味も楽しみますが、その茶の色、香りも大事です。一緒にいただいたおやつはあっさりしたクッキー、「丹色」にはミルクもお砂糖も使いませんでした。クッキーの優しい甘さだけで美味しく紅茶がいただけます。

 「丹色」は渋みも少なく飲みやすい紅茶です。強いて言えば香りが薄いと感じます。「和紅茶」によく見られる濃い茶の色と渋みを取り除いているのは嬉しい限りです。紅茶も人それぞれ好みがあります。スタンダードなセイロン紅茶は茶の色はオレンジ色、渋みは少なく、ミルクを足しても砂糖を入れても美味しくいただけます。

 「丹色」はストレートに限ると思います。「丹色」と名付けた方はきっとお茶の色を見て決められたのでしょう。ネーミングも紅茶には大事です。日本の色の名を持つ「和紅茶」、日本人の工夫で生まれた紅茶です。紅茶は体を温めてくれる効果があるそうです。「和紅茶」に興味が出て来ました。茶の葉の産地も知りたいと思います。地元「八女の紅茶」を買ってみようと思っています。「和紅茶」で私の紅茶の世界がまた広がりました。

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中国茶の楽しみ 工芸茶

2020年06月27日 04時01分09秒 | お茶

曇、25度、92%

 気温が高く、湿度も上がって来ると飲みたいと思うお茶が変わってきます。梅雨に入ってこの方ずっと中国茶を飲んでいます。体への効用などは考えず、その時飲みたいと思うお茶を選びます。

 香港で中華レストランに行くと給仕の人たちは「お茶は何にしますか?」と尋ねてきますが、日本人だと思えば「ジャスミンティー」を勝手に出してくる店もあります。日本人は「ジャスミンティー」が好きだと思っているようです。香港のレストランで普通に出されるお茶は「ポウレイ」、つまり「プアール茶」です。長年発酵させた色の濃いお茶です。中国茶も発酵させていない緑茶から半発酵、発酵させたお茶まで数りなく種類があります。日本茶同様、芽が出たばかりの柔らかな葉先のお茶は中国茶でも高級品です。

 お茶の葉を使わない花だけのお茶もあります。菊の花、バラの花の花びらだけのお茶もまた中国茶の一つです。花びらとお茶の葉のブレンドが「ジャスミンティー」に代表されます。そして葉が開く過程を楽しむお茶もまたあります。色が出ない緑茶と花を糸で縛り乾燥させた「工芸茶」はガラスのポットの中で葉と花が開きます。「工芸茶」も高価なお茶の一つです。

 先日飲んだお茶は菊の花とジャスミンが花開きました。中国茶は熱いお湯で時間を置いていただきます。ゆっくり花開く様子を見るその時間が大切です。お茶を湯呑みに注ぎます。「ほたる」と呼ばれる透かしの入ったお湯呑みでいただく中国茶は涼しげです。 古くからの中国ではお茶受けに棗の乾燥したものなどを出していたそうです。お茶が喉の渇きを潤すばかりか、体を整えてくれると考える人たちの知恵を感じます。

 チクチクの合間のお茶の時間は目の疲れ、肩の重さをほぐしてくれます。急に「ライチ紅茶’」を飲みたくなりました。甘い香りと味の「ライチ紅茶」見かけたら是非一度お試しください。

 

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工芸茶 マリーゴールド

2019年10月29日 04時00分29秒 | お茶

曇、15度、69%

 香りをつけた中国茶といえば「ジャスミンティー」、中国の「工芸茶」の起こりはこの「ジャスミンティー」だと聞いたことがあります。つまり香りをつけるという一手間かけたお茶です。その後、様々な花を芯に白茶の葉で包みお湯の中で花咲かせるものが出来たのだそうです。ガラスの器の中で開いて行くお茶の蕾を見る時間は静かに過ぎます。

 日本ではカーネーションを芯にした「工芸茶」が母の日のプレゼントにされていると知ったのは今年の母の日のことでした。日本らしい贈り物の仕方です。母の日に息子さんご夫婦から贈られた貴重な「工芸茶」を友人が分けてくださいました。中国でも「工芸茶」はお高いお茶です。

 お茶の産地福建省で作られる「工芸茶」、花色を生かすためにはお茶の色が濃くては見栄えがしません。そこで細長い銀の葉を持つ「白茶」が使われます。 熱々のお湯を注いでゆっくりと花開くのを待ちます。外の「白茶」の葉が開き中の花の蕾が見えます。よく使われる花は真っ赤なバラです。今回いただいたのはオレンジ色のマリーゴールドでした。しかも大輪です。しっかりと開くまで時間にして8分ほど。他のお茶を入れる時とは違いゆっくりとお茶のグラスを見つめて待ちます。

 そういえば中国の人たちはお茶を入れるのにせかせかとしません。丸い急須を前にのんびりと葉っぱが開くのを待ちます。決まりごとなど少ない中国のお茶の入れ方です。以前は空き瓶にお茶の葉を入れお湯を注いで蓋をして持ち運んでいる人をよく見かけました。時間の流れをお茶と共に過ごす中国人です。

 いただいたマリーゴールドの「工芸茶」はスッキリとした深い味があります。口元にグラスを寄せるとマリーゴールドの甘い香りがしました。一服にふさわしいお茶でした。

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新茶

2019年06月26日 04時00分10秒 | お茶

雨、22度、76%

 4人の方達からそれぞれ違うお茶の産地の新茶をいただきました。5月の八十八夜を待たずして送られてきたものもあります。産地によって茶摘みの時期も違うのかもしれません。福岡の八女、鹿児島の知覧、静岡の掛川、最後にいただいたのが京都の宇治のお茶でした。

 香港にいる間は日本茶を買うこともないほど、皆さんからお土産でお茶をいただきました。空港でも買うことができますし、なんと言っても軽くて荷物になりません。帰国すれば日本茶は自分で買わなくてはと思っていましたが、お茶は贈答品の代表格です。頂戴もののお茶を楽しませてもらっています。

 まさか4箇所の新茶をいただくとは思ってもいませんでした。新茶といっても産地によってこんなに違うものかと改めて知りました。今までは新茶のみならず漫然とお茶を入れていました。2つ目の新茶をいただいた頃から、味、香り、お茶の色、果てはお茶がらまでその都度確かめるように飲みました。4つの産地のお茶を写真に収めておけばよかったと後悔しています。

 新茶ですからお茶っ葉の姿はどこもさして変わりません。同じ茶さじで同じ量のお湯をさします。待つ時間もほぼ同じ。お湯飲みに注ぐとまず鼻先をお茶の香りがよぎります。次に目に飛び込んで来るお茶の色、この緑の具合が産地で全く違います。爽やかな黄緑のものもあれば透明感のあるお茶もありました。口に含むとまろやかさ、後に残る渋みがそれぞれです。コロコロと転げそうなまろやかな甘みを持ち、最後にすっと後を引く渋み。その調和がそれぞれ違います。お茶がらを出してみると、新芽の様子がはっきりと見て取れます。このふた月、爽やかなお茶を十分に楽しみました。

 中国茶も紅茶も新茶があります。ただ、茶摘みの後の工程が日本茶より長いために新茶の意識が低いのでしょう。やはり日本の新茶を楽しむ文化は繊細な日本人ならではのものだと思います。

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