狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

ジャーナリズムはポピュラーだが、フィクションとしてポピュラーなだけだ。新聞で見る人生と実生活は別のものだ。

2020年07月22日 16時10分46秒 | その他の日記

 マスメディアこそが初動を間違えた。
 そしてその間違いを一切認めることがなく間違いの責任を政権に押し付けた。
 という疑義があるわけですよ。
 マスメディアこそが、人の命がかかわっている事柄にもかかわらず、科学的な根拠や専門家の意見を無視して、根拠のない言説を垂れ流して世論を混乱させ大規模な被害を生み出した。という疑義があるわけですよ。
 他国多くの感染爆発はパニックに陥った人達の行動によって引き起こされたものです。
 マスメディアは人々を混乱させパニックを引き起こし多くの人を死なせました。
 我が国でもマスメディアは誤情報を延々と垂れ流し多くの混乱を引き起こしました。
 マスメディア発祥のデマが蔓延しました。
 マスメディアが率先して人権を侵害するような誹謗中傷を垂れ流しました。
 そもそも「疑惑がある」とだけ述べるマスメディアは報道機関としては最低です。
 取材すればよいではないですか。
 医療機関や葬儀社業界やホテル業界やマスクを製造した会社など多くの人達を根拠のないデマで誹謗中傷して知らん顔をする。
 多くの国で医療崩壊をもたらした方法論に固執する。
 何かを決定すれば「独裁だ!」と喚き、慎重に判断すれば「遅い!」と述べる。二重基準。批判しかしない。
 科学的根拠を無視して感情論しか述べない。
 このような行為を延々と繰り返して世論を動かし政治不信を加速させていく方法は、戦前の日本のマスメディアのやり口と同じです。
 正確な情報を流さず、政治不信を加速させて、大政翼賛会を作り、その中心部に入り込んで戦時体制を作ったのは、朝日新聞とNHKです。
 マスメディアは今も同じ手法を取っています。
 マスメディアは太平洋戦争の自らの反省をしていません。
 人々に正確な情報を流さず混乱を加速させるやり口は、戦前の日本のマスメディアと同じです。

 政治不信の先に何が現れるのですかね? 
 マスメディアが先導する先に何が出現するのですかね? 
 マスメディアによる独裁体制というものは簡単にできるのですよ。
 平和を希求し人権を訴えながら、多くの人を死なせ人権を踏みにじる。
 少数の意見を尊重しろと述べながら、少数の意見を無視する。
 そのようなマスメディアは、エリート主義の排他的な自由の無いマスメディアによる強権的な社会を目指しているとしか思えませんよ。


 マスメディアこそが初動を間違えた。
 そしてその間違いを一切認めることがなく間違いの責任を政権に押し付けた。
 という疑義があるわけですよ。
 マスメディアはこの疑いに明確に誰もが納得できる説明をすべきです。
 適当な言い訳ではなくきちんとした説明をすべきです。

 人の命が関わっている問題を憶測や思い込みで述べていたのならば、マスメディアはデマ発生装置でしかありません。
 マスメディアはきちんと説明してください。
 お願いします。




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お金は天から降ってこない。地上で稼ぎ出さねばならない。

2020年07月22日 12時28分32秒 | その他の日記
 以下の文は、文春オンラインの『高齢者を守るため、またも若者が“犠牲”に…新型コロナでも繰り返された「世代間格差」の正体』と題した記事の転載であります。




『高齢者を守るため、またも若者が“犠牲”に…新型コロナでも繰り返された「世代間格差」の正体』

 〈この度の新型コロナのパンデミックは、何を示唆しているのでしょうか。
  私は、歴史家、歴史人口学者として“グローバリズムに対する最後の審判”だと捉えます。
  ただ、新しい何かが起きたのではなく、このパンデミックが、すでに起きていたことを露見させ、その変化を加速させている、と見るべきでしょう〉

 こう語るのは、仏の歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏だ。

   各国の死亡率に大きな違いがある理由
 〈「経済統計」は嘘をつきますが、「人口統計」は嘘をつきません。
  作家エマニュエル・ベルルが述べたように、「死は嘘をつかない」。
  「人口統計」の操作は困難だからです。
  今回の新型コロナで注目すべきなのも、各国の死亡率に大きな違いがあることです。
  もちろん、気候の影響などさまざまな要因があるので、その点も考慮すべきですが、少なくとも現時点では、全体としてウイルスの毒性はそれほど高くない。
  ですから、それぞれの死亡率は、「ウイルスの属性」よりも「各国の現実」について多くを物語っている、と捉えるべきです〉

 〈「個人主義的」で「女性の地位が高い」国(私の専門の家族構造で見れば、英米のような「絶対主義核家族」や仏のような「平等主義核家族」)で、死亡率が高く、「権威主義的」で「女性の地位が低い」国(日独韓のような「直系家族」)で、死亡率が低くなっています。
  これには、グローバル化の度合が大きく関わっていると考えられます〉

 「グローバル化の深度が各国の死亡率の高低に影響している」というのだが、それはなぜか。

   自分たちの生活すら守れなかった“先進国”
 〈死亡率の低い後者のグループでは、グローバル化の下でも、暗黙の“保護主義的傾向”が作用し、産業空洞化に一定の歯止めがかかって、国内の生産基盤と医療資源がある程度、維持されました。
  そのために、被害の拡大を防げたのです。
  他方、死亡率の高い前者のグループでは、GDPばかりにこだわり、生活に必要不可欠な生産基盤すら手放して産業空洞化が起こり、いざという時に、自分たちの生活すら守れなかったのです。
  この意味で、新型コロナは“グローバリズムの知的な敗北”を宣告した、と言えるでしょう〉

 トッド氏は、先進国のなかでも多くの死者を出したフランスの状況を次のように分析する。

 〈この点、フランスは、興味深い典型例を示しています。
  グローバリズムのゲームのルールを忠実に実行してきた国として、フランスのエリートたちは、工業で稼ぐのも、観光業で稼ぐのも、その良し悪しを問うことなく、同じようにGDPに換算できるという態度を30~40年にもわたって取ってきました。
  その結果どうなったか。
  今回の新型コロナではっきりしたのは、モノの生産に関しては、フランスはもはや“先進国”ではなく“途上国”だということです。
  フランス人は、人工呼吸器もマスクも医薬品もつくれない自国の現実を突きつけられました。
  それらは、中国やインドで製造され、国内にはもはや技術や生産基盤がない。
  国内最後のマスク工場は、2年前に閉鎖されていたのです〉

   仏独の死亡率を分けたもの
 〈新型コロナが露わにした“グローバル化の不都合な真実”は、仏独の死亡率の違い(「40.4」と「9.5」、5月15日時点)に鮮明に現れています。
  欧州では、EUとユーロ創設という形で「グローバリズム」が貫徹されました。
  とくにユーロがフランスの国内産業を破壊したのです。
  対照的にドイツは“単独通貨マルクよりもはるかに安いユーロ”によって、EU域内貿易でも、EU域外貿易でも恩恵を受け、巨額の貿易黒字を積み上げました。(略)
  ユーロは、主にフランスの政治家たちが中心となって考案したものですが、“フランスの政治家が犯した史上最悪の失敗”と言って過言ではありません〉

 〈こうして自国産業が壊滅し、ウイルスの防御手段が何も残されていないフランスには、「ロックダウン(都市封鎖)」しか選択肢がありませんでした。(略)
  こうして約2カ月もの「自宅隔離生活」を強いられたフランス人が、見たくもないのに自宅のテレビで連日、見せられたのは、マクロン大統領、フィリップ首相、ベラン保健相といった政治家や官僚たちの虚偽ばかりの発表や会見です〉

   「若者」や「現役世代」のリスクが誇張された
 〈例えば、必要なマスクが国内になかった、というのが真実なのに、当初は、「効果がないからマスク着用は無意味だ」と言っていました。
  その後は、「マスクを製造する」と。
  しかし、そもそも国内の生産基盤がすでに失われているので、そのうち「中国に注文する」と言い始めた〉

 〈最大の嘘は、新型コロナは、少なくとも現時点では、高齢者や持病のある人でなければ、リスクは小さいのに、「集中治療室の入院患者の平均年齢が下がってきている」というニュースを流し、「若者」や「現役世代」のリスクを誇張し、「外出禁止命令」を守らせようとしたことです〉

 トッド氏がとくに強調するのは、「世代間の問題」だ。

   最も犠牲を被ったのは「先進国の若い世代」
 〈グローバリズムの恩恵を最も受けてきたのは、現在の高齢者、戦後のベビーブーマーの世代で、最も犠牲を被ったのは、「先進国の若い世代」です。
  あくまで冗談めいた比喩ですが、死者が高齢者に集中しているのは、あたかも「グローバル化のなかで優遇されてきた高齢者を裁くために、神がウイルスを送り込んだ」と見えなくもありません。
  ただその一方で、高齢者たちが、依然、力関係で優位にあることも示されました。
  全人口にロックダウンを強制して、低リスクの「若者」と「現役世代」に犠牲を強いることで、高リスクの「高齢者」の命を守ったからです。
  もちろん、「老人を敬う」のは、健全な社会の証なのですが

 その上で、トッド氏はこう述べる。

 〈新型コロナが露見させたのは、GDPの空虚さです。
  高いGDPを誇っても、産業が空洞化した国は、いかに脆いかが明らかになりました〉

 〈産業空洞化で新型コロナの被害が大きかった先進国がすぐに取り組むべきは、将来の安全のために、産業基盤を再構築すべく国家主導で投資を行うことです。
  これは、いま話題の「ベーシックインカム」などより重要です。
  問題は「生産力」だからです。
  投資に加えて、国内の医療産業を保護する措置も採るべきでしょう。
  フランスについて付け加えれば、ユーロから脱却して、国内投資のために独自通貨を取り戻すべきです〉

 今回の新型コロナの危機に“グローバリズムの帰結”を見るトッド氏の「 犠牲になるのは若者か、老人か 」の全文は、「文藝春秋」7月号および「文藝春秋digital」に掲載されている。
                                転載終わり。




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人間は仕事がないと、健康を損なうばかりでなく精神的にも退廃する。

2020年07月22日 09時50分29秒 | その他の日記
 以下の文は、マネーポストWEBの『コロナ不況で冬のボーナス激減、今の大学3年生から就職氷河期入りも』と題した記事の転載であります。



『コロナ不況で冬のボーナス激減、今の大学3年生から就職氷河期入りも』
2020年5月7日 7:00


 コロナ禍の影響で世界的大恐慌となっている。
 気になるのは今年のボーナスがどうなるかだろう。
 人事ジャーナリストの溝上憲文さんはこうみる。 
 「産業全体が苦境だが、特に切迫しているのは旅行、宿泊、飲食、航空、鉄道、小売りなどの業界。ただ、今夏のボーナスは春闘で妥結していますから、大手はほぼ影響ありません。それでも、中小企業は下がるところもあるはずです」 
 ボーナスが下がるどころか、会社によっては「ボーナスか雇用か」という選択を迫られるところもある。
 冬のボーナスはさらに悪化する見込みだという。 
 「冬以降の賞与は悲惨な状況が予想されます。前述した業界は影響を食らいます。日本の基幹産業の1つである自動車も、工場の操業が停止している。世界の購買意欲が冷え込んでいるいま、厳しいと言わざるを得ません」(溝上さん・以下同) 
 住宅ローンのボーナス増額払いなどを設定している人は注意が必要だ。
 それでも、仕事があればまだいい方なのかもしれない。 
 「今後、完全失業率の上昇が予想される。これまで最悪だった、リーマン・ショック後の2009年7月の5.5%を超えることは確実な情勢です。不況になれば自殺者が増加したり、治安の悪化も懸念されます」 
 逆に、今後も明るい業界とはどういった分野だろうか。 
 「いわゆるネット通販を手がける会社はこの状況下でも伸びるでしょう。食品デリバリー業なども同様です。そしてテレワークへの移行で通信インフラ企業やシステム系、コンピューター関連はよさそうです。医薬品製造やドラッグストアなどの医療関係も今後、期待できる業界です」 
 この不況下、就職戦線はどうなるのか。 
 「これまでの売り手市場から買い手市場に一気に転換、いまの大学3年生から氷河期入りも。すると人気を集めるのが公務員でしょう。民間では通信インフラ系や医療・介護業界、葬儀業界などが手堅い人気となるのではないか」 
 まだ就活に時間がある学生や再雇用を目指すシニアなどにはどんな対策が有効なのだろうか。 
 「SEを目指すなら情報技術者などのシステム系の資格があると差がつけられる。弁理士、会計士など難関資格のほか、語学力を証明できるTOEICなども有望でしょう。シニア層ならビル管理やマンション管理の仕事に就きやすい『電気主任技術者』や『建築物環境衛生管理技術者』『マンション管理士』の資格は取っておいて損はないと思います」
                  ※女性セブン2020年5月7・14日号

                                転載終わり。


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ある選択をするということは、その選択によって生まれるはずのマイナスを全て背負うぞ、ということでやんしょ。

2020年07月21日 18時43分34秒 | その他の日記
 以下の文は、マネーポストWEBの『企業倒産、大学退学… 再度の自粛要請で自殺者3万人の恐れも』と題した記事の転載であります。


『企業倒産、大学退学… 再度の自粛要請で自殺者3万人の恐れも』
7/13(月) 7:00


 世間の関心は新型コロナの「第2波」に移っている。
 東京都の新規感染者数が100人を超える日が続いた現状を不安に感じる人は多いはずだ。 
 しかし経済的負担と我慢を強いられた自粛期間に戻りたくないのもまた事実。
 十分な補償や緻密な検証もないまま自粛を受け入れられないという声は多い。
 自粛の大きなデメリットである「経済への悪影響」は綿密に検証されるべきだ。
 経済評論家の塚崎公義氏が指摘する。
 「経済の観点から言えば再自粛なんてとんでもない。自粛中は『こんなに感染リスクが高い中で外出する人は、命が大切ではないのか』という風潮がありましたが、自粛で働けないことは経済的な意味で命の問題に直結する。政府は新型コロナの重症患者数や死亡者数と、自粛による経済的ダメージでの破産者数や自殺者数などを比較検討し、バランスをとるべきです」

 約2か月の緊急事態宣言期間中のバランスは「経済的なデメリットが大きすぎた」という意見が多い。
 経済ジャーナリストの荻原博子氏が語る。
 「4月の緊急事態宣言前後からは、新型コロナに関連して約3万人が失業しています。数か月ほどは失業手当があっても、再就職の目処は立たない。ある学生団体の調査では、回答した学生の13人に1人が大学を辞める検討を始めていると回答しています。
 企業の倒産件数にしても、裁判所の業務縮小期間中は実際よりも少ない数字しか報告されなかったはずで、これから倒産件数は次第に増えていくでしょう。こうした状況で再び緊急事態宣言や自粛要請があったら、年間2万人近くまで減少していた自殺者数がまた増加し、3万人を大きく超えてしまう可能性があります」

 緊急事態宣言下では、政府が一律10万円給付や個人事業主への持続化給付金の支給などを行ない、東京都も「感染拡大防止協力金」など総額8000億円を支給する緊急対策を発表した。
 しかし、財源には限界があり、自粛要請のたびに補償を行なうことは困難だ。漫画家の小林よしのり氏はこう指摘する。
 「東京都は財源がないからこれ以上の経済補償はできないでしょう。国も同じです。それなのに補償なしで自粛して、中小企業や飲食店を廃業させてしまうのか。ホテルや航空業界だって客が来なくなってしまったけど、経済はものすごく脆弱で綱渡りなんですよ。
 感染者のほとんどは軽症・無症状者なのだから、抗体を作るまでもなく自然免疫で撃退できるものだったということで、過度に恐れすぎています。これからは自粛はせずに経済を回して、基礎疾患のある高齢者など、重症化しやすい人だけ医療で守って死者を出さないようにすればいい」
      ※週刊ポスト2020年7月24日号

                               転載終わり。


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若者は老人の雇用安全弁でしかない。

2020年07月21日 16時25分11秒 | その他の日記
 以下の文は、NHKの『JAL 赤坂社長 来春卒業予定の大学生など採用活動取りやめ検討』と題した記事の転載であります。


JAL 赤坂社長 来春卒業予定の大学生など採用活動取りやめ検討
2020年7月21日 4時31分

 新型コロナウイルスの感染拡大で、航空業界が深刻な打撃を受ける中、日本航空の赤坂祐二社長はNHKのインタビューに応じ、来年春に卒業する大学生などを対象にした採用活動を取りやめる方向で検討していることを明らかにしました。
 この中で日本航空の赤坂社長は、新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んでいる航空需要が回復する時期について「国内線はこれから1年くらい、国際線は3年から4年の長丁場を覚悟している。国際線は完全に元に戻るのは厳しいかもしれない」と述べました。

 そのうえで、来年春に卒業予定の大学生などの採用について赤坂社長は「来年の必要人数を考えれば、いま、新入社員が入社しても仕事がない。申し訳ないが採用は難しい」と述べ、パイロットなど一部を除いて、現在、中断している採用活動を取りやめる方向で検討していることを明らかにしました。

 一方、資金繰りについては、借り入れなどでおよそ5000億円の調達にめどがつき、当面は問題ないとしたうえで、コスト削減や航空機などの投資の抑制に取り組む考えを示しました。

 また赤坂社長は、テレワークの広がりで出張が減るなど働き方の変化を受けて「今まではビジネス需要を主体とし、成長の柱は国際線だったが、見直しが必要だ」と述べ、国内線や貨物事業を伸ばすとともに、マイレージを活用した金融事業など新たなビジネスを検討していく考えを示しました。

                                 転載終わり。


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光は闇の中にあってこそより輝くもんでござんす。

2020年07月20日 22時22分50秒 | その他の日記
 以下の文は、辻 仁成氏の『ザ・インタビュー「31字に込められたホストたちのコロナ対策」』と題した記事の転載であります。



ザ・インタビュー「31字に込められたホストたちのコロナ対策」
Posted on 2020/07/18
辻 仁成 作家 パリ


 ここのとろころ多出していたのが「夜の街」で「ホストクラブ」で感染拡大みたいな記事で、ホストクラブがそんなに問題になっているのだ、と思って、当事者たちの声はどうなのだろうと探してみるのだけど、滅多にホストたちサイドからの反論というか主張がない。
 片方だけしか報じないのはどうなのかな、と思っていたら、昔、一度会ったことのある歌舞伎町のホストクラブの経営者がいたことを思い出し、電話番号とかラインとか知らなかったのだけど人伝てに調べて、1万キロも離れているのだけど、インタビューをすることが出来ました。
 すると、メディアが報じていた内容と若干違う新たな一面を見ることも出来ました。
 歌舞伎町のホストたちの声。

ザ・インタビュー「31字に込められたホストたちのコロナ対策」



辻 今回は本当に急な形で、しかも、ラインでのインタビューに応じてくれてありがとう。いきなり本題ですけど、夜の街という言葉が日本のニュースで連日とりあげられていて、いろいろと記事を読んだのだけど、本当のところはどうなのだろう、と思ってね。手塚さんは新宿・歌舞伎町でホストクラブを経営されていますが、何軒くらい経営されているの? 

手塚 マキ(以下、敬称略「手塚」) そうですね。今、歌舞伎町にホストクラブは6軒あります。水商売歴がかなり長くなってきました。

辻 ホスト歴は何年ですか?

手塚 ホスト歴は24年ですね。店を構えてからは17年、周りにあまり先輩がいなくなってきました。店も2、3番目に古いので。

辻 ぼくを含め、多くの方々は、ホストクラブの仕事、業界のことなどあまり知らないわけで、ぼくも行ったことがありませんし、ところが、今回のこの件があって、一方的に叩かれているというか、感染源みたいな言われ方をして、それに対して、なぜか、ホスト側からの意見ってあまり出ていなくて、探したのだけど、ほぼ見当たらず…。これは公平性からみても、もう一方の当事者側の意見を聞くべきだろう、と思って、ふと思いついて、ライン電話でのインタビューになったのです。忙しいのにありがとう。さて、ぶっちゃけ、この状況をどう思っているのか、訴えたいことなど、まずは率直にご意見を頂きたい。

手塚 まず、叩かれている事に対しては、もともと慣れてますね。最初の頃って水商売自体が国が率先する融資の枠からも外されていたんです。性風俗は今でも除外されています。でも、そういう排除は今に始まったことではなくて。普段から「ホストだから」という色眼鏡で見られるという事には慣れていますよね。だから、我々の業界に限らず、コロナ禍に起きている事というのは普段の社会の問題が顕在化してるだけのことだと思っています。急に僕たちばかり責められているという風には思っていません。業界の人間たちもそれに対してものすごくナイーブになっているわけではなく、結構、逞しく生きてますね、みんな。

辻 その、精神面ではそうかもしれないけど、具体的に新宿の夜の街からこう感染者が増えているという事に対してはどう思っているの?

手塚 それは本当に真摯に受け止めています。5月末に東京都が6月1日から自粛解除に向けてステップ1、2、3というのを発表したんですね。ステップによって自粛解除をしていくというものなのですが、そのステップ1、2、3にホストクラブが入ってなかったんですよ。だから、いつから営業再開できるという目処が立てられなくて、それで、6月1日からどこのホストクラブもキャバクラも営業再開しました。中には5月も営業している店があって、キャバ嬢とホストに感染者が出ていたようなんですけど、休業要請の状況で感染者が出てもどこの店で働いているかや、濃厚接触者も答えてくれなかったらしいんです。でも、保健所や行政からすると、営業する、しないの強制力はもともとないので、感染経路を追えないことが一番の問題でもありました。それで、僕のところに新宿区長から電話があって、そういう現状があることを説明され、区長曰く、「自分はホストとか、ホストクラブのことがよくわからないから、一度相談させて欲しい」と言われて、6月2日に区長に会いに行ってきました。

辻 え? いきなり新宿区長から電話がかかってきて、教えてほしい、と言われたわけですね。そのことははじめて知った。どこにも記事になってないですね。

手塚 ええ。区長はそこで、「我々は新宿区民の健康を第一に考えている、取り締まることが我々の役目ではないし、補償のない中で、やめろとも言えない。ただ、感染拡大、2次感染を封じ込めていくことがとても大切だ」とおっしゃられて、さらに「都知事やマスコミが『夜の街、夜の街』と連呼するけれども、我々は決して敵ではないので一緒に現実的な落とし所を模索しましょう」とも言われました。ただ、僕としてはそれを業界内に伝えたところでその時は都知事の発言が続いていたので、みんな行政というものは一括りに自分たちを除外する人間だと思って信じてはくれないだろうな、と思ったのです。ならば、「それを直接区長自身の言葉でホストなどの事業者たちに言っていただけませんか」と頼みました。「僕が区役所にできるだけ多くの関係者、実力者を連れていけるよう努力するので、区長が今話してくれたことを直接彼らにぶつけて話してください」とお願いして、それを区長が受け入れてくれたので、翌日の6月3日と4日の夕方に時間を空けてもらって、事業者を20人ずつくらい連れて行きました。

辻 手塚さん、それ、初めて知りました。なんか、日本のメディアが伝えている記事だけを斜め読みしていると、ホストの連中が何もしないで、ただただ客と大騒ぎして感染を拡大させて、対策もとってない、みたいにしか、読めない。話しをきちんと聞こうとして連絡をする区長もまっとうだけど、手塚さん、それにこたえて二日間で40人ものホストやキャバクラの関係者を区役所に連れていく、当たり前のことなんだろうけど、実際に人々に説明し説得して、区長に会いに行こうよ、というのは労力のいる行動です。

手塚 で、そこで、僕らは、それぞれこの間、ずっと疑問に思っていたこととか、都知事に対する愚痴なんかをぶつけたんですけど、それに対して区長も保健所の人もしっかり丁寧に対応してくれて、協力して一緒にやっていきましょう、という事になったんです。

辻 保健所の方もいたんですね

手塚 はい。その話し合いの結果、一人でも陽性者が出たら、保健所に連絡をして、集団検査を受けるという流れが整いました。区長を信頼したので、その後、率先して集団検査をやることになります。そうしたら、意外に陽性者がたくさん出て、数字が増えていったんですね。

辻 なるほど。新宿区とホストの人たちが手を組んで、そこまで言われるなら一生懸命PCR検査をやって対処していく…、フランスなどがロックダウン中にやってきたのと同じ方法、その時点で取り組まれていたということか…。ということは、歌舞伎町のホスト業界は、PCR検査を積極的にやる、やっているところを掘り下げてるから陽性者がたくさん出ているという状況が出来たわけですね。

手塚 そうですね。やり方は真っ当な方法だと思うんです。でも、だから、6月の初旬は他の地域では減っているのに、なぜか新宿区だけが増えていくという状況になってしまったわけです。これだけ出るならやっぱり問題あるよねって僕たちも思ったんですけど、理由はわからなくて。区長と話し合いも、もっと続けたいということになり、1時間でも、30分でもいいから、時間を見つけて話し合いを継続していこうということになりました。感染症というのは一人ひとりの意識の問題だから、一人でも多くの人の感染症への意識を上げていくことが大事なわけで。その流れがあって、ホストクラブだけでなく、他のキャバクラや飲食店とかも含めて、6月18日に「新宿区繁華街新型コロナ対策連絡会」というのを立ち上げました。その後も小さな勉強会のようなものを続けていて、感染者が減らない状況がなぜか、について皆で考えました。クラスターを出した店のオーナーだとか、厚労省の人が来たり、感染症研究所の人が来て、状況を説明してなぜクラスターが起こったのかというのを検証するために店を見学したりもして、原因究明をしていったわけですね。だから、新しい感染者が出ている事に対して当事者たちもびびってるし、どうにかして出さないように、と気をつけようと勉強していたわけです。ところがです。ただ、そうやって行政に協力していくことが風潮としては裏目に出ることになっていきます。ぼくらが積極的に検査を受け、その発表にも協力するから、夜の街ばかりが浮き彫りになってしまったのです。当然、歌舞伎町の関係者たちの中では「誠意をもって、こうやって協力したことがマイナスになった」という空気が生まれることになるわけです。

辻 知らなかった。でも、それは残念な流れだね。手塚さん、板挟みになりませんでしたか? しかし、あなたたちが積極的にPCR検査をやり、勉強会を開き、業界内で、感染をふやさないよう努力していなければ、逆を言えば、今どころの騒ぎではなかったかもしれない、もっともっと恐ろしいことが起きていたかもしれないのに…。

手塚 行政やメディアに対しても、僕たちの業界は誰一人、自分たちは悪くないとは一言も言っていないし、感染者が出てしまった以上、その状況をどうやって防いでいくのか、どうやって感染拡大させないのか、予防していくのかということを、真剣に考えていくしかないとみんな思っています。ただ、出てしまった事に対しても反省点もあるわけで、良いとか悪いとかだけじゃなくて、この社会全体を考えて、今後感染を拡大させないためには、メディアが「陽性者を叩く」ということをしてしまったら、ますます検査もできないし、名乗り出られない風潮になっていくと思うんですよね。現実問題として、経済的な理由で会社を止めることの出来ない中小企業もあるだろうし、もし陽性者が出ても取引先に伝えられない会社だって出てきてしまうのではないかと。今のホストクラブのように言われたら困っちゃうし・・・なんていうのは、どの業界でも思うと思います。ウイルスが別に職種を選ぶわけでも、時間帯を選ぶわけでも、ましてや地域を選ぶわけでもないじゃないですか。そもそも感染症って人と人との接触、主に飛沫で感染するわけで、そこをみんなが気をつけるという問題なのに、都知事やメディアの人たちが地域や職種を名指しすることはますますみんなの知識を遠ざけてしまうのではないかと思うんですよ。それをメディアの人には伝えているつもりなんですけど、インタビュー受けた記事のタイトルが「差別しないで」みたいな言い方にされていて、がっかりしました。そんなこと決して言ってないし、自分たちがやってきたことを棚に上げるつもりもないし、事実を受け止めて、それからどうやっていくか真摯にやっていくしかないと思っているのが現状なのに。

辻 今日はじめて、手塚さんとはこうやって深く話しをさせてもらっているけれど、あなたたちがそんなに努力して、問題を解決しようとしてきたこと、誰も知らないんじゃないのかな。「差別しないで」なんて一切言ってないのに、そう書かれちゃったんですね? 

手塚 大雑把に対立させるような言い方をするタイトルですよね。そういうマスコミの分断させるような仕掛けってバズるじゃないですか、そういう報道の仕方が、逆に、感染症の防止を遠ざけている、とぼくは思いました。

辻 たしかに。メディアの飛びつき方が裏目に出て、誰もが「感染しているのはまずい」という構図が生まれるという事だよね。自分たちの業界はつぶされないように、黙っていた方が無難だな、と思うところがたくさん出てしまった可能性もある。メディアの飛びつき方のせいで、そのほか大勢の問題箇所を裏に隠してしまったもしれない、ということだね。言いたくても、手を上げられない風潮ができてしまった。

手塚 そうなっちゃうんじゃないかって思います。ホストクラブで働いている人たちも、これだけ言われるとホストクラブ内では気を付けるように当然なりますよね。マスクもちゃんとしてるし、かなり早い段階からホストクラブもキャバクラも危ないってことを自覚してるんで、行政が出しているガイドラインなんかより全然レベルの高い予防対策をしています。

辻 予防対策、それをちょっと教えてもらえますか?

手塚 例えば、最初の頃ってガイドラインが出た時に、自分たちの店がやってる予防対策の方が全然レベルが高くて行政や保健所が驚くくらいだったんです。例えばうちは、入り口で足の裏を消毒させて、換気、検温、物理的にできることは全部やってると思いますね。

辻 僕が読んだ記事ではシャンパンコールとか、回し飲みとか、体に触れ合うとか、キスとか、その辺はどうなんですか?

手塚 シャンパンコールというのは祭ばやしみたいなものなので、みんなが騒ぐので飛沫は飛ぶので感染の確率は高いと思うんです。だから、もう早い段階からほとんどのクラブがやってないと思います。回し飲みもとっくにやってないですね。触ったりキスをしたりは普段からお店の中でそんなにないです。手を握ったりとかは今の時点でどれくらいあるかはわからないですが、消毒とかは徹底してますので。それに、ホストクラブってもともと50坪くらいのところにホスト20人が平均なんです。お客さんが10人入ると、だいたい2対1くらいになるのでそれがちょうどいいくらいなんですね。考えると、50坪で30人って全然蜜じゃないんです。飲食店に比べると全然蜜じゃないです。しかも、その10人のお客様とは連絡先を交換するので感染経路は絶対辿ることができるんですよね。だから、もし、感染が出たとしても追うことができる。集団PCR検査にも応じるし、

辻 そうか、お客さんたちはほぼ常連だし、ホストさんたちが連絡先を交換しているし、追跡が出来るんだ。50坪って、教室二つとか三つくらい、あるわけで、うちの子の学校は一クラス40人で、よっぽど密ですね…。で、今現在は陽性者の数は減ったんですか?

手塚 今は東京全体ですごく増えてるので、新宿区も増えてると思いますね。歌舞伎町も増えてるかもしれないですね。

辻 僕なんかは歳が歳だし、しかも、超神経質なので、バーに行くことさえも怖いと思うタイプなんですけど、皆さんはどんな意識なんでしょう。

手塚 おそらく、辻さんのように警戒心の高い人、経済至上主義でコロナなんてただの風邪だと言っている人たち、どれくらい予防すれば大丈夫なのかなと悩んでいる人たち、大きく分けると3種類がいると思うんです。夜の街で働いている人たちの中でもその比率は変わらないと思います。繁華街の魅力って刹那的な一瞬の酩酊だとか、社会で理性的に生きている時間から逸脱した場所である価値だと思うんです。

辻 非日常のね。

手塚 なので、繁華街にやって来て、人は、明日のことを考えて酒を呑まない。昨日のことも明日のことも忘れて、自分が何者かなんて衣を脱いで、ある意味裸になってただの一人の自分でいられる場所だからみんな行くんだと思うんです。だからそもそも、繁華街に集まる人たちというのは、苦しい日々を忘れたくて、明日のことを考えない人が多いとは思います。

辻 ホストクラブに来る人っていうのはキャバクラで働いている人が多いって聞いたことがあるんですけど?

手塚 うーん、そうじゃなくなってたんです。キャバクラはホストクラブと営業時間が同じなのでなかなか来にくいですよね。ただ、比率は昔に比べると一般化して、水商売、風俗以外のお客さんも増えたと思います。やはりこの状況では全然来なくなってると思いますけど。

辻 一般の方は来てる?

手塚 はい。だけど、その一般の方が来る比率の多い店は経営が苦しいですね。うちもその比率が多い方なので結構くらってる方だと思います。

辻 経営のこと聞くのは失礼かもしれませんが、今経営状況っていうのはコロナ禍の前と比べてどのくらいですか?

手塚 半分くらいじゃないですかね。6月が半分弱くらい。

辻 もちろん、補償や応援もないわけですよね。

手塚 ただ、銀行融資が下りるようになったので、それは僕らにとっては大きいかなと。経営的に難しいのは僕らの業界に限ってるわけではないので、あまりそこはしょうがないかなと。

辻 融資ってでも返さなきゃいけないよね。借りるけれども利子が安くなるだけで、返さないといけないのは大変じゃない?

手塚 もともと借り入れができない業種だったので、僕的には助かっています。

辻 今後、コロナが続くとしたら、感染者が増えている現状も含め、どういうビジョンでやっていこうと思っていますか?予防対策についても聞きたいです。

手塚 予防は行政が出している情報を聞いて、感染リスクの高くない人と人との接触方法がある程度浸透してくると思うんです。

辻 ホストクラブ内での工夫とかあるのかな。接客の方法を変えるとか、ほら、手塚さんは歌舞伎町で句会など開催しているし…。

手塚 それはないです。

辻 ないか。それはお客さん求めてないか。

手塚 ホストクラブとか水商売って、もともと社会に足りない要素を補うっていう場所だと思うんです。日常が息苦しいから逸脱したい。働いている側からすると、ちゃんとした家庭環境で育たなかった人たち行き場のない人も受け入れる職場なんですよ。社会のちょっと外にありながら、社会の足りない要素を補完する場所だと思ってください。自分たちが新しく作り出してイノベーションしていくぞっていう想いっていうのは基本的にないですね。これからどういう風に社会が変わっていくのか、人と人との繋がりがよくなって、温もりがあったり、昔の町屋みたいな感じに社会がなっていけばホストクラブやキャバクラの必要はなくなるかもしれないし。不倫や浮気が堂々とできるようになれば秘匿性が担保されやすい夜の商売はいらなくなるかもしれないし。僕たちが新しいことをイノベーションしているのではなく、現代における日本だと人と人との、肩書きをなくした繋がりとかが希薄になってるからホストクラブなんかが重宝されているし、女性と男性の男女格差があって、女性の虐げられている現実があるから息抜きのためにホストクラブが流行るとか、社会がどう変化するかによって僕たちも変化していくしかないかなと思ってます。

辻 なるほど、よくわかります。では、角度を変えて聞くけど、手塚マキという人間がホストとしてやっていることの夢というか、ホストの誇りを持っていることとかそういうのはありますか。

手塚 難しいですね。ずっとホストやってきてるんで、でも、やはり繁華街にはいい奴が多いです。そいつらと一緒に生きていきたいと思っています。最初からどうせホストだからという見られ方をするので、色眼鏡には慣れているんで、そんなに着飾らないですね。生き方とか発言に対して、自分を大きく見せる必要がないんですよね。ある意味、人を見る時に職業や年齢で人を見ないし、人を判断しない。とにかく、今、一緒にいて楽しい時間を過ごすという事にみんなたけてるんですよ。だから、なんて言うんでしょうね、みんな、めちゃくちゃ気のいいやつらなんです。そういう人間が増えること、そうやって生きることは閉塞的な現代社会にとっても大事なことだとは思っています。

辻 なるほど。ぼくはあなたたちの話しを聞いて、こうやって書くことしかできないけど、手塚さんたちが歌舞伎町の中で行動をしていたことはよくわかりました。ホストクラブの経営者として、若いホストたちに思うことは?

手塚 僕はずっとホストの教育というものに力を入れてきたので、10代後半の子とかも雇っていたし、その子たちの人生の責任を感じて、ちゃんと教育をしなきゃいけないというのが僕の20代後半のときの水商売で生きていこうと思ったきっかけでもあったんです。その時に、座学で何かをするというよりも、彼らは気のいい奴らなので、そこを伸ばすべきだと思って、お客さんが泣いてる時に一緒に泣けて、嬉しい時には一緒に喜べる、感情の幅を広げる事、彼らはそこの部分がすごく長けているのでそこを伸ばして欲しい。それを伸ばすにはやはり本を読んで映画を見る事だと思ったので、他人に対して想像力を働かせられる事というのが大事で、小説や映画でいろんな人の人生にシンクロしていくというのが良い事だと言ってきました。だけど、現実、やっぱり彼らそんな本は読まないですよね。そこで、ぼくは歌舞伎町に本屋を出したことがあって。

辻 知ってる。歌舞伎町のど真ん中に文学を売る店が出来たって、誰かに聞いたことがある。あれ、手塚さんだったのか。

手塚 ええ。で、本屋があれば、みんな本に関心持ってくれるかな、と思って。ホストたちに本を読ませる方法を考えたんですよね。詩集とか短歌とか短いものなら読むんじゃないか、と。その辺を重点的において、ホストって、会話を構築していくことをしないんですよね。飲み屋って瞬発的な会話を繰り返すだけじゃないですか。細切れでどんどん話を進めるので、飲み屋で「つまり」なんて接続詞を聞くことなんてないんですよ。意外に短歌って向いてるのかなと思ったんです。

辻 面白いね、そうか、「つまり」って、理屈が次に続かないと使うことのない言葉だけものね。気づかなかった。そういう観点で「つまり」について論じられたのははじめてだよ。あ、昔そういう映画を見たことを思い出しました。ニューヨークの郊外の暴力事件が頻発する不良のたまり場みたいな学校で、教師たちが赴任したがらない、そういう舞台に1人の情熱ある教師がやってきてね、あまりに子供たちが本を読まないから、わざとポルノを読ませるんです。すると子供たちは興奮して全員が読書の中に没頭する。その中の一人が、ある一節で感動をして、「この文章、綺麗だ」と呟く場面があって、その人間の本質をついた映画のことを思い出した。

手塚 それは面白いですね。彼らは自信がないんですよ。例えば、夜の業界の人が今回のコロナ問題でなぜ発信しないかというと、その言葉自体を持ち合わせていないんですよ。ホストたちだって、俺たちは頑張ってる、一生懸命予防対やってると訴えたい。でも、言葉が足りない。学がない。だからメディアに書かれたい放題になり、言で勝てないから、黙ってしまう。そうすると、世の中は全部、ホストクラブのせいにする。スケープゴートです。

辻 そして君たちは自分たちの非も最初からオープンに認めて、協力してきた。でも、その取り組みは誰もみてくれない、そういうことですね?

手塚 はい。今は流れが良くないですね。ちょっと開き直りではないけど、感染を防ごうと一生懸命にやっていた最初の頃の気力が、次第に、メディアの取り上げられ方のせいで、ホストたちの本来のイージーな部分が出てしまって、なら、しょうがないな、どうせ俺らにはなんもできない、みたいな空気感に、これはよくないです。あんなに頑張っていたのに、メディアがどう取り上げるかというのは重要だと思います。

辻 いくら手塚くんが一人頑張っても全員の意思を束ねることは難しいですからね。でも、何かがぼくには伝わりました。インタビューの前にネットで調べていたら、短歌集を出されたんですね。※「ホスト万葉集」

手塚 ウイルスは人を選びませんから、そこを賛否両論させているのはメディアだと思うので。ホスト万葉集がいいタイミングで出たのは、ホストというイメージがあるんだけど、コレラやペストが流行った時だって、不道徳な人間がかかる病気だと言われて、全く同じことが今起きてると思うんですよ。

辻 なるほど、不道徳な奴らだから、あいつら叩け、ということなんだね。

手塚 ホスト=不道徳、不道徳だから感染するというような流れにメディアがしているというのは寂しいですね。ホストって、歌舞伎町だけで7000人くらいいるみたいなんですけど、7000人が同じわけないじゃないですか。7000人に1時間ずつインタビューしても大したこと言えないと思うんですけど、しかし、なぜか短歌で、31字で言ってごらんとやらせてみると、いいこと言ったりするんです。若い子たち、短歌を通して、今、歌舞伎町で人間を学んでいるんですよ。流れ流れてこの歌舞伎町に辿り着いた子たち、彼らは歌会で素晴らしい歌を作っています。ぼくらの声にも、耳を傾けてもらいたいです。 
                               転載終わり。


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今はコンピュータが発達し、データが豊富にあり、左右の状態がある程度分かる世の中になってきているが、最後に決断するのが人間であることに変わりはない。

2020年07月19日 21時58分25秒 | その他の日記
 以下の文は、Kan Nishida氏の『なぜコロナウイルスの感染者数のデータは意味がないのか』と題した記事の転載であります。



『なぜコロナウイルスの感染者数のデータは意味がないのか』
Kan Nishida


 以前から言っていることですが、メディアでよく目にする感染者数という数字はあまり意味がないと思います。
 特にその数字を持ってそれぞれの国を比べようとするときには意味がないどころが害すらあると思います。
 というのも、感染者の数というのは検査の数に大きく影響を受けます。
 そしてその検査をどれだけ、どのように行うかというのはそれぞれの国によって戦略も状況も違います。

 しかし現実にはそういったことを考慮することなしに、感染者数の値を毎日見て、一喜一憂し、さらにはそれぞれの国の感染者数の値を比べ、どこの国がいいとか悪いと決めつけ、さらには感染者数の増加のトレンドをもとに「あなたの国もイタリアのようになってしまう」といった、無責任な報道が多くのメディアから毎日垂れ流されています。
 これは日本だけでなく、私の住むアメリカでも一緒です。

 そんな時、FiverThirtyEightのNate Silverが、いかに感染者数というデータが意味のないものであるかをシミュレーションも交えて解説する記事を出しいたので、みなさんと共有したいと思います。
 シミュレーションの部分も含めると非常に長いので全ては紹介しきれないのですが、なぜ感染者数の数値が当てにならないのかという点について抜粋して紹介します。

  コロナウイルスのデータは意味がない
 あなたがFiverThirtyEightの読者であればスポーツや政治のデータを見るのに慣れていると思います。
 バスケットボールや野球であればすべての行為が記録されたデータ。
 選挙の場合は全体からのランダムに集めてきたサンプルを使った聞き取り調査データと言った具合です。
 COVID-19の場合、特に感染者数というデータはそういったものとは全く違います。
 このデータはベストなものでも、かなり十分ではありません。
 そしてそれはもっと大きな問題の表面に見えている一部にしか過ぎません。
 さらに、検査数と報告された感染者数のデータはランダムに集められているわけでも全くありません。
  検査の目的
 世界中の医療機関は限られたデータを使って現在の状況を把握しようと努めています。
 彼らの検査の目的は限られた医療資源を最もそれを必要とする人に提供できるようにすることです。
 感染症の研究者と統計学者が分析するために十分なデータセットを作ることではないのです。
  検査の戦略の違い
 検査がどう行われているかを考慮することなしに、こうしたデータから結論を導き出したのであれば、それはまったく見当違いのものとなるでしょう。
 ちょっとした間違いを犯すというリスクがあるどころか、あなたの分析はとんでもないレベルの間違いを抱えてしまっているかもしれません。
 もっとひどい場合は、実際に起きていることとは反対の結論が導きだされているかもしれません。
 例えば他に比べてたくさんの検査をしているために感染者数が増えている国は実は感染の拡大をコントロールできているのかもしれません。
 逆に、新規の感染者数が減少している国は、単純に検査をするためのシステムが崩壊していたり、PRのために検査の数を減らしているのかもしれず、実際には状況は悪化しているのかもしれません。
 それぞれの国の検査に関する戦略を理解することなしに、国や州どうしを比べるということには意味がありません。
 最近の感染症の2つの研究によると、データを集めるという点で最高の仕事をしている国(例えばノルウェーなど)と最悪の仕事をしている国(例えばイギリスなど)の間には感染者を見つけ出すことができる率においておよそ20倍ほどの違いあるとのことです。(USはおそらくこの中では真ん中あたりでしょう。)
 ということは、ある国が1,000人の感染者数がいると報告している場合、それは5,000人なのかもしれず、また別の国で1,000人というときは実は100,000(10万人)なのかもしれないということです。
  感染者数に関する不確実性
 さらに一つの国の中でも不確実性が大きいです。
 USで発見された感染者数の数は実際の数を低く見積もっているかもしれず、私達が専門家を対象に行ったアンケートの結果によると、その違いは2倍から100倍ほどでした。
 これは他の国でも同じようなことが起きています。
 最近ロンドンのインペリアル・カレッジによって発表された論文によると3月30日時点で実際に感染された人の数は80万から370万人の間ということですが、これは公表されている2万2141人という数字と比べると大きな隔たりがあります。
  再生産数、Rの前提条件
 どのような感染症のモデルでも最も重要な数字はRというものです。
 これは再生産数とも言われます。
 最初に感染した1人が新しいグループに入った時に何人を感染させてしまうことになるかという数値です。
 例えば、もしある病気のRが3であれば、それぞれの感染者がさらに3人ずつ感染させてしまうということになります。
 つまり、最初の1人が3人の新規感染者を作り、それが次には9人、それがさらには27人、さらには81人と言った具合です。
 これが感染者数が短期間の間に指数関数的に増加していく所以です。
 このRでさえ、それに関する前提は様々です。
 一人の感染者から次のグループにどれだけ速く感染するかといった数値を定義しようとしているのですが、そこにはさまざまな前提がついてきます。
 疫学者たちも、基本再生産数と呼ばれるR0と、実効再生産数とよばれるRを区別しています。
 基本再生産数のR0とは、何も介入が行われず、さらに免疫もない環境でどれだけ速く広まるかという指標である。
 実効再生産数のRは現在の環境においての再生産数であり、その環境は時と場所によって変わります。
 Rはクルーズ船や大学の寮では高いでしょう。
 逆にアラスカの離れた町のように人と出会うことがあまりないような場所では低いでしょう。
 もちろん介入の内容は場所によって違いはあるものの、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)のような介入はRの値を下げるために行っています。
 そうした施策のゴールはRを1より小さくすることです。
 この状態になるとウイルスは数の上では死んでいくということになります。(1に近ければ緩やかに死んでいき、0に近ければ素早く死んでいく。)
 最後に感染が社会の中でとても大きく広まると、Rは最終的には小さくなります。
 というのも集団免疫ができるからです。
 言い換えると、十分な数の人達がすでに感染し、そのことによって病気に対する免疫を持つと、ウイルスはそれ以上同じ速さで広まり続けることができなくなります。
  筆者注:
  この再生産数に関しては皆さんにより正しい情報を提供したいため、Wikipediaの基本再生産数のページより以下を抜粋しこちらに掲載しておきます。
  基本再生産数 R0 は、環境因子や感染集団の行動による影響も受けるため、病原体に対する生物学的な定数ではない。
  さらに、基本再生産数 R0 の値は通常、数理モデルから推定されるので、推定値は使用されたモデルや他のパラメータの値に依存する。
  したがって、文献における値は特定の文脈においてのみ意味があり、古い値を使用したり、異なるモデルに基づく値を比較したりするべきではない[6]。
  また基本再生産数 R0 自体は集団内における感染症の蔓延する速度を推定するものではない。
  基本再生産数 R0 の最も重要な用途は新興感染症が集団内に蔓延するかどうかを決定することと、感染症を撲滅するためには集団のどのくらいの割合にワクチン接種をして免疫化すべきなのかを決定することである。
  一般に使用される感染症モデル(英語版)では R0 > 1 のとき、感染症は集団内で蔓延をはじめ、R0 < 1 のときには蔓延しない。

 以下は同じくWikipediaからとってきた画像です。
 青が最初に感染した人、赤は感染された人です。基本再生産数が2であるEbola(エボラ)の例と、基本再生産数が4であるSARSの例です。


 この基本再生産数が上がると一気に感染の拡大が指数関数的に広がっていくのが分かると思います。
 ちなみに、以下は様々な感染病の基本再生産数です。

 終わり。


  現在目にしている数字は2週間前の数字である
 ある人が感染した時、症状が出た時、検査を受けた時、そしてその検査の結果が報告された時の間には長い時間のギャップがあります。
 中国の武漢では症状が出てきた時と検査の結果が報告された時の間のギャップは10日から12日と言われています。
 さらに感染してから症状が出るまでに少なくとも数日はかかると言われていることから、感染してから感染者として報告されるまでにはかなりの時間がかかります。
 ですので、私のシミュレーションのシナリオではだいたい15日ほどの遅れがあると仮定しています。
 しかしそれでも控えめな方で、実際には、検査体制が整ってないカリフォルニアの例などを考えるともっとかかるのではないでしょうか。
 完璧なケースを考えてみましょう。
 住民の100%が検査を受け、検査の精度も100%だっと言う場合です。
 そこでRが2.6だとすると、15日の遅れは、どの時点でも実際の感染者数は報告される新規感染者数の約18倍ということになります。
 つまり新規感染数を見ると言うことは、実際には私達はいつも2週間ほど前の状況を見ているということになります。
 さらに、ソーシャル・ディスタンスの施策の効果がデータに現れまでにはおそらく2、3週間ほどかかるでしょう。
 これは、とくに検査の要望が多いために検査の結果を出すためのプロセスに大きな時間がかかってしまっている時は特にこういった状況になります。

  完璧でない検査
 もう一つの現実世界での問題は、検査は完璧でないということです。
 実際、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、実際にCOVID-19に感染しているうちのだいたい30%の人たちが検査の結果、陰性だと診断されるとのことです。
 これは「偽陰性 (False Negative)」と呼ばれるものです。
 もちろん、その逆の「偽陽性 (False Positive)」と呼ばれるものにも気をつけなくてはいけません。
 検査の結果感染している(陽性)と診断されたが、実は感染してない(違う)という場合です。この数字がどれくらいになるかは突き止めるのが難しいです。
 しかし私達は検査による偽陽性 (False Positive)」はほぼないと推定することができます。
 なぜか?
 症状のない大量の人たちが検査を受けたアイスランドでは、陽性と出た率は1%以下でした。
 この集団に実際にはコロナウイルスに感染していた人たちがいたことを考えると、偽陽性 (False Positive)の率はさらに1%より低いと考えることができます。
 そこで私のシミュレーションではこの数値を0.2%と仮定します。
 しかし、この偽陽性 (False Positive)の率を計算する時にちょっとした数学のひっかけがあります。
 というのも、例えこの偽陽性 (False Positive)の率が低かったとしても、感染者数が少ないときには偽陽性 (False Positive)の数が、真陽性 (True Positive)の数を上回ってしまうことになります。
 例えば、10万人の町で感染の拡大の最初のステージがあったとしましょう。
 さらに100人つまり0.1%の人がすでに感染したとします。
 もし全ての人が検査を受けたとすると、先ほどの偽陽性の率、0.2%を使うと、偽陽性の人が約200人ということになってしまいます。
 これは実際に感染している人たちの2倍である。
 このことが陰陽性に関する議論をややこしくしてしまいます。

  見つけ出せない感染者達
 次の問題は、どんなにすばらしい検査の体制が整っていたとしても、それでも多くの感染者を見逃してしまうということです。
 例えば感染していても症状が軽い人や症状のない人は検査を受けようとはしないでしょう。
 また、20%の偽陰性率を持つ検査は、いつもある一定の数の人達を見つけることができません。
 さらに、例え検査体制の整備が素早く拡大していったとしても、それはウイルスの拡大ほど速く拡大することはないでしょう。

  検査の数に影響される感染者数
 検査の数が増加すると病気の感染拡大の速度は実際よりも多く見積もられます。
 逆に検査の数が一定、または減少していると感染拡大の速度は実際よりも低く見積もられます。
 言い換えると、ドイツのようにある時突然真剣になって急に検査の数を増やし始めると、新規感染者数がものすごい速度で増加しているように見えるが、それは検査の数の増加と感染者の増加によるものであって、急激な増加はどちらによるものなのか区別することが難しくなります。



 さらに、検査の数が最初はゆっくり増加し、その後ある時急激に増加し、その後また一定になったUSのようなケースでは、実際の感染者数と検査の結果が陽性であった人の数との間の歪みはもっとひどいものです。
 例え最初の時期に実際のRが「たったの」2.6であったとしても、(もちろん、これはかなり恐ろしく高い数字であす。)報告される感染者数をベースにしたRは7.8に見えるのである。
 これは検査体制を大幅に拡大しているからである。



 ある数週間は感染者数の伸びがとてつもなく急なように見えます。
 チャートを見たときにこのような急な伸びを示している国は、他の国に比べてとんでもなく悪くなっていくことを示しているようだと思うかもしれません。
 しかし、実際の感染者数の数はどの時点でも前のシナリオのときと一緒なのです。
 もちろん、これはこのシナリオがいいということを示すわけではありません。
 この手の国は実際に知れ渡っているよりももっと大きな問題があったということで、それがようやくみんなの目に見えるようになってきたと言うだけです。

  まとめ
 最初に述べたように、この記事を書いた理由はみなさんに、COVID-19の感染者数という数字は、どのように検査が行われているのかを知らない限りは実際の状況を理解するのにはほとんど役に立たないものだということです。
 いつもであれば説教臭くなるのは避けたいところなのですが、メディアによって毎日のように報道される上昇傾向にあるコロナウイルスの感染者数の数字をただ単に受け入れてしまうのでなく、その裏にある背景を理解しなくてはいけないということを伝えたいのです。
 そういった背景には、どれだけの検査が行われているのか、病院の受け入れ能力なども含まれます。

 以上、要約終わり。

  最後に
 日本は欧米のメディアから感染者数が少ないのは検査が少ないせいで、それは実際の感染者数を隠すためではないか、とかなり早い時期からずっと批判されてきました。
 さらに当初はこの夏開催されるはずだった東京オリンピックがあったので、センセーショナルな陰謀論の的となってしまった面もあります。
 そういう私も当初は、なぜ日本の感染者の数が他の国に比べて少ないのかをよく理解できていませんでした。
 というのも最初はダイアモンド・プリンセスというクルーズ船での集団感染などの件があり、そもそも日本の感染者数が少ないということすら気づいていなかったのです。
 そこでちょっと調べてみると実は、日本政府は国として医療崩壊を防くことで多くの救えるはずの人命を救うというのがゴールで、そのためには医者が見て必要と判断しない限りは検査しないという戦略をとっていたということを学びました。



 ちなみに、この戦略は感染者数の増加を緩やかにするという、「Flatten the Curve」という目的のためのもので、この言葉は後に欧米でもある時を境に急に広まることとなりました。
 そこで、国同士の被害を比べるのであれば、完璧でないとしても感染者数よりも、死亡者数のデータを見た方がよいのではないかと思います。
 もちろん、この死亡者の定義も国によってまちまちなので、比べていいのかどうかは議論のあるところだと思います。
 ところで感染者数のデータが頼りにならないというのは実はアメリカでも同じです。
 もともとは日本のように医者が見て必要としない限りは検査をしないということで、検査はあまり積極的に行われていなかったのですが、急に3月の中旬あたりからニューヨークを中心に一気にその数が増えました。
 そのことによってアメリカ全体の感染者数の数が上がり、さらにはそこにニューヨークのようにソーシャル・ディスタンスに関する施策が後手後手に回ってしまった州などでは一気に医療崩壊が起きてしまい、死者の数まで増えてしまったことで、アメリカ中は一気にパニックに陥りました。
 さらに、あまりにも有名になったファイナンシャル・タイムスのそれぞれの国の感染者数の増加を時間の経過とともに表したチャートを見ると、まるでアメリカでの感染者数の増加の傾向が、3月上旬時点で最も悲惨な状況に陥っていたイタリアの後を追っている用に見えるチャートがメディアとインターネット中に広まり、一般市民は恐怖に怯える状態となってしまったのです。
 以下は3月中旬のファイナンシャル・タイムスによる感染者数の増加のチャートです。



 しかし、本文でも触れているように、この感染者数というのは、検査がどのような方針で行われているのか、さらに検査の性質というものを理解することなしには全く当てになりません。
 さらに、国によってこうした検査の方針や体制は大きく異なるので、この数字を持って他の国と比べても仕方がありません。
 しかし、手元にある最も身近でさらに、「ひどくなってる」ことを表しやすい数字がこの感染者数であったので、残念ながら多くのメディア、マスコミはこの感染者数というデータの裏にある背景を理解しようとすることなしに、ただ単に毎日垂れ流しては、一般市民の恐怖を煽り、さらには自国の政府に対する余計な不信を抱かせるということになってしまいました。
 これは、大変残念なことだと思います。
 というのも、政策を立案、アドバイス、監督する立場にいる人たちも、この感染者数という実態がよくわからないが事実であるかのように見えてしまうデータによって、現実を理解する能力が鈍ってしまいます。
 さらには、政治は世論から逃れることはできません。(民主主義の国であれば。)
 毎日メディアが自分たちの視聴率とクリックを稼ぐために垂れ流す数値によって多くの国民が恐怖感、不安感に襲われてしまっているとき、政治家は冷静に判断を下すのがより難しくなるでしょう。
 結果として、感染者数の増加(そして一部の国、地域での死者数の増加)による恐怖感によって、多くの国では最も現実的ではないはずのロックダウンという施策が取られ、それによってビジネスがストップしてしまい、そのせいで失業者が歴史上前例を見ないほどに増えてしまい、さらには外に出るという基本的な人権まで失うことになってしまいました。
 こうした犠牲が、コロナウイルスによる生命の犠牲を防ぐためにほんとうに必要であったのかどうかを判断するのはまだ時期早々ですが、今回の危機が終わった後、長い時間をかけて検証されていくのでしょう。
 しかし、危機が去ったあとで検証したところで、一度与えられたダメージというのはなかなか簡単には回復されるものではありません。(回復不可能なものもあるでしょう。例えば失業による自殺など。)
 今回のコロナウイルスによるパンデミックによる混乱を見にした時ほど、データ・リテラシーの重要さを痛感したことはありません。
 データを見るということは、そのデータの裏にある背景を理解し、数値をさまざまな文脈でとらえ、さらには確率や不確実性といった概念を理解していくことでもあります。
 その国の民主主義を正しく機能させることができ、さらには国民の安全と経済の成長を実現させるためには、多くの国民が高いデータ・リテラシーを持つことほど、重要なことはないのではないでしょうか。

                               転載終わり。


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ロジックとは客観的なデータや分析に裏打ちされた思考の道筋である。そのプロセスが客観的であればあるほど相手はその内容を認めざるを得ない。つまり「自分の考え」ではなく「客観的事実」に語らせる技術である。

2020年07月19日 13時14分16秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの永江 一石氏の『PCR陽性が爆増なのにどうして重症者が全く増えないのか、謎が解けた‼︎』と題した記事の転載であります。


『PCR陽性が爆増なのにどうして重症者が全く増えないのか、謎が解けた‼︎』
2020年07月17日 11:31
永江 一石

 わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では7月度の塾生を募集しています。
 コロナ禍の間、希望者は毎月30分。
 わたしと1:1でzoomでブレストができます。
 ひとりずつ丁寧にやってますよ。
 ※大きな仕事がふたつ終わりますので手が空きました。事業・集客コンサルやサイト構築のご依頼も絶賛受け付けております。




 感染拡大ダガーとマスコミや小池百合子は騒いでおりますが、グラフのようにいくらPCR陽性が増えても重症者は増えません。
 こちらに書いたように東京だって高齢の陽性の人はたくさんいます。


 ウイルスが弱毒化した?
 罹るべき人は罹っていまは自然免疫持ってる人ばかりだからと仮説は挙げましたが、このたびその理由がはっきりしました。
 しかも馬鹿みたいな理由でしたのでここで簡単にご説明申し上げます。
 この謎を解けたのはこれを読んだからです。

 先日、2週間経過したら重症者が増えてくるという中の人のクソ記事を掲載し、見事外れた東洋経済ですがこの記事は素晴らしい。
 高橋泰(たかはし・たい)/国際医療福祉大学教授(金沢大学医学部卒、東大病院研修医、東京大学大学院医学系研究科修了。
 東京大学医学博士(医療情報)。
 スタンフォード大学アジア太平洋研究所、ハーバード大学公衆衛生校に留学後、1997年から現職)が西浦モデルを切って捨て、最新のファクトで新しいシミュレーションを出されました。
 そもそも西浦モデルはファクトに全く基づかず、机上の空論だったわけですね。

  『発表されている数字はあくまでもPCR検査で判明した「PCR陽性者判明数」であり、正確には「感染者数」ではない。
   もちろん「発症者数」でもない。
   特に若年者の場合、PCR陽性者が発症する可能性は低く、多くが無症状・軽微な症状で治ってしまう。
   また「数十万人が死ぬ」といった予測は、新型コロナウイルスについての前提が間違っていると考えている』

 わわっ。言ってくれました。
 ヘルペスはこんな感じで大半の人が抗体を持ちます。


 40~50歳代でのHSV-1型中和抗体保有率は89~95%です。
 しかし抗体ができてもウイルスは体外へ排除されずウイルスと抗体が共存します。
 つまり体内にヘルペスウイルスはずっとあるわけです。
 これをヘルペスの患者というのかというと言いません。

 肺炎球菌はワクチンも抗生物質もあるのに年間10万人亡くなる肺炎の原因の1/3とされ、高齢者の致死率15%という怖い病気です。
 しかし1歳児の30-50%が肺炎球菌を鼻腔に保菌しており、保育施設に入園後1-2か月で保菌率は80%以上に上昇。
 成人の保菌率は3-5%程度。そして飛沫感染です。
 こちらも保菌していてもほとんどは発症しません。

 コロナのように「無症状が高齢者にうつすと危ないから家にいろ」だと、国民全員もっと危険な肺炎球菌のために永遠に家から出られませんし、孫には一生会えません。

 つまりPCR検査で体内にあるコロナの遺伝子を発見しただけで患者扱いすること自体が異様なのです。
 他の病気ではしませんよね。

 インフルエンザの無症状率は37.6%という調査データがあります。
 無症状というのはコロナだけではなくて普通なんです。
 子供が良くかかるパレコウイルスA3に至っては小児33%、成人75%が無症状なんですよ。

 そして高橋先生の緻密なシミュレーションでは

  『日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。
   われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ

 どんなに広がってもインフルエンザ程度!!!



 というシミュレーション結果で、非常に納得できるまず!
 現実に1000人死んでいないことからも整合性がある。

  なぜPCR陽性が爆増しているのに死者も重症者も増えないのか
 ここからが本題です。
 高橋先生は

  『まず、国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる。
   暴露率はいろいろやってみたが、30~45%が妥当だろう。
   そして、暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。
   すなわち自然免疫までで終了する』

 と、シミュレーションされています。
 大事なのは『暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む』ということ。

 4月まで、PCR検査を受けた人ってどんな人でしたか?
 そう「4日以上発熱が続いた人」ですよね。
 普通の風邪では4日も熱は続きません。
 つまり、いまのPCRの陽性者には検査時点で以前は含まれなかった98%の人が含まれているわけです。
 昨日の日本全体のPCR陽性は622人ですが、4月ならその2%しかいない可能性がある。
 つまり12人程度となります(実際にはもうちょっと多いはず。ここの計算は母数の詳細が分からないので仮です)。
 これを3月に当てはめますと
 3/1くらいになります。
 4月には1日12人なんてなかったし…


 3/1の重症者数23名!!
 おお。現実の数字と近づいてきた。
 繰り返すけど、いまのPCR検査対象には、4月前には検査対象にならなかった無症状や軽い風邪程度の人が大多数を占めている。


 陽性率についても、4月より下がって当たり前。
 だって4月には検査していなかった何の症状もない人が多く含まれてるんだもん。

 実は数日前に、通ってる内科でホスト風の男子が「今日、PCR受けに来たのね。クーポン持ってきた?」と看護士に言われていたのですが、アレって東京都が無料で受けられるように出してるんですかね?
 荒っぽすぎる試算ですが、PCR陽性が爆増しているのに重症が全く増えないのは、検査対象が違っているからということはおわかり頂けたと思います。

 そして感染拡大といってますが、ひょっとしたら拡大もしてない可能性さえある。
 4月にこのやり方で検査したら数千、数万単位の陽性が出たかもなということです。
 いずれにせよ、高橋先生の最新シミュレーションでは最悪でもインフルエンザ程度ということですので、インフルエンザの防衛程度の対応はしつつ、とっとと経済回しましょう。

                             転載終わり。


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人間は、真実を見なければならない。真実が人間を見ているからだ。

2020年07月19日 11時13分09秒 | その他の日記
 以下の文は、東洋経済オンラインの『新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ 高橋泰教授が「感染7段階モデル」で見える化』と題した記事の転載であります。



『新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ 高橋泰教授が「感染7段階モデル」で見える化』


 東京都を中心に新型コロナウイルスの検査で陽性と判明する人が増加している。
 東京都は15日、警戒レベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。
 ただ、無症状者や軽症者が多く、専門家の間でもレベルを引き上げるかどうかでは意見が割れたという。
 また、2月から現在までの5カ月余りの間に日本で新型コロナにより亡くなった人は1000人に及ばず、例年のインフルエンザ死亡の3分の1にとどまる。
 新型コロナウイルスの流行当初の予測や欧米の被害実態とも大きなギャップがある。
 国際医療福祉大学の高橋泰教授は、新型コロナの臨床に関わる論文から仮説を立て、公表データを使って「感染7段階モデル」を作成した。
 ファクト(事実)に基づくわかりやすいモデルで新型コロナの特性を説明し、適切な対策をとるための議論を活発化したいという。高橋教授に話を聞いた。


  新型コロナとインフルエンザには大きな違い
  ――足元では新型コロナウイルスの流行再拡大の不安が広がっています。10万人死ぬ、といった予測も流布していますが、先生はそうした見方を否定していますね。
  
 発表されている数字はあくまでもPCR検査で判明した「PCR陽性者判明数」であり、正確には「感染者数」ではない。
 もちろん「発症者数」でもない。
 特に若年者の場合、PCR陽性者が発症する可能性は低く、多くが無症状・軽微な症状で治ってしまう。
 また「数十万人が死ぬ」といった予測は、新型コロナウイルスについての前提が間違っていると考えている。

  ――ではその辺りの説明と、作成された新型コロナの「感染7段階モデル」の狙いを教えてください。

 新型コロナは、全国民の関心事ながら「木を見て森を見ず」の状態で全体像が見えてこない。
 そこで、ファクト(事実)を基に、全体像が見通せ、かつ数値化できるモデルを作ろうと思った。
 それが「感染7段階モデル」だ。
 新型コロナの感染ステージをStage0からStage6までの7段階に分けて、それぞれに至る確率やそれに関わる要因を見える化したものだ。
 新型コロナウイルスは、初期から中盤までは、暴露力(体内に入り込む力)は強いが、伝染力と毒性は弱く、かかっても多くの場合は無症状か風邪の症状程度で終わるおとなしいウイルスである。
 しかし、1万~2.5万人に1人程度という非常に低い確率ではあるが、サイトカイン・ストームや血栓形成という状況を引き起こし、肺を中心に多臓器の重篤な障害により、高齢者を中心に罹患者を死に至らせてしまう。
 このウイルスの性質の特徴は、自身が繁殖するために人体に発見されないように毒性が弱くなっていることだ。
 したがって、一定量増殖しないと人体の側に対抗するための抗体ができない。
 そしてまれに宿主となる人体の免疫を狂わせ殺してしまうこともある。
 日本も含めた各国でそれぞれ数十万人死亡するというような、当初流布された予想は大きく外れた。
 その原因はインフルエンザをベースとしたモデルを使っているためだと思われる。
 2つのウイルスには大きな違いがある。

  毒性が弱いので獲得免疫がなかなか立ち上がらない

 新型コロナはどうか。
 今年5月6日のJAMA Published online(The Journal of the American Medical Association、『アメリカ医師会雑誌』)に発表された「新型コロナの診断テストの解釈」という論文に、新型コロナは抗体の発動が非常に遅いことが報告された。
 私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」という仮説を立てた。
 こうした仮説で想定した状態が実際に存在するなら、この時期の人は無症状または風邪のような症状であり、自身が新型コロナに感染したという自覚がないうちに治ってしまう。
 もしこの時期にPCR検査を行えれば、新型コロナは体にいるのでPCR陽性となることもある。
 一方、まだ抗体はできていないので、抗体検査を行えば当然「陰性」となる。
 そして、その後、症状が進んで獲得免疫が発動しても新型コロナを抑え込めなかったごく一部の人でサイトカイン・ストームが起きてしまい、死に至ることもある。

  ――第2波が来たら日本は脆弱だという見方も根強くあります。

 抗体検査を行ったところ、ロンドンで16.7%、ニューヨークは12.3%、東京が0.1%だった。
 これをインフルエンザと同じような感染症モデルで考えると、東京では感染防止は完璧だったが、抗体を持つ人が少ないので、次に防御に失敗したら多くの死者が出る、という解釈になる。
 このような解釈には、強い疑義を持つ必要がある。
 日本は強力なロックダウンを実施しておらず、新型コロナに暴露した人が欧米より極端に少ないとは考えにくい。
 むしろ先に述べた「これまで多くの人が新型コロナにすでに感染しているが、自然免疫でほとんどの人が治っている」という仮説に立って、抗体ができる前に治っているので、抗体陽性者が少ないと考えるほうが自然であろう。
 この仮説を用いれば、無症状のPCR陽性者が数多く発生している現状の説明もできる。
 第2波が来ても、自然免疫の強さは日本人にとって強い助けとなり、再び欧米より被害が軽くなるという考え方が成り立つ。

  日本では暴露した人が多いが自然免疫で98%治癒
 
 ――「感染7段階モデル」により新型コロナの感染や症状に関わる要因を数値化してみたということですね。

 新型コロナの患者数を予測するために使えるデータが現状では非常に限られる。
 かかった人の重症化率や死亡率という最も基本的なデータすらない。
 新型コロナの全体像を把握するためには、全国の暴露者数を推計することが大切なので、①全国民1億2644万人、②年代別患者数の実数値、③抗体陽性率推計値(東京大学の推計と神戸市民病院の推計)を使って、パラメータである暴露率(新型コロナが体内に入る率)をいくつか設定し、動かしながら、実際の重症者や死亡者のデータに当てはまりのよいものを探るシミュレーションを行った。
 シミュレーションの結果の概略はこうだ。
 まず、国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる。
 暴露率はいろいろやってみたが、30~45%が妥当だろう。
 そして、暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。すなわち自然免疫までで終了する。
 獲得免疫が出動(抗体が陽性になる)するステージ3、ステージ4に至る人は暴露者の2%程度で、そのうち、サイトカイン・ストームが発生して重症化するステージ5に進む人は、20代では暴露した人10万人中5人、30~59歳では同1万人中3人、60~69歳では同1000人中1.5人、70歳以上では同1000人中3人程度ということになった。
 あくまでもデータが限られる中での大ざっぱなシミュレーションだが、今後、データがもっと明らかになれば精緻化できる。

  ――欧米との死者数の違いに大きな関心が寄せられています。
 日本の死者数が欧米の100分の1であることについて、以下のような3つの要因の差という仮説で試算を試みた。
 まず、第1に暴露率。
 日本の場合、重症化しやすい「高齢者の暴露率」が低かったのが効いたのではないか。
 例えば特別養護老人ホームではインフルエンザやノロウイルスの流行する季節は家族の面会も禁じている。
 これらウイルスに対する対策も取られている。
 高齢者の外出自粛など自発的な隔離も積極的に行われた。
 他方、海外では介護施設や老人ホームのクラスター化による死者数が多い。
 「高齢者の暴露率」は日本が10%、欧米が40%と設定してみた。

  自然免疫力のわずかな差が大きな違いを生む

 第2に、自然免疫力。自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高く、その結果「軽症以上の発症比率」が低くなるが、抗体陽性率も低くなる。
 自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。
 「(暴露した人の)軽症以上の発症比率」については、自然免疫力が標準分布と仮定し、シミュレーションの結果を当てはめると、自然免疫で処理できる率が日本人は98%で、対応できないのは2%ということになる。
 日本では、新型コロナにかかった人が次の人にうつしても、その大半が自然免疫で処理され、次の人への感染につながらない。
 すなわち新型コロナ感染のチェーンが切れやすい。
 よほど多くの人に暴露を行わないと、そこで感染が途切れる可能性が高い。
 一方、抗体陽性率から考えると欧米では自然免疫で対応できずしっかり発症する人が、日本よりもはるかに多いと考えられるので、「軽症以上の発症比率」を日本の5倍の10%と想定した。
 日本と欧米の自然免疫力の差をそれぞれ2%と20%と想定すると、両者の差はわずかに見えるかもしれないが、このわずかな差が欧米と日本の新型コロナ被害の大きな差を生んだ可能性が高い。
 欧米では感染後、しっかり発症して他の人にうつす、再生産確率が高いため、日本と比べて感染スピードが速く、かつ感染拡大のチェーンが途切れないということになる。
 第3は、「発症者死亡率」。
 日本は欧米に比べて低いと考えられる。
 その理由としては、欧米人に比べて血栓ができにくいことがある。
 サイトカイン・ストームが起きても、日本のほうが重症化する可能性が低いと考えられる。
 「発症者死亡率」は、日本では0~69歳で0.01%、70歳以上では40倍の0.4%だが、欧州は0~69歳で0.05%、70歳以上が2%とした。
 他の条件は変わらないという前提で、このような数字を設定すると、10万人当たり日本の死亡者は0.9人、ベルギーの死亡者は82人となり、現在の実態とほぼ一致する。「暴露率、軽症以上の発症比率、発症者死亡率の数字の設定はもちろん仮説的なものであり信頼性は低い。だが、全部の数字を掛けたり足したりして求められる日本の死亡率が、欧米の死亡率の100分の1になる必要があるので、3要因のいずれか、またはすべてにおいて、日本が欧米に大きく勝っていることは間違いない。

  死者は最大で3800人、検査ではなく重症化対策を
  ――緊急事態宣言の解除後は「感染者数」、正確には検査でPCR陽性とわかった人の数ですが、増えています。しかし、自然免疫で98%も治るとすれば、とるべき対策は違ってきます。
 PCR検査でどこから見ても元気な人を捕捉することには大きな問題があると考えている。
 PCR検査はコロナウイルスの遺伝子を探すものなので、体内に入って自然免疫で叩かれてしまい他の人にうつす危険性のないウイルスの死骸でも、陽性になってしまう。
 発症可能性がゼロに近い抗体陽性者でも、再度新型コロナウイルスが体内に入った時点で検査を行えば陽性になる。
 また、新型コロナウイルスにとって東京は人口密度が高く、そうした中でもいわゆる3密を形成するような、ウイルスが生き延びるための条件が揃う場所がある。
 だが、地方ではそうした場所ができにくい。
 98%自然免疫で処理されるので、人が密集していないと、次の人にうつしていくチェーンがすぐ途切れてしまうからだ。

  ――7月15日、東京都は警戒レベルを最高に引き上げました。しかし、怖くなってまた活動制限を行うことは適切ではないということですね。

 日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。
 われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ。
 一方、人口10万人に対して16人、全国で2万人強が自殺で亡くなっている。
 過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人になった。
 そうであれば、10万人対比で見て、新型コロナによって2人亡くなるのを防ぐために、景気悪化で8人の死者を増やすのかということになる。
 対策のメリットとデメリットのバランスを考えないといけないのではないか。
 また、ステイホームによって肥満の人が増えると、ACE2受容体が増加し、新型コロナの感染リスクも血栓形成のリスクも高まる。
 社会活動の停止で暴露率は下がっても、感染率や重症化率が上がる。
 そうしたバランスも考える必要があるだろう。

  ――年齢やリスクに応じた対策を打つべきだということになります。

 30歳未満では重症化リスクは限りなくゼロに近いのに、対面授業を行わないとかスポーツをさせないというのは誤った政策だと思う。
 対面での教育が行われず、オンライン教育のみにすることの弊害のほうがずっと大きい。
 平常に戻すべきだ。
 そして、そこで学生からPCR陽性者が出てもマスコミが騒がないことが重要だ。
 明らかな症状が複数の学生に現われる集団発生が起きてはじめて、報道を行い学級閉鎖を行えばいいのではないだろうか。
 30~59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。
 罹患した場合は症状に応じて自宅待機などを行い、集団発生すれば職場の閉鎖をすればよい。
 70歳以上の高齢者は流行している間は隔離的な生活を維持せざるをえないだろう。
 何度も言うが、感染リスクはある。
 しかし、2%未満の重症化リスクを減らせばいい。

  感染パターンを注視しつつ、社会活動は続けるべき

  ――すでに東京都の7月15日の会議では、PCR陽性で無症状や軽症の人を入院させているため病床が逼迫しつつあると報告されています。

 肺炎や呼吸困難といった兆候が認められなければ宿泊所、無症状・軽症なら自宅待機といった変更が必要だ。
 老齢者の施設等の対策に重点を置くべきだ。

  ――先ほどウイルスの性格が変わらなければという条件付きでお話しされました。そこはいかがでしょうか。

 第2波が来たと判断したら、最初にやるべきはPCR検査の拡大ではなく、ウイルスの遺伝子解析だ。
 従来と同じ型のものなのか、違うものが来たのかを判別することが重要だろう。
 感染者を捕まえて隔離することより、感染パターンを把握することが重要だ。
 感染力が上がったのか、毒性が強まって死亡率が上昇するのか。
 それに応じて対策も変わる。
 感染7段階モデルのようなものを作っておくと、そうした議論をすることが可能になる。

                                転載終わり。


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Grasp at the shadow, and lose the substance.

2020年07月19日 00時48分11秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの池田 信夫氏の『なぜ人々は新型コロナをインフルエンザ以上に恐れるのか』と題した記事の転載であります。



なぜ人々は新型コロナをインフルエンザ以上に恐れるのか
2020年04月13日 17:56
池田 信夫




 私は新型コロナの感染が日本で始まった1月下旬から、一貫して「コロナはインフルエンザ未満の風邪だ」といってきた。
 一時はたくさん罵詈雑言が飛んできたが、このところおとなしくなった。
 現実がわかってきたからだろう。

 4月12日現在の日本のコロナの患者数は4257名、死者は98名だが、今シーズンのインフル患者数は約700万人、死者は1000人を超えると推定されている。
 患者数はコロナの1600倍、死者は10倍である。
 次の図のようにインフル関連死を含む「超過死亡数」でみると、1998年には3万7000人が、昨シーズンは3000人がインフルで死んでいる。





 「ワクチンも特効薬もないから恐い」というのは錯覚である。
 ワクチンの受診率は25%ぐらいで、治療薬の効果は感染から2週間以内。
 インフルはワクチンがあってもコロナの10倍死ぬのだ。

   アメリカでもインフルでコロナの3倍死んでいる
 では人々は、なぜこれほどコロナを恐れ、政治家は緊急事態宣言を出すのだろうか。
 その簡単な説明はマスコミが騒ぐからだが、今回は世界各地で流行し、WHOが「パンデミック」と宣言した影響が大きい。
 最悪の流行が続いているアメリカでは、これまで56万人が感染して2万2000人が死んだ。
 これをインフルエンザと比べてみよう。

 この表はCDCが今シーズンのアメリカのインフル被害をまとめたものだが、患者は3900~5600万人、そのうち死者は2万4000~6万2000人。
 最大値をとるとインフル患者はコロナの100倍、死者は3倍である。
 ただCDCはコロナの死者を20万人と推定しているので、死者はインフルを超えるかもしれない。
 ヨーロッパでも状況は同様で、国によって差があるが、最悪のイタリアでも、図のように今シーズンはコロナが増えた分だけインフルが減り、65歳以上の死亡率は下がった。
 これも今後増えるだろうが、空前の大災害というわけではない。




 では「東京は2週間前のNYと同じで、これから感染爆発が起こる」という話は本当だろうか。
 次の図のように日本の新規死者数の増加率は、ほぼ一次関数だ。
 これに「これから東京でオーバーシュートが起こって新規感染者が30日で30倍になる」という西浦博氏のモデルを(死者数に換算して)接ぎ木すると、こんな感じだ。



               世界の新規死者数(Economist)を加工

 欧米で死者数がピークアウトし始めているとき、日本だけ突然カーブが上方屈折して、指数関数(図は対数グラフなので直線)で増えることはありえない。
 経済学でこんな景気予測をやったら、頭がおかしいと思われるレベルである。

    恐れるべきものは恐怖だけ
 要するにコロナは、大型のインフルが一冬に二度来たようなもので、それほど驚くべき現象ではない。
 特に日本では、インフルより大きな被害をもたらすことは考えられない。
 その原因が東アジアの風土によるものか、BCG接種による自然免疫かについては研究が必要だ。

 私は「コロナはインフルと同じだから何もしなくていい」といっているのではない。
 逆である。
 感染症は人類の脅威であり、インフルは先進国でも毎年大きな犠牲をもたらしているのに、コロナだけに大騒ぎするのがおかしいのだ。
 インフルにはワクチンも治療薬もあるのに、予防接種には健康保険もきかない。
 インフル予防接種を無料にするコストは、今回のコロナ対策にかける莫大なコストの1万分の1にもならない。
 こういうパンデミックは今後も増えるだろう。
 それはグローバル化の副産物であり、接触を避ける必要はない。
 感染症対策を整えればいいのだ。

 ルーズベルトがいったように、戦いにおいて恐れるべきなのは、恐怖そのものだけである。
 単なる風邪にマスコミが恐怖をあおり、国民がそれに過剰反応して経済が崩壊する被害は、感染のコストよりはるかに大きい。

                               転載終わり。


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我々が恐れなければならない唯一のものは、恐怖そのものである。

2020年07月19日 00時46分31秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの永江 一石氏の『欧米のコロナは完全に終息モード。もちろん日本もね。』と題した記事の転載であります。





『欧米のコロナは完全に終息モード。もちろん日本もね。』
2020年07月06日 06:00
永江 一石



 わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では7月度の塾生を募集しています。
 コロナ禍の間、希望者は毎月30分。
 わたしと1:1でzoomでブレストができます。
 ひとりずつ丁寧にやってますよ。
 ※大きな仕事がふたつ終わりますので手が空きました。事業・集客コンサルやサイト構築のご依頼も絶賛受け付けております。

 日本では東京で1日100人の感染者が発見されていますが、実に奇妙な現象が起きています。
 東京の重症者の推移はこれ


 重症者が激減してたったの9人!!!
 ピーク時には100人をかなり超えていたのにいまやたったの9人です。

 若者中心に感染が広がっているのが東京ですが、実は全国でも



 重症者はピーク時の1/10で減少中。
 コロナ脳の皆さんの中には以前あれほど「コロナが恐ろしいのは罹患してすぐに重症化することだ」と叫んでいたのにいまや「時差があるから数週間後に重症化する」とか騒いでいます。
 が、すでに東京の感染者が増加してから20日も経つのに東京の重症者は激減しているのです。




 いくらなんでもおかしいでしょ?

 1 ウイルスが突然変異して弱毒化した?
 2 すでに重症化する要素のある人たちは罹患済みで、残っている自然抗体のある人たちがウイルスを大量に浴びた時にしか感染していないから?
 ※免疫学の権威、阪大の宮坂先生がFacebookで公開されていた抗体の定義です。要するに全体の6割が感染して免疫を持たないとダメというのは古い考え方。



 3 治療法がある程度確立されてきたから?
 4 単に検査件数を増やしたから?
 などなど、いろいろな見方ができるわけです。
 ちなみにわたしは2ではないかと思ってます。

 同じような国がたくさんあります。
 まずはスウェーデン



 感染者数はいまだ増え続けているのに



 死者数は激減しています。
 ICUも空いている模様です。参考サイト
 ちなみに6月のスウェーデンの抗体保有率は政府発表では、首都ストックホルムの抗体保有率は7.3%。
 希望者を対象にした民間の検査でも14%しかない。

 実はアメリカも、ニュースは感染者がどんどん増えているしか報じないのですが




 死者は激減中です。
 6月のニューヨークの抗体保有率は12.3%。



 6割の国民が罹患して抗体を持たないと感染は止まらないという西浦先生をはじめとする古い考え方は完全に否定されたということになり、宮坂先生のおっしゃる「自然免疫とT細胞による免疫とB細胞による免疫の総合で集団免疫が生成される」ということでないと話が合いません。

 7/3のBBCニュースでもこれが報じられていました。
 そうでもなければ免疫保有率が10%もいっていないのに死者数が激減するわけがない。

 日本や東アジアではこの免疫の総合が欧米に比べて大きいということであれば話はすんなり通ります。
 ただし、インドやインドネシア、ブラジルのように人口が多く国土が非常に広くて未開の地があるようなところではまだまだ感染者数と死者数が増え続けています。

  コロナが猛威を振るった国はどうなっているか
 全然マスコミは報じないのですが見たら驚きます。
 まずはイタリア



 感染者数激減。
 そして



 死者も激減。

 ちなみにイタリアの抗体保有率はもっとも蔓延したベルガモでは62%ですが、他では30%程度。

 スペインも同様に



 感染者激減



 死者も激減してます。
 抗体は5/14に5%でした。

 イギリスも同様で



 感染者数激減。

 死者も



 激減。

 5月の調査で抗体はロンドンで17%。ほかの地域で5%。

 要するになにがいいたいかというと、世界中で「6割の人が抗体を持たないと感染は止まらないというのは間違いだった」という事が証明されているということ。
 この古い考え方ではなく、新しい集団免疫の考え方であれば、欧米でもコロナの流行は完全に終息に向かっていると考えて良く、日本も当然ながら揺り返しや大声を上げてのホストクラブでの大量のウイルスの曝露で感染は多少増えても、院内感染や持病持ちの高齢者でも無い限り、今後は重症者からの死者の増加もほぼないと考える。

 科学的思考とは事例から法則性を見いだすことである。
 現在の法則性は
 東アジアよりずっと被害が大きかった欧米でも終息
 感染者数が増えても死者数は激減
 の基調が多く見受けられ、日本もこの法則性にのっとるものと考える方が自然だからだ。

 ちなみに日本の死者も



 このように絶賛減少しております。

 いくら感染者が増えたって重症者や死者が増えなければたいしたことない病気なのです。
                               転載終わり。



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如何に世間が判断を誤りやすいとはいえ、偽の偉さを厚遇する例の多さは、真の偉さを冷遇する場合を、さらに上回るものがある。

2020年07月18日 16時07分42秒 | その他の日記
 以下の文は、ダイヤモンド・オンラインの『ワイドショー賑わす「芸人枠の医者」に現場は大迷惑!【医師覆面座談会】』と題した記事の転載であります。




『ワイドショー賑わす「芸人枠の医者」に現場は大迷惑!【医師覆面座談会】』

 日本中が新型コロナウイルスに翻弄された時期に実はガラガラだった病院や診療所、ユーチューブやワイドショーを賑わす“コロナ芸人”の医者たちの正体、医師免許を取ったときには想像もしていなかった“失職危機”――。
 特集『コロナで激変!医師・最新序列』(全12回)の#7では、ツイッター医師たちが、一般メディアでは決して報道されない本音と医者という職業の行く末を、身内への忖度なしに語り尽くす。(聞き手/ダイヤモンド編集部 野村聖子)


 不要不急の受診減にあえいだ数カ月、コロナバブルに群がる“芸人枠”の医者は黙ってろ!
――コロナの業務への影響はいかがでしたか。
D 2月から3月上旬はコロナ関連業務の医師が、バイト先病院に来ないで欲しいと言われた案件の代打等で忙しかったんですけどね。
  東京からの医師派遣はお断りだけど、埼玉の医師はOKとか(笑)。
  3月下旬には仕事は減りはじめて、更に株で失敗した先生が死に物狂いで案件を奪いあうようになって、4、5月は悲惨。
  そのかわり執筆業の仕事はバブルでした。
C 僕もD先生と同じフリーランスで、週4回、それぞれ違う職場で読影(レントゲンやCTなどの画像診断)の仕事をしています。
  3月くらいから株価が下がって慌ててはいたんですが(笑)直接仕事に影響してきたのは4月から。
  緊急事態宣言でまず一つの職場が一時的に閉鎖、別の職場は常勤だけで回せるようになり、非常勤が全員切られ、週4日のうち2日、仕事が無くなっちゃいました。
D コロナの画像って見ました?
C 週2で行ってる総合病院がコロナ受け入れ病院なので、緊急事態宣言後にちょくちょくコロナのCTが出てきてました。
  正式な名称ではありませんが「マリモサイン」という初期のコロナ肺炎に特徴的な所見が見られることがあって、ツイッターでは話題なんですよ。
  普通の肺炎ではあまり見られない所見です。
  その病院は奇跡的に非常勤切りがなかったですけど、本当に暇で。
  出勤しても1日半分も働いてないような状況が続いてました。
D 我々フリーランスは雇用の調整弁ですからね。
  C先生は不動産賃貸経営もしてるけどそっちは?
C 4月から賃料減免要請が来た上に、貸してるテナントが休業要請で休んだり、2部屋が退去になったりで、こっちも結構痛いです。
B 僕は開業してちょうど10年。
  耳鼻科って、毎年3月が突出して患者数が多い月なんですね。
  4月5月6月で減って、9月が底で、冬にかけてまた増えていく。
  その差が倍以上あるくらい季節変動のある科なんですけど、その3月にコロナ騒ぎが(笑)。
  うちはまだ10年目なのでまだ耐えられる体力もあるんですけど、開業して1、2年のときにこれがきたら、ちょっと死活問題なんじゃないかと思います。
A 僕のところは大学病院なので、もともと不要不急の受診は勧めないということで、コロナの時期は患者さんに電話再診を促して、待合室の混雑を防がなければいけないという風に動きました。
  結果、病院としては明らかに減収になったと思われます。
  幸いそれが直ちに減俸にはならないですけど、病院以外に診療に行っている外勤先から「来るな」と言われたというのはありましたね。
D 防護服ってどうでした?開業医にも回ってくるものですか。
B それが、全然回ってこなくて。
  医師会から透明のカッパやら、ゴーグルも見たことないふにゃふにゃの、どこ製のかも分からないものが(笑)4月の終わり頃にやっと送られてきました。
A 2011年の東日本大震災の時も思ったけど、厚生労働省って現場への物品配給について一切責任を持ってない。
  大学病院でさえ配慮されないし、今回もまざまざとそれを感じましたよね。
B 普段マスクは卸業者から買うんですけど、テレビが本格的にマスク不足を報道する前、3月初めの時点で、卸業者に「マスクはもう卸せません」と言われて。
  それで速攻アマゾンで見たら、すでに値段が上がってましたけど、仕方なくまとめて買いました。
  周りの開業の先生も、みんな自分たちで何とか調達していましたね。
D 私も病院に防護具がなくて、ワークマンに自分で買いに行ったのもその頃ですね。
  今にして見ると、物の不足具合って株価と連動してるなと思う。
  株といえばC先生、その頃底値買いした?
C 結構買っちゃいました(笑)。

 承認欲求をこじらせたユーチューバーや、自称“専門家”に現場は大迷惑
D そういえばA先生、ダイヤモンド・プリンセス号(以下、ダイプリ)に関して物申したいことがあるとか?
A “例”の先生のことですか(笑)。
  「何してくれてんの」って感じですね。
  いろんな国に対応を断られていたのを日本が引き受けて横浜に停泊させたにもかかわらず、世界中からボロクソに言われた。
  その日本の国益を損なうきっかけになったのが例の先生の誤認を含んだ英語のユーチューブ。
  結局削除したけど訂正はしなかった。
D なまじ英語ができる人は困りますよね。
C あの先生って、昔からああいう感じなんですか?
  僕は、今回の騒動までよく知らなかったんですけど。
B 僕の後輩が例の先生の下で働いていたことがあったんですけど、もう先生たちもご存じの通り、“研修医のカリスマ”。
  全国から若い研修医が、信者のごとく先生のところに集まってきていた感じでしたね。
D 私、あの先生と米国に留学してた時期が近いんですけど、当時、米国留学帰りの内科の医者ってパッとしない人が多かった中、教授になって、当時方々でスター扱いでしたよね。
  なのに、今回スターが10年たって諸行無常、みたいな。
A まさに“希望の星”でしたよね。
B ただ、スタンドプレーが過ぎるというか。
  感染症内科って、いろんな診療科に感染制御のコンサルティングに行くわけですけど、今までの現場のやり方をまずバッサリ斬って、他の科の先生方に嫌な顔されるという(笑)。
  それであちこちで衝突して、というのは有名な話です。
  日本の感染症分野の第一人者であることは誰もが認めるところなんですけどね。
D 今回も、ヒーローになろうとして、盛大にコケたって感じでしたね。
A ああいう性格なのは、感染症かいわいでは周知の事実なので、厚生労働省が招集したダイプリの班にも入れてもらえなかったわけで。
B あの件、実は他の先生たちが忖度して言えなかった検疫上の問題点を、例の先生を船内に入れたら、ユーチューブで告発みたいなことを必ずやると、みんな分かっていて逆に利用したんじゃないか、みたいなうわさも耳にしましたけどね。
  あちこち空気読まずに指導しだして、現場が変な空気になるのは、みんな絶対分かっていたはずですしね。
D “希望の星”といえば、今回(元WHO<世界保健機関>西太平洋地域事務局長で政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長の)尾身(茂)先生と、国会に招致されて並んで答弁しちゃった先生の話もします?
A あれはひどかった。
  ダイヤモンドさんにお聞きしたいんですけど、ああいう人ってやっぱりメディア的に便利なんですか? 
D あの先生も、福島県の大野病院事件で、産婦人科の医師が逮捕されたときは、医療側をまとめてマスコミと戦うリーダー、まさに“希望の星”だったんですけどね。
A そうそう。
D 16年に東北医科薬科大学に医学部が新設されるときに、対抗筋を応援していたようだけど、あれがコケちゃってからおかしくなったのかなあ。
A かつて血液内科で辣腕を振るっておられて、医局という制度を嫌って大学を離れたのに、結局は巡り巡って自分の派閥というか、医局まがいのものをつくってしまったという。
  すごく頭のいい人なんですけど、いわゆる承認欲求をこじらせて、とにかく全ての主張の軸が「厚労省憎し、医系技官憎し」。
  確かに、この文脈でなされる主張の中には一部正しいこともあるけど、今回のコロナ危機では、もう厚労省憎しが前面に出過ぎて、言ってることが科学的にメチャクチャ。
  これをワイドショーをはじめとするメディアが取り上げまくって、最前線の先生方がどれだけ迷惑したか。
D 国会まで行きましたからね。
  途中からテレビに登場し始めた、「WHOの方から来た」産婦人科医?ともツーカーの仲でしょ。
  しかも、2人とも東大出身。
  A先生、先輩じゃないですか(笑)。
B あの“WHO”の人、4月から突如スターとして躍り出ましたよね(笑)。
A 恥ずかしいですね。
  “WHO”の人なんて、経歴詐称ギリギリでしょ。
  本当に、ああいう人たちは、大義があるように見せて、実のところはゆがんだ承認欲求を満たしたいだけ。
  がん領域にも超有名な先生がおられますけど、承認欲求をこじらせた元エリート医師が及ぼす害悪というのは、厄介なものです。
D 今回のコロナは、東大“人材豊富”でしたよね。
  ダイバーシティをアピールしたというか。
A “みんな違ってみんなダメ”でしたね。
  本当にメディアの皆さんには“芸人枠”の医者を使わないよう、くれぐれもお願いします。


                               転載終わり。


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人々はお金で貴いものは買えないという。そういう決まり文句こそ貧乏を経験したことのない何よりの証拠だ。

2020年07月17日 12時20分08秒 | その他の日記
 以下の文は、現代ビジネスの磯山 友幸氏の『サラリーマンを待ち受ける絶望…正社員を「秋の大リストラ」が襲う? 新型コロナで雇用情勢が激変』と題した記事の転載であります。

『サラリーマンを待ち受ける絶望…正社員を「秋の大リストラ」が襲う? 新型コロナで雇用情勢が激変』
磯山 友幸 経済ジャーナリスト
2020.7.02


 オイルショック以来の求人減
 新型コロナウイルスの蔓延による経済収縮が労働市場を揺さぶっている。
 仕事を求めている人1人に対して企業などから何人の求人があったかを示す「有効求人倍率」は、5月は1.20倍と4月の1.32倍から急落した。
 倍率で0.12の下落は、オイルショック後の1974年1月に記録した0.20の下落以来46年4カ月ぶりの下げ幅となった。
 2月の1.45倍、3月の1.39倍から大幅な下落が続いており、「人手不足による求人難」から一気に「求職難」へと状況が一変し始めている。

 一方、総務省が6月30日に発表した5月の労働力調査によると、就業者数、雇用者数とも、88カ月ぶりにマイナスとなった4月に続いて2カ月連続の減少となった。
 この結果、完全失業率も2.9%に0.3ポイント上昇、3年ぶりの高水準となった。
 それでも雇用者の減少率は前年同月比1.2%の減少にとどまっている。
 特に正規の職員・従業員の場合、3534万人と昨年に比べてわずか1万人減っているだけで、ほぼ横ばいと言える。

 日本は健闘している方だが
 米国では3月中旬から5月末までの失業保険の新規申請件数が4000万件を突破、労働人口と単純比較すると4人に1人が失業した計算になる。
 それに比べれば、日本はほとんど失業者を出していないに等しい。
 政府が雇用調整助成金の支給対象を大幅に広げたり、保障額を大幅に引き上げた事で、大手企業を中心に雇用には手を付けず、社員を抱え続ける決断をしたことが大きいとみられる。
 パートやアルバイトについても、休業補償をした事業者には補填をする制度拡充が行われた結果、大手企業を中心にパートなどもクビにせずに雇用を維持したところもある。
 日本企業はもともと内部留保が多く、手元資金も潤沢なため、結果的にこれが奏功して、従業員の雇用を守り続けることができたと、とりあえずは言って良さそうだ。
 もちろん、労働力調査でも、パートなどの「非正規雇用」は1年前に比べて2.9%、61万人も減少しており、女性パートを中心にした雇い止めなどが広がっていることを統計数字は示している。
 「外食チェーンを解雇された」といった女性パートや、「シフトがなくなって収入が途絶えた」という学生バイトも少なくない。
 だがそれでも、本格的な雇用調整は起きていないというのが現状だろう。

 正念場は6月以降に
 では、このまま、雇用情勢は回復に向かうのだろうか。
 4月、5月は政府や自治体の休業補償などもあって、従業員を「休業」させたところも多い。
 休ませることで雇用調整助成金などが入るので、企業にとってはダメージが少なかったわけだ。
 問題は営業が再開された6月以降。
 飲食店や小売店がお店を開ければ、当然、人件費はかかるし、店舗の家賃も光熱費もかかる。
 そうした営業経費を賄えるだけの売り上げが確保できれば良いのだが、なかなか経済はV字回復とはなっていない。
 つまり、政府が人件費や家賃などの面倒を見てくれなくなる6月以降が、経営者にとっては正念場なのだ。
 新型コロナの蔓延が収まらない中で、「密」を避けるために客席の数を減らしたり、入店客数を制限すれば、当然売り上げは元には戻らない。
 旅館やホテルなどでも同様だ。
 そうなると、売り上げや客の数に合わせて従業員を削減しなければならなくなる。
 ある温泉地のホテル経営者は、「営業は再開したが、お客様の数が元に戻るには数年はかかる。残念ながら高齢な社員やパートさんには退職してもらうしかない」と話す。
 そうした人員整理が始まるのは、むしろこれから、というわけだ。

 秋には正規社員のリストラも
 中堅大手の上場企業も、ほとんど雇用には手を付けていない。
 だが、売上高が大幅に激減している中で、今年度は赤字に転落する企業が少なくない。
 それが誰の目にも明らかになってくるのは9月中間決算が発表される10月から11月にかけて。
 今は今年度の業績予想を「算定不能」として公表していないところが多いが、秋になれば今年度の業績の深刻さが明らかになる。
 そんな中で、年末のボーナスを支給できるのか。
 あるいは雇用に手を付けずに踏ん張ることができるのか。
 当然、年末のボーナスが減れば、消費にも大きく響き、再び小売業などの業績悪化に結びつく。
 景気悪化のスパイラルが始まる可能性もある。
 そうなれば世の中で再び「リストラ」という言葉が口の端にのぼることになるだろう。

 好転の要素は見当たらず
 海外からやってくる訪日外国人旅行客の回復も見込めない。
 インバウンド消費に依存していた観光関連産業の苦境はそう簡単には収まらない。
 国境を超えた人の動きがままならないことで、日本と海外の間の貿易量も大幅に減少している。
 輸出入関連の企業などもボディーブローのように響いてくるに違いない。
 外出自粛によるテレワークの急激な普及などで、通信・電子機器やソフトウエア、宅配会社など需要が盛り上がっている企業もある。
 だが、消費全体が落ち込んでしまえば、こうした企業の売り上げ増は一時的な「特需」で終わってしまうことになりかねない。
 経済活動の停滞が続いて儲かる産業や企業などほとんどないのだ。
 新型コロナ感染症は高齢者や持病を持つ人など「弱者」に襲いかかっている。
 経済的にも非正規労働者など不安定な弱い立場の人たちに真っ先にしわ寄せが言った。
 今後、突然、新型コロナが消滅でもしない限り、リストラの波は高齢者や女性のパート・アルバイトなどから正規雇用の人たちへと影響が広がっていくことになりそうだ。
                                転載終わり。


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命は心を運び、伝えるものだ。自分からふれ合おうとしなければ、何も生まれない。

2020年07月16日 20時25分19秒 | その他の日記
 新しい生活様式とは突き詰めれば穢れの無い世界ということです。
 そして穢れの無い世界とは穢れを許さない世界ということです。
 素晴らしい。
 医療による穢れを許さない全体主義の完成ということですね。
 伊藤計劃が幻視したハーモニー<harmony/>の世界が到来するということですね。
 あの恐ろしい全てが平等で一切のプライバシーが存在しない究極の全体主義の世界が到来するということですね。
 そして肉体的接触を全否定し、人前で感情を顕にすることを否定し、他者と親密になることを否定するということですね。
 素晴らしい。
 人が人であるということを否定するということですね。
 そしてみんなで部屋の中に閉じ籠るということですね。
 素晴らしい。
 誰とも会わずに部屋の中に閉じ籠り、人と接触せずに暮らせる社会を作るということですね。
 素晴らしい。
 みんなでバーチャルな世界に移行するということです。
 素晴らしい。
 新たな次元へと人が進化するということですね。
 でも、それは人が人であることを否定するということです。
 人の肉体というものを完全に否定するということです。
 そして、新たな次元に進化出来ない者はどうなるのでしょう? 
 置いてけぼりってことですよね? 

 選ばれたものによる人の選別の社会の到来です。
 素晴らしい。
 命を守る為には異論は許さない。
 言論の自由も思想の自由も命を守る為ならば無に等しい。
 言論や思想の統制も可能になります。
 素晴らしい。
 多くの人達が否定していたありとあらゆるものが、COVID-19によって実現するということです。

 さあ。みんなで引き籠りましょう。
 そこには煩わしい他人は存在しません。
 TVや新聞や雑誌などバーチャルなものは私達に恐怖と夢を与えて現実を忘れさせてくれます。
 閉じ籠っていれば外の世界で味わう穢れを遮断できます。
 多くの災いや悩みを遮断できます。
 さあ。みんなで閉じ籠って誰とも会わずに生活できる社会を作りましょう。
 みんなで閉じ籠って甘い甘い夢の世界に浸りましょう。
 みんなでバーチャルな世界へ移行するのです。



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目を閉じて触れてみる。この手、この腕、これが僕だ。見ようとしなければ、僕は本物の僕自身に触れることが出来るだろう。そしてその手応えが、何よりも生きてるってことの証になってくれるのさ。

2020年07月16日 13時15分06秒 | その他の日記
 状況が変わり前提が一変しているにもかかわらず、同じプログラムを走らせようとするのならば、結果を見るしかないですね。
 同じプログラムを走らせろと主張する人達は、同じプログラムを走らせたなら大ダメージを受ける人が無数に出てくる可能性を全く理解しようとしないし大ダメージを受けるであろう人達を見ようとしていない。
 見捨てられる人が大勢出てくる。
 でも、仕方ないじゃん。
 怖い怖いと煽っている人があまりにも多くて怖い怖いと怯えている人があまりにも多いもの。
 この流れを押しとどめることは出来ない。

 みんなで貧乏になりましょう。ということですよ。
 みんなで極貧になりましょう。ということです。
 極一部の人が望んでいた世界に突入しましょう。ということです。
 そして人は動物の部分を捨て去りましょう。ということです。
 欲しいものが手に入らなくなったとしてもそれは仕方のないことです。
 したいことが出来なくなったとしてもそれは仕方のないことです。
 大勢の人が怖がっているのだから仕方がない。
 全ての欲望を捨て去りましょう。
 みんなで閉じ籠りましょう。
 閉じ籠って動物の部分を捨て去りましょう。
 バーチャルな世界で生きましょう。

 でも、その先を考えていた方がよいですよ。
 新しい生活様式のその先に何が存在するのか? そのことはきちんと考えていた方がよいですよ。
 人が動物の部分を極限まで捨て去った世界とはどのような世界なのか? その事は考えていた方がよいですよ。
 
 生き残りを賭けた判断というのならば、判断のその先にある危険も考慮すべきです。


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