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野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

北信越を歩く④~湯田中渋温泉

2009-08-17 | 旅行
 2泊目の宿泊地は渋温泉だった。1300年前行基が開湯したといわれる、北信の古湯の一つだ。35の旅館、9つの外湯に対して源泉の数がそれと匹敵する37あるというから驚きだ。


 私が泊まったのは湯本旅館という木造3階建て(玄関からは2階に見えるが斜面に建っているので実際は3階建て)の古い旅館。すぐ隣りに外湯9番の大湯がある。













 宿に荷物を置いて一休みしてから外湯巡りに出かけた。







 混んでいた一番湯の初湯を避け、逆順で8,6,4と廻った。少しずつ泉質や浴室の様子が変わっているので、次はどんなのかと廻っていても楽しい。はじめは一つだけと思っていたのだが、仕上げの9番大湯まで入れて、4つも入ってしまった。

 ほてった体を冷やそうと少し温泉街をぶらついた。



 温泉寺






 渋温泉一番の老舗旅館、金具屋。有形文化財ともなっている、木造4階建ての旅館だ。






 旅館に戻って夕食を頂いていると、窓際に猿が二匹やって来た。女将さんの言うことには窓の鍵を閉めてないと、勝手に開けて入ってきてお茶うけのまんじゅうを持っていくのだという。追い払ってもなかなか逃げないのには驚いた。



 夕食を済ませ。温泉街に沈む夕陽を見ようと外に出た。少し遅かったようで、日はもう沈んでしまっていた。






 気を取り直して温泉街を再び散策。夜灯を灯した金具屋









 傍らに”カオナシ”のお面がおかれてあった。



 外れのほうまで来ると人は極端に少なくなる。



 スマートボールの店



 酒の誘惑は必死に堪え



 再び宿の前まで引き返してきたら、道祖神の前の長い石段に万灯会(まんどうえ)の燈明が飾られていた。





 冷えた体を9番湯で温めてから再び宿へ戻った。

北信越を歩く③~信大自然教育園

2009-08-15 | 植物園
 秋山郷と志賀高原を結ぶ雑魚川林道は全舗装された快適な林道だった。猛烈な雨の中、崖崩れによる通行止めを心配したが杞憂に終わり、一時間足らずで奥志賀高原へと抜けた。

 依然雨は強くなったり、止んだり。高天原でお茶しながら暫く天候の回復を待ったのだが、雨も止まずガスも晴れない。予定していた東館山の高山植物園は断念し、近くの信州大学付属の自然教育園を訪ねることにした。







 ここは植物園なのだが、花の名を記した札はあまり見られない。アサマフウロ


 シモツケ



 イワハゼの実だろうか、雨にぬれ赤い実がつやつやしてきれいだ。



 ヤマハハコ




 ウメバチソウも咲いていた







 クサボタン



 ユリ科やラン科の花も多い。コオニユリ



 これはクルマユリか




 イワショウブ



 これはトンボソウではないような、ツレサギソウ?



 コイチヨウラン




 うーん、わからない?




 ロックガーデンの斜面を下りて暫く行くと広場になっている。すぐ傍に長池がみえる。







 雨で濡れぞうきんのようになってしまったカライトソウがみじめだ。



 ミヤマウツボグサは今が盛り、他でみたものよりここのは大きく、花色も鮮やかだ。



 マルバタケブキやオヤマリンドウ、シシウドの秋の花はこれから














 コバギボウシ



 ホツツジ



 長池から先はちょっとしたハイキングコースになっているが、生憎の雨で登山靴か長靴なしには登れそうもない。訪れる人も少なく、自然がよく残されている所なので、この先まだまだ珍しい動植物に出合えそうなのに……。


 引き返す道で白い、細長いキノコを見かけた。有毒のドクツルタケだ






 ヤマブキショウマやクサフジ、キツリフネといったお馴染みの花に見送られて園を後にした。









 この後は蓮池のロープウェイ乗り場の建物で昼食にしてから、蓮池、琵琶池、丸池と小雨の降り続く中を散策した。


 霧の中に幻想的な蓮池が浮かんでいる。



 運のいいことにわずかな晴れ間に、アサギマダラも見ることができた。






 志賀高原の散策を終えるころには雨も次第に収まり、遠く北信の山々を望めるまで天気は回復した。辺りが茜色に染まり始める中、今夜の宿泊地である渋温泉へと急いだ。



北信越を歩く②~秋山郷

2009-08-13 | 野の花
  昼過ぎに雪国植物園を出て、ルート17を南下した。十日町の道の駅で昼食。ここでは越後妻有アートトリエンナーレという催しが行われていた。昼食後秋山郷へ。途中津南町に入ったあたりで、ヒマワリ畑が見ごろという看板に惹かれ脇道に逸れる。








 雨の降りしきる中、県境を越え小赤沢集落に着いた。統合施設(役場の支所、保育所、民俗資料館、診療所等いろんな施設が一つの建物に入っている。)とねんぼの前の駐車場に車を止め、付近を散策することにした。













 裏手には古びた神社があった。激しく降り続いていた雨が小雨になったのはいいのだが、傘をさしているとその中に虻が入ってくる。







 道の反対側を少し下ったところに観音堂があった。





 六地蔵の下には一字一石経が埋められているのだという。



 さらに下ると江戸期に建てられた保存民家が見えてきた。







 雨が晴れ、ガスが立ち込めてきた。



 のどかな田園風景が広がる。が、川の向こうには天明の飢饉でほろんだ矢櫃という集落跡があるのだという。降り積もる雪のように、在りし時もこの風景の奥底に埋もれたままだ。田んぼの中の一本案山子が侘しげだった。





 深い山間の中、ガスが現れては消えていく。ミソハギやシシウドは往古からこの風景を眺めていたのだろうか。



 歩いていると至る所に六地蔵が現れる。それも不意にだ。私はどういうわけか隙を突かれたじろいでしまう。







 栗の大木があった。この地に初めて移り住んだ人が、御神体として祀ったという言い伝えのある大木だ。



  川を渡って少し離れた屋敷集落を訪ねた。 正面のこんもりと茂った森の辺りが大秋山村の集落跡地。そこもやはり天明の飢饉で八軒の家が滅んだそうだ。それにしてもこの秋山郷には飢饉で滅んだという集落の跡が多い。その無念さ、怨念が200年近くたった現在でも、この地を漂っているように思える。この地で暮らすということは、その200年の時の中で生まれ死んでいった人たちと共に生きるということなのだろうか。






クズの花の甘い香りが、雨上がりの湿気を含んだ空気を妙に悩ましく満たしている。



 小さく鳴き声を上げながら子猫が逃げて行った、その先の細い道を登りきった処に薬師観音堂が立っていた。



 眼下に流れる中津川が濁りを増してきている、川の脇には人陰のない小学校が見える。

 雨が突然音を立てて降り始めた。


 対岸の林道を車で10分ほどいったところに分岐が現れ、左切明の標示があった。




 今日の宿泊地の切明リバーサイドHに着いた。辺りはもう薄暗くなり始めている。






 宿のすぐそばの吊り橋を渡った先の河原には温泉がわき出ていて、これをスコップで掘り返し自前の温泉が作るのがここの売りだそうな。




 この地の地縛霊たちは私を見逃してくれたようで、枕元に響く瀬音を聞きながら、その夜はすぐに寝入ってしまった。久しぶりの深い眠りだった。


 翌朝、雨はますます強くなり、秋山郷の集落探検は断念。予定を早め、雑魚川林道を奥志賀へと抜けた。


北信越を歩く①~雪国植物園

2009-08-12 | 植物園
 <写真はオオウバユリの間で雨宿り中のアマガエル>


 日曜日から3日間、北信越地方を歩いてきた。以下数回に渡って紹介しておこうと思う。初めは長岡市の郊外にある雪国植物園。春の雪割草の時には訪れたことがあるが、夏盛りの時期は今回が初めてだ。9時の開園少し前に着いたので駐車場で待ってから入園。雨のせいもあるのか人は少ない。








さっそく萩の花やツリガネニンジン、トモエソウが出迎えてくれた。










 この時期、園内ではホツツジの花が目立っている。




 キツリフネとイヌゴマ








 降りしきる雨の中ボランティアの人たちが草取りの作業をしている。そのうちの一人のおじさんがエチゴトラノオの花の名を教えてくれた。



 この一角は秋の七草が集められている。ツルリンドウとカワラナデシコ。






 黄花のヒオウギは初めて見た。





 雨の中、さまざまな生き物たちも働いている。
 オミナエシの花の上で蝶に近寄るカマキリ



 狙われているのはこのジャノメチョウか




 オトコエシの花にはカタツムリがいた。




 足元を飛び回っているのはアマガエル



 草の間にはさまって、雨をやり過ごしているのだろうか




 
 山を越え園中央の池のある処に来た。



 この辺はトンボが多い




 イトトンボもいるのだが名は分からない







 少し離れたところに止まったチョウトンボ



 
 湿地帯特有の花たちも多い。ミソハギとコバノギボウシ






 池の真ん中にはミズアオイの青色も見える。



 これはオモダカ科のアギナシに似ている。




 丈高い草陰でひっそりと舞姿を見せているのはサギソウだ




 ヨツバヒヨドリはまだ開花前








 乾いた斜面にはキツネノカミソリやアザミの花が群生している。






 さして暑くもなかった夏だが、秋の気配はそれでも確かに近づいてきているようだ。緑一色と見える園内にも、マムシ草の実やヤマボウシの実がすでに色づき始めていた。





 入園から3時間余雨と汗でびしょぬれになりながらも、楽しい里山のひと時を過ごすことができた。ボランティアの平成令終会の皆さんに感謝を。

秋山郷へ

2009-08-08 | 旅行
 あす未明から、信越秋山郷方面へ2泊3日の予定で旅行に行ってきます。どんな風景、どんな花たちに出会えるのか楽しみです。