この日は雲一つなく晴れ渡った、文句なしの野遊び日和だった。途中大菩薩ラインは麓のあたりでは緑が目立ったものの、丹波山村に入ってからは赤く黄色く染まった木々が目立つようになってきた。いつものように柳沢峠の駐車場に止めようとしたのだが、この日は何かのイベントがあったらしく、峠の駐車場は人と車が一杯で止められなかった。そこで少し戻り、200mほど下った所に車を止めることにした。
大菩薩方面のカラマツ林
反対側の林道を登っていく
100mほど登ったあたりから赤や黄色の化粧を施した木々が現れてきた
松明のように燃え上がった楓
錦秋の迷路を行く
光を浴び、龍の金色の鱗のように輝いている。
だんだんと葉を落とした樹が目立つようになってきた。
風が吹くたびごとに、煌びやかに着飾った衣装が剥がれ落ちていく。季節が移り替わっていく速さと同期しながら
落葉松とモミジそして笹の葉
1600mを超えると景色は晩秋から初冬へと変貌していく。陽だまりが何とも心地よい。
日陰には消えずに残っているシモバシラ、その上には霜のついた落ち葉が敷き詰められている。その美しさは土に還っていく前の最期の輝きだ。
頭上にはすっかり葉と実を落としたコマユミ
尾根を登りきったところで不意に視界が開ける。
ハンゼノ頭にやってきた。
本当に申し訳ないぐらいの天気だ。南には雲一つない富士山
西側には南アルプスの峰々
北側すぐそばに大菩薩の頂
風の当たらない草むらに腰を下ろして、暫く富士を眺めることにしよう。
この辺で。