東京都東大和市にある薬用植物園を訪ねた。さほど広くない園内だが、近いこともあり季節の折々に足繁く通うところだ。今回訪ねたのは10月上旬、秋の花たちが出そろい始めた頃。
それでは目に留まった花たちを取り止めもなく紹介して行こう。
紅白のシュウメイギク(秋明菊)。菊の名は付くが、キク科の花ではなくキンポウゲ科の花。京都の貴船地方に多いことから貴船菊(これも良い名だ)とも言う。
しそ科の強い香りを持つカワミドリ。ここで花の名前を知った後に、丹沢や奥多摩などでも群生を良く見かけた。生薬に使われ、土藿香(どかっこう)という名があるそうだ。
ノゲイトウは元来熱帯地方の花だが、今では本州西部から沖縄にかけて帰化して畑地などに生育している。
大振りだがピンク色の綺麗な花で、この時期虫たちをよく集めているオオベンケイソウ。ベンケイソウは高山の岩場や砂礫地に咲く花だが、こちらは園芸用。
同じベンケイソウ科のミセバヤ。花が綺麗なので古くから観賞用に栽培されている。名は誰に見せてあげたいという意味。
秋の七草のひとつフジバカマ。乾燥させるとクマリンを放ち、中国では香草として珍重されたという。
これはカラスウリの花ではなく、ヘビウリの花。旬を過ぎてちょっと花の先が窄まってしまったのが残念。
とても繊細なシャクチリソバの花
こちらは赤そばの花、品種名は高嶺ルビー。
アオイ科のカイトウメンの実。色形はちょっと河童の顔に似ている。海島綿(カイトウメン)は、綿毛が長くしかも繊細で美しいので、希少価値のとても高いコットンだとか。
スズムシバナは山地の林下に生えるキツネノマゴ科の花。よく似た名前のスズムシソウはラン科の花でまったく別の花。
もうほとんど散ってしまった金木犀(キンモクセイ)の花。トイレの芳香剤として使われなかったら、とてもいい香りなのだが……。
棘が多く荒々しいオケラの花
コガネバナは中国北部からシベリア、朝鮮半島にかけて咲く花。タツナミソウの仲間。生薬名は黄芩(オウゴン)。
ツルドクダミは中国原産の花で漢方に使われる。花は一見イタドリの花にようだ。
トウガラシの花と実。こんな可憐な花があの辛い実になるとは思いもしなかった。
色鮮やかなグラデーションを見せるノブドウの実。油絵の画材になりそうだ。
和の風情を醸すツリバナの実、今にも種が落ちそう!
赤い木の実を三つ。ゴンズイとフユザンショウとサンザシ。何れも色や形に個性があって楽しめる。
お終いはぷっくりと美味しそうに割れたアケビの実
これはおまけ、大温室で見たドラゴンフルーツの実
この辺で。