昨日の夜は、夢枕 獏(編集)の詩集『蒼黒いけもの 岩村賢治詩集』を読み返していました。
岩村賢治の名前で出版された夢枕獏の詩集です。
自分の心の中の醜い部分や汚い部分や浅ましい部分を直視してそれでもなお肯定する……。
切なかったり荒々しかったり悲しくてやりきれなかったり能天気であったり……。
言葉は、情報の核となる部分を抽出してそれ以外を切り捨てるという方法で他者とコミュニケーションをとるという手段なのですが、その切り捨てられた情報を拾い上げる試みが芸術活動であったり創作活動であったりするのでしょう。
一言では言い表せないものを何とかして表現する。それはとても難しいことではあるのです。
人間は動物であって、獣の部分を持っています。
その獣の部分を飼いならして制御することは必要ですが、獣の部分を取り除くことは出来ません。
もし出来たとしても、獣の部分を失った者は聖人君子なのかもしれませんが人とは呼べなくなる可能性があります。
人の内に居る獣を見詰めよ。そう語りかけているかのような詩集でありました。
面白かったですよ。
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