☆「いつかまた、ここで暮らせたら」大崎百紀
ベストな介護を探ってもがき孤軍奮闘する著者の姿は、
両親にそこまで愛情も情熱も持てない私からすると驚きでもあり羨ましくもある。
そんな私は親の症状がある程度進行したら迷わず施設に預けるつもりではいるが、
実は不安もとても大きい。
すでに短期記憶のできない母だが、自宅でルーティン的に洗濯や簡単な料理はやっている。
ところが入院した時は自分がどこにいるかわからず、電話でも意味不明なことを喋っていた。
その時に住み慣れた自宅で生活することがとても大きな意味を持っていることを痛感したから。
だから施設は最後の手段。
この本で、利用する制度や施設などの選択の連続の過酷さ、
その選択の度に迷い覚悟し納得させたりと思っていた以上に大変な状況に正直どんより。
でも結局正解もないし、100%後悔のない選択もないんだろう。
この先不安しかないが、私だけじゃないんだと少し慰められた気もする。
◎「ニュータウンは黄昏れて」垣谷美雨
うん?年齢と時代が合ってないなと思ったら、10年以上前の作品だった。
身につまされたり、勉強になったり、10年後まさにそうなってますよな現状だったり。
現実的な問題をちょっとありえなさそうな展開も盛り込んで、
ぐいぐい引き込んじゃうのはさすがです。
それにしても面倒な彼をイヤな奴ならまだしも友達に押し付けるという展開は
やっぱ最後まで引っかかったな。
市議になるという展開は飛躍したなと思いつつも過程も見てみたかった。
登場人物のネガティブな所が際立っていたので、好きなキャラが見つけられなかったのは残念。
でもサクサク読めて楽しめた。
☆「むらさきのスカートの女」今村夏子
「こちらあみ子」「星の子」とはまた違った独特の世界にぐいぐい引き込まれる。
むらさきのスカートの女のミステリアスな所に興味津々だったのが、
徐々に主人公の行動がヤバ過ぎ、怖過ぎってなって、
ラストは結局何だったんだ?っていう謎のおもしろさが癖になる感じ。
◎「月のぶどう」寺地はるな
寺地さんの作品はは「川のほとりに立つ者は」「水を縫う」に続いて3作目。
2作品に比べるとちょっと物足りなかったかな。
双子の弟には少しずつ変化が見えるのに、姉の頑な感じが延々と続いたのはきつかった。
でもそこを弟がグサグサついていくのはいい関係性だなと。
登場人物がけっこう多くて、叔母さんの過去をもっと掘り下げて欲しかったかな。
でもなんとなく想像がつきそうな気もするが。
あえて掘り下げなくてもおじいちゃんは好きだな。
ワイン作りの過程も知れたのもよい。
☆「星を編む」凪良ゆう
「汝、星のごとく」辛くて切なくてもどかしくてなんとも言えないお話だった。
その中でも好きだった北原先生の過去が知れ、
暁海と新たにまた歩み始めることができて感無量。
いろんなことが報われ、昇華され、次のステップへ。
そして彼らの人生はまだまだ続いていく。
◎「覇王の轍」相場英雄
相葉作品には珍しく女性が主人公なのがなぜか違和感で…。
ストーリー展開がもどかしく感じたが、ラストは結局そうなってそうなるか!と。
ほっとした反面、結局正義感や執着心や真実だけではどうにもならず、
最後はその時の情勢次第でどちらにも転がってしまうという危うさに愕然としてしまう。
この後が気になる。
☆「あひる」今村夏子
相変わらずの独特の世界観、突き放されるようなラストの短編集。
中でも「森の兄妹」は珍しく?私には理解しやすかったというか、
身につまされるような感覚、高揚感や絶望感がなんとも辛く切なく。
ラストはしっくりくるというか納得感があるというか。
それはそれでとても切ないんだけど。
◎「七十歳死亡法案可決」垣谷美雨
将来寝たきりになったらいっそのこと…と考えることはあるものの、
70歳になったら死というのはあまりにも乱暴過ぎる法案だなと。
で、ラストはやっぱりそう来たかと。
家族それぞれの立場や苦労、葛藤など他人事に思えず一喜一憂したが、あの夫は論外。
ただ専業主婦の主人公がパート勤めを始めて3日でレジを使いこなし、
その後の展開が上手く行き過ぎなのは急にリアリティが無くなって残念。
これからどう生きるかということについては考えさせられたが、
私の懸案事項に対しての答えはなく。
アラ還としては遠くない未来に不安は尽きない。
◎「三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える事件報道の裏側」三枝玄太郎
さらばのチャンネルで紹介されていた本。
ニュースでなんとなく耳にしていたり違和感のあった言葉の意味や仕組みがわかったりと
役にも立つし、実際に取材した人にしかわからない生々しいエピソードがおもしろい。
ドラマや小説の描写に対して元新聞記者の視点から考察してるのもおもしろく、
横山秀夫作品読み返したくなる。高村薫作品も考察して欲しい。
☆「父と私の桜尾通り商店街」今村夏子
人形やもぐら、パン屋など具体的な題材のせいかカラフルなおもちゃ箱みたいな短編集。
すぐそこにありそうなのに異質な世界、微妙に不可解な登場人物、
絶妙に不思議な展開が寓話っぽいというか、変に答えを求めちゃいけないんだなあと。
とりあえず浸ろうと思う。
◎「レイアウトは期日までに」碧野圭
装丁や本のデザインという仕事、そんな細かい部分までこだわるのかと興味深かった。
いろんな働き方に優劣をつけるのではなく、一長一短を描いているのもよい。
対照的な二人にはいらっとすることもあったけど、
距離感をもてあます感じがもどかしくもあり。
でも、少しずつ二人の距離が縮まっていく過程も楽しく。
主人公が少しずつ自信を持てるようになり、関係にも変化が。続き読んでみたい。
但しなんでこのタイトルなんだろう。もったいない。
ベストな介護を探ってもがき孤軍奮闘する著者の姿は、
両親にそこまで愛情も情熱も持てない私からすると驚きでもあり羨ましくもある。
そんな私は親の症状がある程度進行したら迷わず施設に預けるつもりではいるが、
実は不安もとても大きい。
すでに短期記憶のできない母だが、自宅でルーティン的に洗濯や簡単な料理はやっている。
ところが入院した時は自分がどこにいるかわからず、電話でも意味不明なことを喋っていた。
その時に住み慣れた自宅で生活することがとても大きな意味を持っていることを痛感したから。
だから施設は最後の手段。
この本で、利用する制度や施設などの選択の連続の過酷さ、
その選択の度に迷い覚悟し納得させたりと思っていた以上に大変な状況に正直どんより。
でも結局正解もないし、100%後悔のない選択もないんだろう。
この先不安しかないが、私だけじゃないんだと少し慰められた気もする。
◎「ニュータウンは黄昏れて」垣谷美雨
うん?年齢と時代が合ってないなと思ったら、10年以上前の作品だった。
身につまされたり、勉強になったり、10年後まさにそうなってますよな現状だったり。
現実的な問題をちょっとありえなさそうな展開も盛り込んで、
ぐいぐい引き込んじゃうのはさすがです。
それにしても面倒な彼をイヤな奴ならまだしも友達に押し付けるという展開は
やっぱ最後まで引っかかったな。
市議になるという展開は飛躍したなと思いつつも過程も見てみたかった。
登場人物のネガティブな所が際立っていたので、好きなキャラが見つけられなかったのは残念。
でもサクサク読めて楽しめた。
☆「むらさきのスカートの女」今村夏子
「こちらあみ子」「星の子」とはまた違った独特の世界にぐいぐい引き込まれる。
むらさきのスカートの女のミステリアスな所に興味津々だったのが、
徐々に主人公の行動がヤバ過ぎ、怖過ぎってなって、
ラストは結局何だったんだ?っていう謎のおもしろさが癖になる感じ。
◎「月のぶどう」寺地はるな
寺地さんの作品はは「川のほとりに立つ者は」「水を縫う」に続いて3作目。
2作品に比べるとちょっと物足りなかったかな。
双子の弟には少しずつ変化が見えるのに、姉の頑な感じが延々と続いたのはきつかった。
でもそこを弟がグサグサついていくのはいい関係性だなと。
登場人物がけっこう多くて、叔母さんの過去をもっと掘り下げて欲しかったかな。
でもなんとなく想像がつきそうな気もするが。
あえて掘り下げなくてもおじいちゃんは好きだな。
ワイン作りの過程も知れたのもよい。
☆「星を編む」凪良ゆう
「汝、星のごとく」辛くて切なくてもどかしくてなんとも言えないお話だった。
その中でも好きだった北原先生の過去が知れ、
暁海と新たにまた歩み始めることができて感無量。
いろんなことが報われ、昇華され、次のステップへ。
そして彼らの人生はまだまだ続いていく。
◎「覇王の轍」相場英雄
相葉作品には珍しく女性が主人公なのがなぜか違和感で…。
ストーリー展開がもどかしく感じたが、ラストは結局そうなってそうなるか!と。
ほっとした反面、結局正義感や執着心や真実だけではどうにもならず、
最後はその時の情勢次第でどちらにも転がってしまうという危うさに愕然としてしまう。
この後が気になる。
☆「あひる」今村夏子
相変わらずの独特の世界観、突き放されるようなラストの短編集。
中でも「森の兄妹」は珍しく?私には理解しやすかったというか、
身につまされるような感覚、高揚感や絶望感がなんとも辛く切なく。
ラストはしっくりくるというか納得感があるというか。
それはそれでとても切ないんだけど。
◎「七十歳死亡法案可決」垣谷美雨
将来寝たきりになったらいっそのこと…と考えることはあるものの、
70歳になったら死というのはあまりにも乱暴過ぎる法案だなと。
で、ラストはやっぱりそう来たかと。
家族それぞれの立場や苦労、葛藤など他人事に思えず一喜一憂したが、あの夫は論外。
ただ専業主婦の主人公がパート勤めを始めて3日でレジを使いこなし、
その後の展開が上手く行き過ぎなのは急にリアリティが無くなって残念。
これからどう生きるかということについては考えさせられたが、
私の懸案事項に対しての答えはなく。
アラ還としては遠くない未来に不安は尽きない。
◎「三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える事件報道の裏側」三枝玄太郎
さらばのチャンネルで紹介されていた本。
ニュースでなんとなく耳にしていたり違和感のあった言葉の意味や仕組みがわかったりと
役にも立つし、実際に取材した人にしかわからない生々しいエピソードがおもしろい。
ドラマや小説の描写に対して元新聞記者の視点から考察してるのもおもしろく、
横山秀夫作品読み返したくなる。高村薫作品も考察して欲しい。
☆「父と私の桜尾通り商店街」今村夏子
人形やもぐら、パン屋など具体的な題材のせいかカラフルなおもちゃ箱みたいな短編集。
すぐそこにありそうなのに異質な世界、微妙に不可解な登場人物、
絶妙に不思議な展開が寓話っぽいというか、変に答えを求めちゃいけないんだなあと。
とりあえず浸ろうと思う。
◎「レイアウトは期日までに」碧野圭
装丁や本のデザインという仕事、そんな細かい部分までこだわるのかと興味深かった。
いろんな働き方に優劣をつけるのではなく、一長一短を描いているのもよい。
対照的な二人にはいらっとすることもあったけど、
距離感をもてあます感じがもどかしくもあり。
でも、少しずつ二人の距離が縮まっていく過程も楽しく。
主人公が少しずつ自信を持てるようになり、関係にも変化が。続き読んでみたい。
但しなんでこのタイトルなんだろう。もったいない。
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