今回の記事は、今まで私が読んだ愛すべき莫迦小説の中で特に印象に残っている莫迦小説を紹介してみようという趣向でございます。
因みに莫迦小説とは、私が抱腹絶倒し大爆笑した小説のことを私が勝手に莫迦小説と呼んでいるだけで侮蔑の意味はありません。褒め言葉として使っております。
最初にご紹介するのは、エロ神様で莫迦小説の神様で私の心の師、森奈津子先生の短編小説『哀愁の女主人、情熱の女奴隷』であります。
こんな小説があってよいのだ。と私の常識を一変させた怪作にして超傑作の短編。
丁寧で上品な表現でエロくて下品でぶっ飛んだお話となっていて大爆笑できる小説でありますよ。
次にご紹介するのは、奇才・森見登美彦先生の『恋文の技術』でございます。
書簡体小説で主人公の守田一郎が友人・知人・妹達に出した手紙で構成されています。格調高い文章で阿呆な青年を表現していて面白いです。
無駄にプライドが高くて小狡くて器が小さくてスケベで負けず嫌いででも真面目で純朴で意外と優しい主人公が自分をよく見せようと頑張っている文章の可笑しさを醸し出していて読んでいて笑ってしまいます。
次に紹介するのは、天才・筒井康隆先生の『朝のガスパール』です。
新聞掲載で書かれた作品で読者からの要望に応えて物語が進むという読者参加型のメタ・フィクション。
読者の反応を読み切った筒井康隆先生が繰り出す怒涛の展開は大爆笑でありました。
次に紹介するのは、おかもと(仮)先生の短編小説『空想少女は悶絶中』と『空想少女は潜伏中 腐れ維新』です。
ちょっとしたことを大仰に表現して緊迫感を生み出して笑いを生み出しています。
乙女達が大暴走。
言葉の選び方がとても面白い作品でありますよ。
次に紹介するのは、夢枕 獏先生の小説『わたくし未婚の地の文でございます』です。
文学のパロディ小説です。
語り部の主人公がどうなっちゃうんだろ? と、はらはらどきどきなお話なのです。
転落していくお話なのですがとても面白いのです。
次に紹介するのは、大原まり子先生の『処女少女マンガ家の念力』です。
少女マンガ家とその妹と妹の恋人や少女漫画家の飼い猫や編集者などが繰り広げるハチャメチャな日常のエンターテイメント連作コメディ短編小説集です。
ライトでポップでぶっ飛んでいます。
世界はこんなに楽しい! と、思わせる楽しい小説です。
次に紹介するのは、万城目学先生の『プリンセス・トヨトミ』です。
万城目学先生といえば法螺話。『プリンセス・トヨトミ』はおそらく万城目学先生の作品の中で一番大きな法螺を吹いている作品です。
大笑いするというより法螺を楽しむお話。
万城目学先生の法螺の吹き方はとても面白いです。
次に紹介するのは、森 博嗣先生の『どきどきフェノメノン A phenomenon among students』です。
森博嗣先生といえば冷徹な論理のミステリーで有名ですが、ロミ・品川が暴走するZシリーズのような莫迦小説も書いています。
『どきどきフェノメノン A phenomenon among students』は大学を舞台にしたラブコメディです。
変人がてんこ盛りでもりもり出てきます。
次に紹介するのは、神林長平先生の『死して咲く花、実のある夢』です。
神林長平先生は、シリアスモードの小説と能天気モードの小説があるのですが、『死して咲く花、実のある夢』は神林長平先生の能天気モードの小説の代表格です。
3人のキャラクターが不可解な状況に陥って何が起こっているのかを議論するのですが、その議論がまるで漫才みたいにボケとツッコミの応酬なのです。
そんな能天気な議論から能天気な結論に至り行動して検証してまた能天気な議論が行われる。とても面白いです。
最後に紹介するのは、京極夏彦先生の『どすこい。』です。
京極夏彦先生の作品は、妖しく蘊蓄たっぷりで重厚な作品が多いのですが、『どすこい。』は悪ふざけ度が全開のパロディ短編小説集です。
数々の名作をネタにして笑えるお話にしています。
繰り返しネタが大好きなお方は大爆笑すると思います。
如何でしたでしょうか?
もし今回取り上げた作品の中で気になる作品があったなら是非是非読んでみてください。
楽しめると思いますよ。
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