Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

俺たちの旅

2024年02月24日 | 書籍・映画・音楽
薄幸な洋子が切ない

著作制作:日本テレビ 製作:ユニオン映画

ネット動画で「俺たちの旅」10年(再会)、20年(選択)、30年目(運命)を一気視聴した。TVドラマ本放送当時も小学生ながらリアルタイム視聴していた。まともに就職もせず自由気ままに暮らす3人(カースケ、オメダ、クズ六)を反面教師的な視点で観ていたのを覚えている。「十年目の再会」はそれなりに楽しめたが以降の20年目、30年目は完全なる蛇足。カースケが会社の社長におさまっているのは違和感ある。会社も家族も捨てて身勝手な信念のままに一人でマジョルカ島に旅立つその判断は滑稽ですらあった。そして30年目ではマジョルカ島からイタリアへと流れて最後は徳島の漁村に舞い戻り漁船の修理業をしている。ドラマオリジナルメンバーだけでは話が膨らまないので次々と新キャラが追加された。止めはカースケの元恋人である洋子(金沢碧)を病死させてしまう展開。「俺たちの旅」は三人の生きざまの他にカースケ、オメダと洋子の微妙な三角関係、それに真弓(岡田奈々)のカースケへの横恋慕が大切なプロットだった。30年目で洋子を殺したことでこのドラマのシリーズは完結したという鎌田敏夫(脚本)の強い意志を感じる。ドラマの作中に「カースケがその身勝手さから他のみんなを不幸にしている」との台詞がたびたび出てくる。しかし冷静に観るなら洋子の煮え切らない態度とプライドにみんなが振り回され不幸にしているようにも感じる。洋子がいなくなってしまってはこれ以上ドラマの進展は望めない。30年目では洋子との回想シーンばかりが出てきて間を持たせた。思うにもし洋子がカースケと結ばれていたとしても決して幸せにならなかったのだろう。最後に20年目(1995年)の作中で「昔の恋は遠い日の花火であり追いかけても掴めない」との台詞が何度か出てくる。この頃、サントリーのCMでも同じフレーズが逆の意味合いで何度も使われていた。



SUNTORY OLD 恋は、遠い日の花火ではない




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鱧(はも) | トップ | アヒルちゃん »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (sk_oyazi)
2024-02-24 17:03:01
鎌田敏夫さんの蛇足感、
ちょっと分かる気がします😅
Unknown (saitolab)
2024-02-24 17:27:10
sk_oyaziさま

コメントありがとうございました。
この作品は当時のドラマで終わっておくべきだった
のでしょうね。ドラマ最終回にカースケは洋子を追いかけて
餘部へ。一夜を過ごし洋子は海外へ旅たつ。
其れでよかったのです。
カースケ、オメダ、グズ六それぞれ3人が
その後大成功しても絵にならない。
かと言って学生時代の延長でグダグダしている
姿は見たくない。落とし所の持っていきようが
見つかりません。全ては視聴者各々の想像に
委ねるのが良かったのですね。

コメントを投稿

書籍・映画・音楽」カテゴリの最新記事