空を旋回するタゲリの群れ
木々も葉を落とし、野鳥観察には絶好のシーズンがやってきた。出かけたのは荒川端にある秋ヶ瀬公園。風もなく。雲一つない天気で日に暫く当たっているとうっすら汗ばむほどの陽気だ。
梢の間を動き回っているのはメジロ
でも一向に近づいて来てはくれない。
ソフトボールグランドのところにタゲリの群れを見つけた。15,6羽ぐらいの群れだ。タゲリはチドリ科の鳥で稲刈りの終わった田んぼでよく見かける冬鳥だ。大きさは鳩くらいで、長い冠羽と背中の黒と腹部の白のコントラストがきれいな鳥だ。
警戒心が強くなかなか近づけない。こんな時いつも超望遠のレンズがあったらと思ってしまう。
それでも少しずつ鳥たちの方から寄ってきてくれた。あともう少しで表情まで写せるんじゃないかと期待して待っていたら、無情にも犬を連れた散歩者が通りかかってしまった。あっという間に鳥たちは空へ飛びあがった。こんなことが多いのは私だけだろうか。
背景の富士がきれいだった。
ピクニックの森は冬鳥たちの餌場が多いところ、キチキチっと枝先で鋭いモズの声がした。
枝先に隠れたつもりのアオサギ
隣の沼ではカワセミが水面を見張っていた。
何度かダイブを繰り返したのだが、一度も成功しなかった。
更に森の中を抜け、公園の端まで行ったところでは一羽のダイサギが佇んでいた。10m位傍の小道を通り過ぎたのだが、じっとしていて微動だにしなかった。
ギィーッと鳴いてコゲラがやってきた。コゲラは動きが俊敏なうえ、木の中の虫を求めていつも頭をハンマリングしているので、顔がいつもぶれてしまう。人里にも住んで、人見知りもしないので驚くほどすぐ近くまでやってきてくれるのだが、枝先で止まってポーズしてくれることはまずないのでなかなかいい写真が撮れない。
遠くの枝に一羽止まっているのは何の鳥だろう。
暫くしたら近づいてこっちを向いてくれた。ここではよく見かけるシメだ。尾も短いが、くちばしも太くて短い。同じアトリ科の鳥の中でもマヒワやアトリのような派手さもなく、イカルのような愛嬌もない。おまけに目つきが少しきつい。というと欠点だらけのようだが、灰褐色のビロードのような羽とスずんぐりむっくりの体型なのに俊敏な動き、尾羽や風切羽の白い色と結構いいところもあるのだ。
見上げると西の空には傾きかけた月があった。