昨日の夜は、映画『乱』のDVDを観ていました。
戦国時代。
一文字秀虎は隣国の領主を招いた巻狩りの場で突然家督を嫡男に譲ることを表明する。
彼には三人の息子がいて、長男と次男は父親を立てながらも父親の言うことに従う。
しかし、三男の三郎は秀虎の意見に反対して秀虎の怒りを買う。
三郎と三郎を庇った重臣の平山丹後は追放されて秀虎のもとを去る。
三郎は隣国の領主である藤巻のもとに身を寄せ、平山は浪人の身で国に残り秀虎の身を案じる。
楽隠居を決め込むつもりであった秀虎だったのだが……。
監督は、黒澤明。
出演者は、仲代達矢、寺尾聰、根津甚八隆大介、原田美枝子、宮崎美子、野村武司、井川比佐志、ピーター、油井昌由樹、伊藤敏八、児玉謙次、加藤和夫、松井範雄、加藤武、田崎潤、植木等、加藤精三、南條玲子、東郷晴子、音羽久米子、頭師孝雄、頭師佳孝、天田益男、木村栄、山田明郷、須藤正裕、渡辺哲、高橋利道、他。
シェイクスピアの悲劇『リア王』を下敷きにした時代劇です。
小津安二郎が「リア王」を撮ると『東京物語』になって、黒澤明が「リア王」を撮ると『乱』になる。面白いです。
シェイクスピアの『リア王』は読む度にいつも「本当にこの物語は悲劇として書かれたのだろうか?」と悩んでどう解釈していいのか悶々としてしまいます。
でも『乱』だと確かに悲劇ですね。
でもって、秀虎=黒澤明監督なのかしらん?
お話も凄くて迫力があるのですが、画が凄い。
こんな画が撮れるんだ。と驚きます。
この画を撮ることができる場所を探すだけでも大変だと思いますよ。
さらに衣装などで色彩を意味を入れて乗せて撮ってる。
汚いところは汚く綺麗なところは綺麗。
当たり前のことなのではあるけど、この部分が万事徹底されている。この徹底さに吃驚。
完璧主義者が完璧を目指して映画を撮るとここまで凄味が出るのかぁ……。
何度も観た作品なのですが、昨夜はかぶりついて夢中で観ていました。
面白いですよ。
お勧めなのです。
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