チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

お正月飾り

2014年12月31日 05時46分23秒 | 日々のこと

晴れ、12度、86%

 香港の新年は暦通り、明日だけがお休みになります。町は今日も普通に機能しています。それでもクリスマスからの休みを利用して旅行に出かける人は多く、町の中はガラガラです。日本人ですから、たった一日でも新年を喜びたいと、毎年、日本にいる時のように正月の準備をしてきました。たった一度だけ、正月を自宅で迎えることが出来ない年がありました。氷点下20度近い大連で年を越したときのことです。主人の大連の会社で、日本からみえている方が年を越すと聞き、寒中見舞いを兼ねて、晦日に大連に入りました。そうそう、黒豆だけは、炊いて持って行きました。まだ、ヒートテックもなく、ダウンはゴロゴロと厚い時代でした。寒かった。

 今年の玄関飾りも、例年のように稲穂と松と注連縄をアレンジしました。松は、ひと月前に買ってありました。正解です。花市では12月に入って、一度も松を見ませんでした。日系の高級スーパーの花屋さんが数本松を持っていましたが、値段を聞いてびっくり、私が求めた5倍もの値段がします。昨年、ヒバしか揃わなかったので松を買いに急いだ今年です。

 お正月ですから、黄色い大輪の菊をと思うのですが、その横にあるアナスタシアの黄緑に惹かれます。花市のある店で荷下ろしさせたばかりのアナスタシアの花束が6つ、そのひとつを取り上げると、お店の人が全部予約済みだよと言います。最近、日本でも正月にアナスタシアのアレンジを見るようになりました。 五葉松にアナスタシアと葉牡丹を合わせました。

  お鏡は例年通り、私の背より長い羅臼昆布を敷いて、モモさんの散歩の途中で取ってきた裏白、葉付きミカンは、中国の砂糖柑、葉っぱが一杯付いて可愛いみかんです。

 屠蘇器は、他に使い道がないので持っていません。 リーデルのリキュールのデカンタに義父から譲り受けた太宰府の杯。横には先日の松を添えました。このリーデルのリキュール用のデカンタ、 その形の美しさはいつ見ても惚れ惚れします。短い足がついていてガラスの栓は、とても重い物です。

 さあ、あと一息。明日の朝を気持ちよく迎えるために、ひと頑張りです。

 

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新豆?古豆? 黒豆の話

2014年12月30日 05時33分24秒 | 料理

晴れ、11度、75%

 おせち料理の中で初めて作ったのは、黒豆。朝日新聞の料理欄に出ていた土井勝さんの方法で炊きました。錆びた古釘なんか入れて炊きました。36年前の話です。数年はこの土井勝さんの炊き方でしたが、もっと簡単な炊き方を知りました。江戸時代から続く東京の仕出し屋「八百善」の炊き方です。浸透圧を利用して炊きますから、火にかけるのは実際豆を柔らかくする間だけです。私のような無精者にはうってつけの炊き方です。以来、ずっと「八百善」式。

 豆がよければ70%は美味しく炊けると信じて疑わない私です。10年程前までは、義母が年末になると丹波の飛び切りの新物を1キロもしくは2キロ送ってくれました。全部家で食べるわけではありません。その年年にお世話になった方に届けます。ここ数年は、主人か私、どちらかが12月には帰国します。その折、黒豆を携えて香港に戻ってきます。一度、主人が時間がなくて北海道産の黒豆を買って来ました。しかも、新豆ではありませんでした。いやはや、この私、途中で一度投げ出したくなる程、柔らかくなるまで時間がかかりました。しかも、お重につめると小粒の北海道の黒豆は貧相に見えます。以来、絶対、丹波の飛び切りの新物、と心で思いました。

 3年程前のことです。何かの本で、黒豆は新物よりは古物がいいと書いてありました。同じ頃、料亭では古豆を使って炊く話も聞きます。豆屋に古豆の注文が来るそうです。新豆より乾燥した古豆は、より水を吸って大きくなるというのです。

 先日、いつもの福岡の豆屋に出向きました。もちろん、黒豆を買うためです。行くと、丹波黒豆飛切り、と書かれた樽の中は底をつきかけています。横に、古豆です、と書かれています。聞くと、新豆は2日後に入って来るとのこと、2日後には私はもう香港です。まあ、仕方ない今年は古豆を炊くとしようと買い求めました。

 繁華街のデパートに入っている富澤商店に行くと、新物の黒豆が入っています。ふむふむ、今年は新豆と古豆を炊き比べようと考えました。

  右が新豆、左が古豆です。古豆の方が乾燥が進んで小粒です。これが勢い水を含み新豆より大きく炊きあがるといいます。さて、初めに、古豆の方から炊いてみます。この結果は年を越してまたお話しします。

 私が炊いた黒豆のことを思い出してくださる方が年賀状に懐かしいと書き送ってくださいます。ですから、炊き始める前は、いつもお鍋とお豆に手を合わせます。

 

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このぽち袋の中身は何でしょう? ペルシャンジュエル

2014年12月29日 05時31分45秒 | 日々のこと

晴れ、10度、70%

 香港はクリスマスの25日と26日はパブリックホリデーです。つまり公共機関はお休み、郵便屋さんもお休みです。明けの27日になると、ちょっと遅れたクリスマスカードと元旦にと思って出してくださった年賀状がこちらは少し早くポストに入っています。12月はこうしたお便りを頂くのが楽しみのひとつです。27日にポストをのぞくと、ちょっと厚めの封筒が入っています。

 送り主とは小学校からの知り合い、高校まで一緒でした。それから、40年近くたって久々に再会した友人からです。40年と一口にいいますが、お互いそれぞれの人生を歩んできたあとです。にもかかわらず、あった途端に、この40年がひょいとワープしてくれるから不思議です。その彼女に久しぶりに会うひと月前に、主人とアムステルダムに行きました。2年前の12月のことです。

 アムステルダムのスキポール空港は、おそらく世界でも稀な種や球根が沢山売られている空港ではないでしょうか。通関の中も外も種や球根、生の花を売っています。シャネルやヴィトンがずらりと並ぶ香港の空港とは全く違った趣の空港です。出迎えの人は、花束を抱えて犬を連れて通関から出て来る人を待っています。こんな光景が見られるのは、アムステルダムならではのことでしょう。この空港の真横の白い大きなビルは、アムステルダムの花の集荷市場です。ここから、切り花が世界中に送られます。私も、香港でその恩恵にあずかる一人です。さて、空港でチーズやらと一緒に私も買いました、もちろん、球根に種。我が家の狭いプランターのスペースも考えずに買ってしまいました。

 そんな訳で、この40年ぶりに会う友人にひとつ種の袋を土産にしました。彼女の家の庭はご主人が手入れをなさるバラや季節季節の花があります。迷惑でなかったら、庭の片隅に蒔いてもらおうと思いました。早速、蒔いてくれたのでしょう、その年の夏には花の便りをもらいました。その花の名は、ペルシャンジュエル。

 日本では、黒種草といわれているそうです。ニゲラともいい、よくドライフラワーになっています。咲いたばかりの頃から花びらが乾燥したようにパリパリした花です。彼女のところに行ったペルシャンジュエルは薄紫です。濃いピンクや深い紫もあります。そして、この夏もまたペルシャンジュエルの花便りが届きました。草木を育てるのは動物同様、手間も暇もかかります。ありがたいやら嬉しい花便りです。

 彼女からのちょっと重めのカード、開けてみると可愛いぽち袋が入っていました。ぽち袋好きな私へのプレゼントかと喜んだところ、中に何か入っています。  黒いやや大きめの種です。そうです、ふた夏日本で花をつけたペルシャンジュエルの種が入っていました。種の贈り物。素敵でしょう。

 香港の家の鉢に少し、水遣りが出来ないけど日本の家の庭に少し蒔いてみようと思います。

 アムステルダムから持ち帰った種が日本で花をつけ、また香港に戻ってきました。ありがとう。

 来年、彼女は嬉しいことで大忙しになるはずです。2年ぶりに会えたらいいね。元気でいて頂戴ね。

 

 

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車の中の音楽

2014年12月28日 05時03分24秒 | 日々のこと

雨、14度、95%

 小さな車に乗るのは、殆ど一人。沈み込むようなシートに座れば、前面はガラスの押し入れの隅に座ったような不思議な気分になります。小さな車のくせに、6つもスピーカーが付いています。きっとオープンにしたときのためでしょうか。大音量好きな方には、もってこいの車です。はい、私も大音量好きの一人です。40代くらいまでは、家でも大音量でしたが、流石に50を過ぎると、人様の迷惑を考えます。

 日本の音楽家の曲は殆ど聴きませんが、デビューの時からずっと好きなのはサザンオールスターズ。坂本龍一もよく聞く一人です。演歌は、いい曲だと思っても、決して自分でCDを入れることはありません。飽きもせずに聞き続けるのはボサノバ、軽いジャズです。「イパネマの娘」という曲があります。この曲は中学の1,2年の頃初めて聞いた曲ですが、この歳になっても大好きで、出来れば逝く前に最後に聴きたい曲です。好きな曲を聴いていると、疲れも薄らぎます。気持ちも高揚してきます。調子に乗り過ぎると、振りまで付いてしまいます。

 車の中でも、ボサノバ主流でしたが、急に、12月に入ってクリス レアの曲が聞きたくなりました。クリス レア、日本ではあまりポピュラーではないと聞きます。30年程前に、「オン ザ ビーチ」を聞いたときのかすれた声、曲自体にもホロッとしたものです。この「オン ザ ビーチ」よりも日本では「ドライビング フォー クリスマス」の方が有名かもしれません。クリスマスで長い道のりを車を飛ばして家族の待つ家に帰る人を描いたこの曲、心温まる曲です。これを聞いた当初は、アメリカのクリスマス風景を思い描いていましたが、実は、クリスレアの住むイギリスでのこと、しかも、高い汽車代を節約して車で迎えにきたレアの奥さんの運転する車の中で出来た曲だそうです。そして、その車はオースティンのミニだったそうです。そこで、私の思い浮かべる風景もここで、イギリスにチェンジしました。ちょっと暗くて重いイギリスの風景の置き換えても、やっぱりいい曲です。

 今、車に積んでいるのはベストアルバム、昨晩、CDの整理をする主人が何枚かのクリスレアのアルバムを引っ張り出していました。音楽の好みまで、一致しているご夫婦は羨ましいと思います。我が家は、本も読むジャンルが全く違います。聞く音楽は、ちょっとはクロスオーバーしていますが、やはり違います。クラシックなどは、時折、同じ物が2枚あるなんてこともありました。要するに、相手が何を聞いているか知らないのです。

 お正月を前にCDが少し片付きました。私は、車の中でもうしばらく、クリス レアを聞くつもりです。

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ロマネスコ

2014年12月27日 05時37分26秒 | 日々のこと

小雨、16度、79%

 ロマネスコを初めて見たのは、2年程前、日本のデパートの地下食料品売り場でした。その見た目といい、名前といい、野菜とは思えない程の存在感がありました。名前はローマのなんていう意味でしょうが、まるでスペインのガウディーの建造物を思い起こさせる野菜です。その時は、お名前をしっかり覚えて、別れました。実は、一目惚れでした。ラップに包まれいて、残念なことにどのように香しいかも知りません。

 さて、香港に戻ると早速、その一目惚れの野菜を探します。これだけ、世界中から野菜が集まる香港ですが、高級食材店にも置いていませんでした。昨年のことです、避暑地近くに住む友人が、なんとこのロマネスコを趣味で育てています。そして、寒くなり始めると、大収穫。この友人、今年もロマネスコを種から育て始めました。一緒に植えた、ブロッコリーやカリフラワーとその成育過程では見分けがつかなくなるようです。虫にやられながらも、寒さに向けて成長して行きました。ひと月程前からは、はっきりとガウディーの尖塔らしきものが現れました。この成長の過程をみるのはワクワクものです。友人は、どれにも満遍なく愛情を注いでいますが、私の感心はロマネスコしかありません。なにぶんにも、惚れた弱みです。1週間程前、雪を被ったロマネスコの収穫が行われ、美味しかったと一言。あー、私の恋心は募ります。

 ちょうどその頃、香港の高級食材店にロマネスコが登場しました。オランダからやって来たそうです。お値段はというと、あれー、日本円で1000円ほどもします。かの友人宅近くのスーパーでは、カリフラワーと同じ値段だったそうです。ここでも断念して帰りました。

 クリスマスの日、雨の中をセントラルの郵便局へ年賀状を出しに行きました。町はナショナルホリデーでお休みです。24日には全ての準備が整っていたにもかかわらず、なぜかセントラルの市場の坂道を家に向かいました。ここの八百屋はSOHOやランカイホンのレストランい野菜を卸します。ふと見ると、ロマネスコのあのトンガリが、カゴからのぞいています。いえ、私を呼んでいるようです。レストランに卸すというそのロマネスコをひとつ、お願いして買って来ました。お値段、日本円で400円程でした。ロマネスコひとつを大事に抱えて家に戻りました。

 小房に分けて茹でてみました。カリフラワーの一種のロマネスコです。ブロッコリーのようでもありながら、その食感や香りは、やはりカリフラワーに近く感じます。硬めに茹で上げて、ぽりぽり。

 クリスマスのディナーのローストチキンの添えにいろんな野菜を用意していましたが、 このロマネスコだけで充分見応えがあります。

 2年近く恋い焦がれたロマネスコ、クリスマスにやっと食べることが出来ました。我が家のモモさん、尖ったカリカリがお好きです。

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栗づくしのクリスマス

2014年12月26日 05時48分52秒 | クリスマス

小雨、14度、92%

 クリスマスの朝は、ケーキから始まるのが例年の我が家です。香港はパブリックホリデーでお休みですが、主人は深圳の事務所や工場に出向きます。夕飯のお腹いっぱいの後では、ケーキはもう沢山になりかねません。そこで、朝、皆でケーキを頂きます。

 今年ブッシュドノエルは、栗のクリームにするつもりです。 真空パックのフランスの栗、 お砂糖が入っていないやはりフランスの栗のピューレがあります。このゴリラのマークのクレマンフォンジェ社のマロンクリームは、砂糖が入ったタイプと砂糖なしがあります。砂糖入りは少し甘さがきついので、砂糖なしを買ってみました。バターと砂糖とラム酒を合わせてバタークリームを作ったのですが、このマロンピューレの量が多すぎて、うまく、デコレーションできません。ちょっとがっかりなブッシュドノエルになりました。 真ん中に、真空パックの栗を入れて巻きました。 切り口はご覧の通り。デコレーションがうまくいかなかったので、随分へこんでいましたが、お味の方は、上出来です。次回はもっと伸びの良いクリームに仕上げてみます。

 この半月、家にこもってチクチク。大きな作品は全体像が掴めません。それでも、ひと刺しがなければ前に進まない刺繍です。何事もこのひと刺しよね、などと呟きながら小さな麻の目と格闘しています。そんな中、こうした行事食を作る時間も、実は、もったいなく感じます。でも、毎年のことです。何が面倒かって、いろんな材料を探しにあちこちの市場やスーパーを廻ることです。一旦揃えば、後は家の調理家電をフル活用して主人の帰る時間をみながら、短期決戦。

 今年のテリーヌは、ホタテか魚のファルスをと思っていたのですが、急遽、ささみとロースハムで作りました。 秋に種を蒔いた、美食家のパセリとも呼ばれるセルフィーユの緑で飾ります。切り口は、  オクラに赤ピーマン、シイタケで。

 さあ、今年のチキンには何をつめようかなあ?栗の真空パックは、ケーキに使っても余ります。昨年は、その栗とマッシュルームでスタッフィングを作りましたが、今年は頂きものの、日本の富士リンゴを使ってみました。 これは大正解。富士のさっぱりした甘みが栗のホッコリとよく調和しています。しばらくはこれが定番になりそうです。

 今日はこれらのレフトオーバーを片付けるという名目で、また一日、チクチクに励みます。

 毎年作り続けたものばかり、ブッシュドノエルがうまく巻けない年もありました。テリーヌが、しっかり固まらない年もありました。チキンが白っぽく焼けたこともありました。作り続けることの大事さを、振り返って思います。イギリス系の国は、きょう26日もお休みです。いいボクシングデーをお過ごしください。

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クリスマス、おめでとう。

2014年12月25日 06時44分46秒 | クリスマス

曇り、18度、64%

 香港は、今日と明日はナショナルホリデー、つまり4連休です。昨晩は、雲が多いながらも、皆さんがご想像の通り、明るいイルミネーションが見事でした。とはいえ、ここ香港、ほんとに華やかになるのは旧正月、春節です。つまり、ホリデーシーズンはこのクリスマス、お正月、春節まで続きます。クリスマス、香港はお休みですが、お隣中国は通常営業。主人は、例年、25日も26日もお仕事に出かけます。

 昨年から、ツリーのオーネメントを出さなくなったのですが、やっぱり思い直して飾りました。 この10年ほどは、アイアンの燭台になったツリーに飾り付けます。飾ったのは、かれこれ34,5歳の白木のオーナメントです。西武からシアーズにオーダーして取ってもらったもの、中国製ではないにしても、その昔ですから、台湾か韓国製かもしれません。 未だに色も白木のまま、ペイントも落ちていません。至極お元気なオーナメントたちです。

 日本の北の地方は、雪のクリスマスと聞きます。いいなあ、羨ましいなあと思うものの、雪かきなんてしたことない人間の戯言に過ぎません。ああ、今年も、もう僅かで過ぎようとしています。いいクリスマスをお過ごしください。

 モモさんより一言、「ぼくは、かぶりものもきらいです。」

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ぼくは、ふくをきるのがきらいです。 モモ

2014年12月24日 05時35分05秒 | もも

曇り、16度、78%

 香港だって、少しは寒くなります。一番寒いのは、旧正月、つまり年明けた春節の頃です。30年程前は、その春節前後は、コートをしっかりと着ていました。ところがここ10年程、コートを香港で着なくなったなあと思っていると、昨年は、寒さで毎日ダウン着用でした。

 我が家のモモさん、朝晩のお散歩は欠かせません。雨が降ろうが、台風の風が吹こうが、お出かけになります。来月には11歳になるモモさん、流石にお歳のせいで、寒い日は、外に出ると一瞬たじろいで、固まります。その後、大きなくしゃみをひとつ必ずして、徐に歩き始めます。そこで、昨年は毛糸のベストを編みました。手の凝ったものではありません。モモさんの体に合わせながら編んだだけの腹巻き状のものです。

 先日、朝の気温が10度近くになりました。しかも、小雨まで降っています。濡れるのはお構いなしといっても、と思い、ひとつしかないコートを出してきました。 主人が、モモさんが一番太っていた3歳頃、オーストラリアから買って来たものです。なんと、ろう引きのコートです。ゴム引きではありません。重いかわりに雨は避けてくれます。リーシュ用ではなく、首輪用ですのでモモさん居心地が悪そうです。着せただけなのに、 このお顔。「はやくにぬがせてください。」  散歩に出れば、プーをする時、いつもより腰の位置が高そうです。フンと気張ってプーが出来ません。この日の散歩、そそくさと帰ってきました。

 昨日は、季節風がビュービュー吹いていました。気温はそんなに低いわけではありません。まあ、少しは暖かくしてお出かけをと思い、  私が編んだベストを着せました。ご覧のように、不本意を表す、タレシッポ。嫌なことをされると、このようにシッポを垂らして意思表示をなさいます。こちらはそれでも、コートよりはマシなようです。立派なプーをしましたから。

 はい、モモさん、この2着しか服を持ちません。「ぼくは、ふくをきるのがきらいです。」

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ケニアのバラ

2014年12月23日 05時31分08秒 | 

曇り、14度、64%

 クリスマスの花を買いに、九龍サイドの花市に向かいました。先日、実生の松を買った時、ちょっと気になる花の入った箱がありました。香港は、世界中から花が集まってきます。中国昆明は昔からです。ついで、日本、台湾、オランダ。ところが最近ではマレーシア、ベトナム、南アフリカとますます世界各国の有様です。気になった箱は表書きが英語ですが、箱自体がとてもしゃれています。どこのお国からのものかは正体不明でした。最近は、ウェッブのアドレスだけで、住所を書きません。ヨーロッパにいたっては、EUのみの表示も見られます。変わりばえしない花の種類ですが、やはり、花市に行くのは胸踊るものです。

 件の素敵な箱の花を輸入しているのは、たった1軒の老舗の花屋です。先日、私が実生の松を買った店です。この店は世界中にアンテナを張り巡らしているのか、フローリストとカフェを一緒の店で展開しています。12月に入ると、花市の朝はいつもより早くなります。例の素敵な箱を荷下ろししているところでした。出てきた花はアリストロメリア。お兄さんにどこから入って来たのと聞くと、アフリカとの答えです。アリストロメリアの普段あるものとは花の色が微妙に違います。でも、買うのはね、と花市をひと回りして戻ってみると、今度はバラが箱から出されています。これまた、昆明のバラとは色が違います。ぼんやりしているというか、淡い感じというのか。10本一束で梱包されているその包みも、箱同様素敵です。お値段を聞くと、昆明のバラの3割程高め、交通費ですね、アフリカから来たのですから。

 求めたのは、ピンクの濃淡が入った、 こちらです。買う前から分かっていたのですが、ちっともあのバラの香りがしません。少し残念です。

 挿し終えて、ゆっくりとウェッブを開けてみました。Batian flowers。なんとケニアの海抜2450mのところにある温室育ちの花でした。アフリカと聞いてはいたものの、ケニアです。いつものことながら、ケニヤの山岳地帯を思い浮かべます。作っている花は、バラとアリストロメリアだけだそうです。35ヘクタールはどのくらいの広さか想像付きませんが、バラの植え付け面積だそうです。きっとすごく広いのでしょう。

 まだらのバラは、アダブカダブラが好きです。花が小さく、ひと枝に幾つも花をつけるあのアダブカダブラとは違って、このバラは、ひじょうに大振りです。名前は、pink intution。ピンクの余韻とでも呼びましょうか。

 香りがないのは返す返す残念ですが、 こんなポッテリした花入れにも馴染んでくれました。

 ケニアは温室野菜にも力を入れて輸出しています。ケニアの花作り、始まったばかりです。これからが楽しみなケニヤの花たち。今年の我が家のクリスマスは、ケニヤのバラで迎えます。

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「いつもお元気ですね。」

2014年12月22日 05時36分07秒 | 日々のこと

晴れ、12度、49%

 先日、永年の知人に道でばったり出くわしました。丸顔の彼女は私よりちょっとお姉さん、数年前に太極拳を始めて以来、顔艶もよく色白に変身しています。「いつも元気ね。」と挨拶しました。同じ方向に向かっているので歩きながら話します。主人のことやモモさんのことを尋ねてくれます。すると急に、「実は昨日、子宮がんの手術をしたの。」とおっしゃいます。今年に入って、私の周りには3人、子宮がんの手術をなさった方がいます。皆さん、一晩の入院で退院。ガンのステージにもよりますが、それぞれその時のことを話してくれる様子も違います。この彼女は、いつも、話し言葉も短く、冗漫な話し方ではありません。いつものように、手短にがんが見つかった様子や手術のことを話してくれました。そして、いつものように別れ際も、長々と話が延びずに、「またね。」と別れました。

 別れてから、彼女の後ろ姿を振り返りました。顔はいつものようにツヤツヤでしたが、そんな話を聞いた後だからか、心なしか肩が寂しそうに見えました。お一人暮らしです。心細かったのではないかと思います。そんな彼女に、「いつも元気ね。」なんて言ってよかったものやら、少し反省しました。

 昨日の朝の散歩の途中、永いこと会わなかった香港人の女性に会いました。遠目にも彼女と分かったのですが、以前と違って、顔色が悪く、少し痩せたように見えました。思わず、「お病気でも?」とお聞きしようかと思ったのですが、「いつもお元気そうですね。」と挨拶しました。その途端、彼女の目も顔も一瞬にしてパッと明るく輝きました。彼女、屈んでモモさんの体を触ってくれ、たわいない世間話をして別れました。彼女とは、ほぼ毎朝、私が走りに行く道で会っていました。彼女は、スライド大きな見た目のいいランナーです。別れる時に、彼女が「今度は、ボーエンロードで会おうね。」と言ってくれたとき、きっと何か大きな病気をしたのかもしれないと、胸に来るものがありました。

 人と会った時に、「いつも、お元気そうですね。」と言ってしまいます。それには小さな理由があります。こんな私でも、落ち込んでいたりちょっと思わしくない体調のとき、お会いした人が「あら、真奈さん、いつも元気そうね。」と言ってくれると、はい、単純なものでそれだけで元気になることがあります。50も半ばを過ぎ、60近くになると、いつもいつも元気でいられません。身体的なこと以外に精神的なことが原因の場合もあります。外目にも頬が落ちていたり、目に活気がなかったり、明らかに現れてきます。そんな時、「どこか悪い?」と聞かれると、ああ、外見に現れてるなと自分を振り返ります。

 さあ、「どこか悪い?」と尋ねるのと「いつも、お元気ですね。」と声を掛けるのどちらがいいのかな、と迷います。挨拶ですから、迷いながら即座に判断するわけです。ただ、おじいさん、おばあさんに声をかけるときは、決まって、「いつもお元気ですね。」と言うようにしています。どの方も、ほんとに一瞬にして、明るい目元になってくれます。

 若い頃にはこんなこと、考えもしませんでした。年齢を重ねることは、やはり素晴らしいなと思います。かけてもらった一言で、心にぽっと灯が灯る、そんな言葉かけが出来たらとつくづく考えます。

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