道尾秀介の『シャドウ』を読んだ。本格ミステリ大賞受賞作。
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父どうし、母どうし、子供たちとそれぞれ仲の良い我茂家と水城家だが、我茂家の母咲枝ががんで亡くなった後1週間後には水城家の母恵が自殺する。さらに水城家の娘亜紀が交通事故にあって・・・。いったい何が起こったのか? 我茂家の父洋一郎と息子の凰介の語りがメインで話がすすむ。探偵役は凰介で、彼が解き明かす意外な真実に驚くことに・・・。
いろんなところに伏線が張り巡らされているのはわかるのだが、終盤に一気の回収。グイグイ引き込まれて一気に読了。面白く読める作品で読み応えあり。以下ネタバレなので未読の方は読まないように。
恵の自殺は、実は恵と亜紀の心中のはずだったが、亜紀だけが生き残ったこと、亜紀が自殺に見せかけて交通事故にあったこと。全ては水城徹と我茂洋一郎の恩師の田地にあった。子供の亜紀を犯し、死を目前にした咲枝を犯すという鬼畜の所業。結果、精神病を患ったように見せかけた洋一郎に復讐されることになるのだが・・・。