チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

包丁を研ぐ

2012年12月31日 06時05分54秒 | 日々のこと

晴れ、6度、42%

 道に甲高いおじいさんの声がします。香港に来たばかりのことですから、なんと言っているか解りませんでした。ある日、そのおじさんが、道端に腰掛けて包丁を研いでいるのを見ました。それ以来、なんて言っているのか解りませんが、甲高いおじさんの声がすれば、あー、研屋さん、と思ってきました。このおじさん、天秤棒をかついでいます。片方には自家製の腰掛け、もう片方には、研ぎの道具の入った道具箱。もちろんここは香港ですから、研いでいる包丁といったら、あの大きな中華包丁ばかりです。あるとき面白い光景を目にしました。マンションの2階から声がかかったのか、研ぎのおじさんが上を向いて話していました。その次に、その2階の窓から、何か新聞に包まれたものが、ひもにぶら下がってするすると下りてきました。包丁でした。おじさんは、腰掛けに座って研ぎ始めました。この後は見ていないのですが、きっと、また新聞に包まれて上に引き上げられたのでしょう。代金は、包丁と一緒に下りて来たのかしら?などと想像したことでした。

 寒いみそかの朝を迎えた香港です。さて、おせちを作り始めます。おせちの準備の一番始めに私がすること、包丁研ぎです。月に2度ほど研ぐのですが、今日は、いつもより丁寧に。包丁に、この1年のお礼とおせちがうまくできますようにと気持ちをこめます。不器用な上に料理を習ったことがありません。お頼みするのはよく切れる包丁です。

 包丁は一生ものではないと知ったのは、自分で包丁を研ぎ始めてからです。これまた、見聞きしただけで研いでいるものですから、うまいも下手もありません。研いで行くうちに、だんだん包丁が痩せて行きます。そのうち、新しいのと取り替えることになります。

 2代目のセラミックの砥石、使い出がよく重宝しています。初めの砥石は、真ん中ばかりが凹んでしまいました。心穏やかに大きくと言聞かせながら研いでいます。

 さて、切れ味を、 日本の赤かぶで試してみましょう。なますにします。

 香港の研ぎのおじさんを見なくなって、4、5年が経ちます。道端でする仕事でしたが、時間をかけて仕事をしていました。一度研いでもらいたかったなと、今になって思います。

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私の好きな道 Duddell Street 香港

2012年12月30日 05時41分35秒 | 香港

曇り、9度、68%

 香港島の北、セントラルからミッドレベルに向かう坂道は、何本もあります。坂道であったり、階段であったり。この坂の風景も、ここ10年ほどで大きく変わってしまいました。普通の人たちが住んでいたある坂道は、SOHOなどと呼ばれ、飲食店街に変身してしまいました。

 セントラルの中心に近いのに、変化が最も少ない道が、ここ、Duddell Streetです。変化が少ないだけでなく、この道には何かしら雰囲気があります。きっと、階段の脇にある4本のガス灯のせいかも知れません。100年近く経つ古いガス灯です。 ガス灯が、御影石で出来た階段を飾っています。今でも、夕方6時には灯がともります。もちろん電気ではありません。ガスのボーッとした明かりです。朝の6時には灯が落ちるというのに、祭日の朝10時、 1本だけ灯が灯ったままでした。週日ともなれば、人通りは一杯です。両脇はオフィスビルです。なぜか、ここにはビックブランドの店がありません。そのせいで、何となく落ち着いた感じがします。

 わたしが、このDuddell Streetを通るのは、決まって我が家からセントラルに下りるときだけです。この道を上って家に帰ることはありません。そう思いながら、振り返って、階段を見ると、 こういう景色です。夏の暑い昼間は、この階段にたくさんの人が腰掛けて、涼を取っています。山の緑を背景に、ビルの間を抜ける不思議な空間です。

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ネクタイ

2012年12月29日 06時06分09秒 | 日々のこと

曇り、19度、68%

 男性は、スーツという便利なものがあるのでいいなと思うことしばしばです。もちろん、小さな決まり事はあるかもしれませんが、スーツさえ着ていれば、どうにか様になるように思います。いつも、ラフな格好をしている人でも、スーツ姿になると、あらっと、良くなったり。何かの式典に出るときだって、私たち女性ほどは着るもので悩まなくて済みます。要するに、形に乗っ取っているからでしょうね。

 同じようなダークなスーツに、白いワイシャツ。それでも、たったネクタイひとつで、雰囲気が変わります。あんなに小さなものが、しっかりと個性を主張しているわけです。女性の着るものは多岐にわたっていますが、どう考えても、このネクタイに当てはまるようなものを思いつきません。

 年末の整理の途中、家人のネクタイの点検をしていました。時折、お醤油のシミなどこさえています。シルクですが、結び目がしわになりやすいものもあります。家人には内緒で、写真を載せます。

 数えてみれば51本。去年だったか、そう言えば増えすぎたと言って、家人が随分整理しているのを見ました。さあ?51本が多いのか少ないのか私には解りません。ただ、この51本、ほとんど買って来たのは、この私です。

 家人は、優男ではありませんが  小花や華やかな色のネクタイが似合います。そうはいっても、時と場所に寄っては、地味なネクタイを締めなくてはいけないこともあります。選ぶ人が同じですから、どうしても同じようなネクタイばかりになってしまったようです。 並べていると、フェラガモのネクタイに凝っていた時期があったことを思い出しました。その次が、アルマーニ、ケンゾウ、そしてポールスミス。ここ、3年ほど新しいネクタイを買っていません。ネクタイも、だんだん腰が抜けてきます。好きなもの、ほめられたネクタイは、使う頻度も多く、その分早く傷みます。古いネクタイも、分解して、生地だけを取ってあるものもあります。

 私、実はネクタイ選びが大好きです。 

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ローストチキン

2012年12月28日 06時02分32秒 | 料理

曇り、18度、76%

 香港、大きなスーパーなどは、それぞれ自慢のローストチキンを店内で焼いています。お腹が空いているときは、その匂いはとても堪えます。もちろんこれは普通のローストチキン、中華風の丸ごとチキンも合わせると、それはそれは大変な消費量です。我が家から歩いて5分ほどの、世界一長いと言われているヒルサイドエスカレーターの脇には、12年も続くローストチキン専門店もあるほどです。

 我が家だって、季節をとわず、ローストチキンを焼きます。クリスマスの特別食ではないわけです。売っているお店が一杯なので、買ってくればよさそうなものですが、家で焼くと断然美味しいのです。 何が美味しいかって、皮です。パリパリに焼けた皮ほど美味しいものはない!買って来ると口に入る前に、パリパリの皮が、しんなりとなってしまいます。

 久しぶりにスタッフィングを入れました。家人が、普通のクルトンで作るスタッフィングが嫌いです。おそらく一度も食べたことがないと思います。美味しいのですがね。一度、中華風のおこわを入れたこともありました。何を入れてもいいわけですから、今回は、たくさんのきのこを入れてみました。マッシュルームに椎茸、ポルチーニ。大きめに切って、予め、ハーブと炒めておきました。

 スタッフィングを入れると、鶏さん、まるまると太ってみえますね。

  家人も、このスタッフィングは食べれるようです。

 もちろん、 この方も、テリーヌ、チキンとご満足な様子です。

 ただ、ワインもいい工合に廻って来ています、お腹も一杯です。そこから、えいっ、とオーブンの掃除にかかります。美味しいものを食べるためならば、これぐらいの掃除なんて何のその。

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ホタテのテリーヌ

2012年12月27日 05時19分06秒 | 料理

曇り、18度、81%

 肉のテリーヌは日持ちがいいせいか、ここ香港でも、ちょっと高級な食材店に行くと、量り売りで売っています。テリーヌも、温かなものから冷製のもの、最近はギュウっとプレスしただけのものなど様々です。もともとは、残り物の肉を集めて、焼き固めたものだそうです。クリスマスのメニューに毎年作るテリーヌですが、今年は家人のためにカロリー低めのホタテのテリーヌを作ることにしました。

 ホタテのテリーヌを初めて作ったのは、20年以上前のこと。

 ホタテの貝柱をすり身にするのは、息子と同じ年の  オースターのブレンダーにお任せします。我が家の、テリーヌ型はルクルゼの2種類、今回は縦長の  こちらを使いました。オーブンで湯煎にかけながら蒸し焼きにするのですが、肉とは違って魚介類のときは火の入れ方に気を使います。入れすぎは禁物です。

 金太郎飴のように、切り口を見る楽しさもあります。お祝いなので、白のホタテに赤のピーマンを合わせてみました。 ピーマンをこんなふうに、 真っ黒に焼きます。そして、外の皮を取ったものを細く切りテリーヌに詰めました。

 ホタテは本当にほんのりとしたおいしさがあります。このピーマンの黒焼きもピーマンの甘みを引き出します。お互いが邪魔をしない味の組み合わせです。ホタテのうまみを味わいたくて、使った塩の量はごく僅かです。今年は、このテリーヌサラダとローストチキンだけでしたので、たっぷり頂きました。

 

 

 

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アップルタルト

2012年12月26日 06時08分55秒 | 菓子

曇り、18度、74%

 クリスマスですから、何かしら甘いものと思っていました。お客様もみえますし。ところが、香港、このクリスマスにはじまって、お正月、旧正月と続いてやってきます。家人は、毎年、忘年会や、新年会を、日本人と、また地元の人たちと幾つも幾つもこなします。それをもう長いこと続けてきました。食べることも飲むことも大好きですが、体のことが気になります。これらの行事にあわせて、我が家でも行事食を作ります。カロリーや、量を考え始めた私です。

 ほんとは、モカクリームのブッシュドノエルが作りたかったのですが、アップルタルトを作ることにしました。しかも、中のクリームは入れません。

  シュクレの生地に、輪切りにしたリンゴをのせて、お砂糖をふって焼きました。生のままのリンゴですから、ゆっくりと火を通しました。

 使ったリンゴは、 イタリア産のModiというリンゴです。こくのある甘みとリンゴらしい香りがします。今年初めてお目にかかったイタリア産リンゴ。

  こんなに薄いタルトです。合わせたお茶は、マリアージュのエスプリドノエル。お茶のシナモンの香りが、このタルトにぴったりでした。

 お客様にも喜んでもらい一安心。ひとつ、隠し味があります。簡単なことですが、輪切りにしたリンゴを生クリームに浸して焼きました。焼いている間、リンゴの香りとクリームの焼ける匂い、匂いをお伝え出来ないのが残念です。

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PICKWICKの紅茶 オランダ

2012年12月25日 05時30分51秒 | お茶

曇り、15度、77%

 MERRY X'MAS.

  聖誕快楽。「セイタンファイロ」

 海外に旅行すると、そこの土地の紅茶が気になります。ホテルの部屋においてある紅茶や朝のビュッフェの時に使っている紅茶のブランドをチェック。今回のアムスの旅では、PICKWICKという銘柄がホテルで使われていました。家以外では、実は余り紅茶を飲みません。ティールームなどでも、美味しい紅茶を入れてもらったことがありません。紅茶の葉っぱというより、入れる人によって、紅茶の味は大きく影響されます。お湯にうっすら色がついている紅茶はどうも頂けません。

 ホテルの部屋で、このPICKWICKの紅茶を入れてみました。イングリッシュブレックファストですが、しっかりと美味しいのです。そこで、アルバートハインという、アムステルダムのスタンダードなスパーマーケットに行ってみました。確かに、このPICKWICが主流です。ティーバックばかりで、ルーズリーフはありませんでした。普通のブラックティーからフレーバードティーまで揃っています。

 私が選んだのは、 Winter glow  と

  Caramelised Pear.フレバーも普通のアップルだとかラズベリーもありましたが、何となく季節柄、この2つを選びました。

 香港に戻ると早速紅茶を入れました。Winter glow リンゴの香りとシナモンが爽やかに香ります。紅茶の味はしっかりしていますが、香りが重くなく美味しい紅茶でした。

 Caramelised Pear,こちらは、洋梨の香りの後にすっとキャラメルが香ります。美味しい紅茶です。

  PICKWICK、調べてみるととても古い紅茶の会社です。オランダ、ベルギーの紅茶のシェアの70%を占めているそうです。しかも、香り付けは、全て天然のフルーツからだそうです。お値段も高くありません。コーヒーやショコラばかりかと思っていたオランダで見つけた、美味しい紅茶です。

 でも今日は、クリスマス。例年通り朝一番は、 マリアージュのエスプリドノエルで。

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リヤドロのクリスマスツリー

2012年12月24日 06時07分00秒 | 身の回りのもの

晴れ、10度、69%

 リヤドロの優しい色合いのお人形、陶器とは思えないほどいろいろな表情があります。お好きな方達は、ガラス張りの棚にそれはたくさん集めていらっしゃいます。我が家はそんなスペースもありません。そのうえ、ほこりを払うのに神経を使いそうです。お値段もビックリするほどお高いですしね。

 そんな我が家にもひとつだけリヤドロがあります。高さ15センチほどのクリスマスツリーです。20年ほど前に頂いたものです。以来、12月に入ると出して来て飾ります。

 ジジとパピという2匹の猫を飼っていたお宅からの頂き物でした。毎年そこのお宅には、大きなクリスマスツリーが飾られて、お嬢さんが二人ですから、にぎやかなご家庭でした。日本に連れ帰った2匹の猫、ジジはなくなったそうですが、パピは20歳を超えた今も元気だそうです。

 息子が日本に戻って、そろそろ20年。夫婦2人で迎える19回目のクリスマスです。息子が小さい時求めた、シアーズの白木のオーネメントは、毎年、アイアンの木の形をしたろうそく立てに飾られます。 

 リヤドロのクリスマスツリーを見る度に、頂いたおうちの温かな景色を思い出します。

 我が家の2つのクリスマスツリーです。

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なつさんからのおくりもの

2012年12月23日 06時10分40秒 | 日々のこと

曇り、12度、57%

 12月に入ると、きっと、世界中の空や海ををいろんな手紙や荷物か行き来しているだろうと、想像します。みんなの温かい気持ちが籠った手紙や荷物です。そう思って、空を見ることもしばしば。

 だいたい郵便物の配達時間は決まっていますが、おくりものの小包は、突然やって来るので、ポストマンから受け取れないことがあります。そうすると、不在配達がポストに入っていて、翌朝取りに行きます。不在配達を見て、翌朝、郵便局で荷物に対面するまでは、どなたからのおくりものか解りません。思いつくだけの人を考えます。そんな時、日本の親しい方から電話などもらうと、不躾にも、私に何か荷物送ってくれた?などと聞く有様です。つまり、子供のように、どなたからだろう?何だろう?と、ソワソワ。

 昨日の朝は、不在配達を握りしめて、郵便局に向かいました。カウンターで荷物を受け取ると、意外や意外、思いもかけない方からでした。すぐに開けるわけにはいきませんので、家に着くまで、荷物を振ってみたり、匂いを嗅いでみたり、開けるまでは落ち着きません。

 家に帰るなり、はさみでジョキジョキ。 ワー、もう大変。

 サンタさんは、モモさんへのプレゼントでした。早速、 うまく噛み付けません。ガブッ。  逃げるな。

  5分ほど格闘していました。この後、家人が帰宅すると、お披露目にくわえて行ったのですが、家人が、どうしたの?と、サンタさんに手をかけた途端、ウ~っと、怒っています。自分のものと認識したようです。

  パグ好きの我が家のために、こんなカードまで。

 送ってくださったのは、なつさんです。実は、まだ、なつさんにお礼のメールも入れていません。そのうえ、ブログに書いてもいい?ともお尋ねしていません。でも、我がパグ仲間に、これを見せびらかしたくて、 ジャーン、ハンカチです。可愛いでしょう。

 なつさん、ありがとう。なつさんは、ゆきさんという真っ白で優しい目をした紀州犬と暮らしていらっしゃいます。そこで、お礼に紀州犬の何かをと考えるのですが、、、、。なかなかないわね、紀州犬グッズは。

 小さな小箱には、お干菓子が、お正月のお茶に添えましょう。なつさんからのおくりもの、いつも素敵です。最近は、なつさんのように随分お若い方からおくりものを頂戴します。若い方のおくりものセンスを学ばせてもらっている始末です。さて、何かお返しをと思いますが、きっと来年になりそうです。なつさん、忘れて待ってってね。まな もも

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22年続けた仕事を昨日おしまいにしました

2012年12月22日 06時07分46秒 | 日々のこと

曇り、18度、87%

 私が香港にやって来た25年前、日系のデパートは6つもありました。日本の経済が上り詰めている頃でした。海外赴任の方も家族連れでの赴任です。子供たちの塾も、日本の直営のものが日本人の多く集まるトンローワンにありました。でも、九龍サイドには塾がなく、ある方が、政府の認可をとって塾を始めることになりました。国語、英語の先生は、すぐに見つかったようです。ところが、数学、算数を見てくれる人が見つからなかったそうです。たまたま、息子のリトルリーグでご一緒だった塾を始めた方から、数学、算数を見てくれと頼まれました。それが、22年と9ヶ月前のことです。

 九龍サイドの子ばかりの小さな塾です。教えている先生たちも夏休み、冬休みは休みを取ります。夏期講習などない、いわば、学校の勉強の手助けをする塾でした。そんなこともあって、その塾は2年で閉めることになりました。その時。教えていたお子さんのお母さんたちから、家庭教師で勉強を見てくれないかと、頼まれたのがこんなに長く続いてしまいました。広告を出したこともなく口コミだけで、こんなに長く仕事ができたことに、感謝しています。

 よく何人ぐらい教えたの?って聞かれます。何度数えても同じ数になることがないのですが、100人ぐらいでしょうか。長い子は5~6年、続けて教えました。家庭教師になってからは、受験生を見るようになりました。海外帰国子女として日本に帰る子供、インターからカナダやドイツの大学に行った子供もいます。

 多いときは11人も教えていましたっけ。夏休み、冬休み、春休みなんて私にはありませんでした。長い休みのときは、それこそ朝8時から夜の11時まで仕事をしていました。しかも、教え子は九龍サイドと香港サイドにまたがっていましたから、移動も大変。元気で、若かったから出来たことです。8年前、我が家にパグのモモさんがやって来ました。それをきっかけに仕事をぐっと減らしました。夜遅くの仕事は、一切なし。

 教えた子供たちも、結婚した子も海外で働いている子もいます。そうそう、有名なお笑いタレントになった子すらいます。

 見出しの写真は、昨日最後の授業に出かける前に用意した、私の大事なお供たちです。小学校入学以来、まさか、こんなに長く鉛筆を使い続けるとは思いませんでしたね。でも、数学を解いてみせる時、これがないとどうもいけません。受験生を持つようになって、教えるのは数学ばかりではありませんでした。国語も、英語も。時に面白い教科も教えました。カナダの歴史などです。カナダ系のインターに行っている子供にです。USBが使えるようになって荷物が激減しました。それまでは、たくさんの紙の束をリュックに入れて仕事に行っていました。あんまり重たいので、プラダのリュックがひとつ底が抜けました。

 仕事を辞めようと決めて、1年半経ちました。一人でやっている仕事ですが、責任があります。実際やめるまでに、こんなに時間がかかりました。実は昨日が最後の仕事だった、とまだ家人に伝えていません。昨晩ニューデーリーから機上の人となり、先程香港に着きました。帰って来たら、まず頭を下げて、これからよろしく、とお願いするつもりです。今まで通り好きな本が買えないかもしれませんね。ちょっと不安になりますね。何かしたいことがあるので、仕事を辞めたわけではありません。この仕事を始めたときと同じ、時の流れのようなものです。

 こうして、22年を振り返っていると、早慶に何人入れたとか、そんなことより、あの子供たちと一緒に過ごすことが出来た時間が、私の大事な宝です。今年は、フィアンセと一緒に私を訪ねてくれた子、アメリカで仕事をしてる子も、先月訪ねて来てくれました。

 私より背が小さい頃から教え始め、みんな私を追い抜いて行きました。成人した子供たちの目に、小さかった頃のキラキラした目が重なります。

 学生結婚だったので、社会に出て、人と人の間でもまれて仕事をした経験がありません。そんな私が、仕事を続けてこられたのは、子供たちのおかげだと思っています。みんな、ありがとう。

 

 

 

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