狐の日記帳

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『燃えよ剣』/司馬遼太郎

2019年12月10日 22時53分22秒 | 小説・本に関する日記



 昨日の夜は司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』を読み返しておりました。

 司馬遼太郎先生の小説や山岡荘八先生の小説や吉川英治先生の小説は幼い頃に読みまくって影響を受けすぎて、思考が硬直化しそうな気がして「このままではいかん!」と暫らく読まずに封印していた時期がありました。
 最近、久々に司馬遼太郎先生や山岡荘八先生や吉川英治先生の物語を読んだりしています。
 ようやく司馬遼太郎先生や山岡荘八先生や吉川英治先生の物語を純粋に楽しめるようになった……のかもしんない?
 でも、読む前に気合は入れました
 そうしないと司馬遼太郎先生の世界観に飲み込まれそうで怖い。



 『燃えよ剣』は、新選組副長土方歳三を主人公にした物語。
 格調高い文章。う、美しい。

 新撰組は結成当初の目的から隊の存在意義が二転三転するし、隊の存続が第一義で主導権を巡って内ゲバを繰り返すので、新撰組の物語を読むと「仲間内で殺し合いをしている場合か。こら~」って気分になります。
 事実だけを抜き出すと、随分と酷い。
 でも『燃えよ剣』ではぐいぐいとその物語に引き込まれてしまう。
 す、凄いっす。

 でも私はしぶとい人間のほうが好きだな、と思ったりします。
 滅びの美学の話は物語としては面白いけど、でも私はずるくしぶとくでも人には迷惑をかけずに生き延びる人のお話のほうが好きです。
 燃え尽きちゃったらその後は何も出来なくなるではないかと思ったりします。
 でもそれは私の趣味の問題か……。


 私のようなものが書くまでもなく、文句なく面白いです。
 お勧めでありますよ。



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