野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

尾瀬沼を歩く2

2011-08-15 | ハイキング

  今回の尾瀬沼探訪ではニッコウキスゲの大群落は見られなかったものの、夏から秋にかけて咲く花たちにたくさん出会うことが出来た。

 まずは大江湿原の中のヤナギランの丘から。ヤナギランは此処尾瀬では他では見たことがないので、植えられたものなのだろうが、優しげな色合いで尾瀬沼にはよく似合っていると思う。

 

 

 

 ヨツバヒヨドリ。残念ながらこの花の好きな渡りチョウのアサギマダラには出会えなかった。

 

 八月中旬のこの時季、湿原の至る所で見られたのはオゼヌマギク

 

 

 ユキザサやルイヨウボタンと言った 緑色の花には何故か慈しみたくなるような気品を感じる。この花の名はタカネアオヤギソウという。

 

 沼山峠から湿原までの林地に多く見られたミヤマカラマツ、キンポウゲ科に属する。

 

 ヤマオダマキは本当に上品な花だ。この花も尾瀬ではあまり見かけない。私が見かけたのは三平下の小屋の付近。以前見かけたのも温泉小屋付近だったので、全て植栽されたものなのだろうか。

 

 野アザミの仲間、細かいことは分からない。

 

 たくさんの虫を集めていたミヤマシシウド

 

 オゼヌマギクと共に湿原では多く見られたイワショウブの花。オゼソウと同じユリ科の花。

 

 

 

 

 蕾には赤い縁取りがあってそれもまたきれいだ。

 

 数は少ないが存在感はたっぷりのサワギキョウ。

 

 

 光線が変わるとこんなに色合いが変わってしまう 

 

 この時期赤系統の花は少ないので、よく目立っていたコオニユリ。オニユリのようにはムカゴは出来ない。良く似た花にクルマユリがあるのだが、尾瀬沼では見つけられなかった。

 

 

 

 これも同じ赤系の花、ワレモコウ。こんなにきれいに咲くとは知らなかった、低地で見るものとは大違いだ。

 

 トリカブトはまだ蕾の花がほとんどだった。大江湿原の休憩スポットの所で、この株だけが見事に咲いていた。これはオクトリカブトというらしい。

 

 

 何といっても一番多いのはアキノキリンソウ、マルバタケブキ、オタカラコウ等の黄色系の花たち。

 

 

 

 湿原を埋め尽くし星のように輝いていたキンコウカは、残念ながらもう終わりの時期を迎えていた。

 

 

 山地の林道沿いの斜面に見られたチョウジギク。白く長い柄の先に6~9個の頭花をつける。至仏山で見かけるウサギギクと同じ仲間。

 

 これも山地でよく見かけるオトギリソウ

 

 色合いの鮮やかさでサワギキョウに目が行くのだが、同色の紫色のコバギボウシも結構たくさん咲いていた。

 

 

地味なアブラガヤもこうして撮ってみると、なかなか風情があるではないか。

 

 丈高い湿原の草たちの中に隠れるように咲いていた、ミヤマモジズリ。

 

 ミツガシワの花が一株だけ咲き残っていた。

 

 お終いは湿原にも林道沿いでも見かけたモウセンゴケ、言わずと知れた食虫植物の仲間だ。

 

 朝靄の水滴が長い線毛の先に着いていた。和名は毛氈苔。朱色の葉を毛氈に、小さいことを苔としたもののようだ。

 

 これが花。 

 

 虫や鳥たちは近近の次回で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


尾瀬沼を歩く

2011-08-13 | ハイキング

 酷暑の都心を離れ、一日だけ尾瀬に涼を求め出かけてきた。

桧枝岐を抜け御池の広い駐車場に車を止めた。尾瀬沼に1泊するので駐車料金1000円は免除されるのが嬉しい。シャトルバスに乗って20分、沼山峠に着いたのは11時半過ぎだった。支度をして早速尾瀬沼まで下る。

 沼山峠見晴らし台から

 

 久しぶりに降り立った大江湿原、残念ながら期待していたニッコウキスゲは全て枯れてしまっていた。1週間前までは僅かに咲き残っていたらしいのだが…。

 

 

 ハイカーは例年の半分ぐらいに減っている。福島の原発による風評被害もさることながら、つい最近の豪雨によって新潟への道路が通行禁止になっている影響もあるようだ。桧枝岐まで来る途中の林道も復旧工事中の所が数か所あり、また周辺の民家や田んぼへの被害の跡も生々しかった。

 

 一時間ほどの下りで、昼過ぎ今夜泊まる尾瀬沼ヒュッテに着いた。暫く休んでから荷物を置いて、三平下まで散策することにした。 

 元長蔵小屋付近

 

 

 キスゲは咲いてなくても尾瀬沼の景色は季節を問わず訪れた人を虜にする。宝石のように水面の小波が煌めいている。ヒオウギアヤメがまだ咲き残っていた。

 

 早稲沢の辺り、燧ヶ岳の雲がとれた。水芭蕉の咲くころはここが燧ヶ岳の優れたビューポイントとなる。

 

 

 30分ほどで着いた三平下、ハイカーの姿は見えずがらんとしている。

 

 宿まで引き返して風呂に入り、6時に夕食。夕食後、日没を撮ろうと外に出たのだが、あいにく雲が多くなってしまった。

 

 

 

 

 小屋は9時には消灯。疲れと涼しいのとであっという間に就眠。

 辺りが薄明るくなり、小鳥が鳴き始めたのは5時ごろ。支度をして6時の朝食前に付近を散策することにした。ヒュッテ玄関前からの雲の笠をかぶった燧ヶ岳が望めた。

 

 ボート乗り場

 

 

 朝靄の大江湿原

 

 

 

 朝食を終え、7時過ぎに沼尻へ向かう。この日は尾瀬沼一周の予定だったのだが、沼の南岸が水害で通行禁止になっていたので、沼尻までのピストンに変更した。

 

 

 

 

沼北岸は起伏もそんなになく、森の中を通るので日差しも遮られ、とても歩きやすい。名の知れぬ野鳥の声を味わいながらゆっくりと歩く。次々と抜かれていくが、時折吹いてくる沼越しのそよ風が何とも心地よいので構わない。

 

幾つかの小湿原を越えていく

 

 

 対岸に見えるのは皿伏山

 

 

 一時間ほどで沼尻平までやってきた。

 

 沼尻の休憩所

 

 この辺は休憩所がないので、いつ来てもここだけは人で賑っている。

 

 ここからの船着き場の風景が美しい

 

 

 小休止の後再び大江湿原まで戻り、名残惜しいが沼山峠へと帰った。

 

 

 

 花や、小生物は近近の次回へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大岳山を登る

2011-08-09 | 登山

 奥多摩の低山とは言え、久しぶりの山歩きだ。思わず笑みがこぼれる。あまり時間がないので、コースはケーブルカーを使って御岳山から登り、大岳山、鋸山をへて奥多摩駅へと下る初心者向きのコースだ。

 

 行程概略;8時40分御岳山滝本ケーブルカー駅→ビジターセンター9時半→10時半綾広の滝→11時50分大岳山→13時鋸山→登計峠から14時35分奥多摩駅へ

 

 ケーブルカーを下りた展望地から都心方面を見る。

 

 休日でレンゲショウマ祭りの最中なのにそんなに混んではいない。

 

 そのわけはすぐに知れた。レンゲショウマが実はまだあまり咲いていないのだ、ざっと見ても一分咲きとも言えない位の開花状態。ネットで見た5日前の「レンゲショウマ咲きだしました」の記事は何だったのか。そういえば2,3年前にも騙されたことを思い出した。こんなことを繰り返していると、客はだんだん来なくなってしまうというのに……。

 

  5万株のうち咲いているのは100株に満たない、でもそれを撮る。

 

 

 蕾も可愛い

 

 

 

 

 空が晴れているのが少しは救いか。

 

 これが本日一番のお気に入りのショット。

 

 

 

 

 

 例年より1週間ほど早かったのがいけなかったのか。まぁ見頃はお盆過ぎぐらいか。

 

コバノギボウシ

 

 

 

 ナンテンハギ

 

 先端だけ咲き残ったオカトラノオ

 

 一部の実が落ちてしまったトチバニンジン

 

 不満タラタラの大勢のカメラマンたちを尻目に大岳山に向かった。

 

 アサギマダラの好きなヒヨドリバナ

 

タマアジサイもやっと咲きだした。

 

 おやおや、道端の草の陰にはもうキツリフネが咲いている。

 

 ちょっと行ったところで天狗の腰掛け杉

 

 綺麗なバッタだ

 

 ヤマユリやノリウツギさえまだ咲き残っている。

 

 

 

 少し戻って綾広の滝

 

 近くの崖に咲いていたタマガワホトトギスとイワタバコ

 

 

 

 

 近づいて見るとイワタバコはやや時期が遅かったようだ。

 

ギンバイソウ

 

 クサアジサイも咲きだしている、もう秋の草の方が山では我が物顔をしているのだ。

 

 

 これも秋の草ツルリンドウとヤマハギ

 

 

 久しぶりの大岳山の頂上、頂上には十数人の人がいた。この暑い時期にもかかわらず結構登る人がいるもんだ。

 この辺りから遠くの雷音とともに小雨がぱらつきだした。

 

 

 大岳山から先は結構尾根歩きが長かった。鋸山を経て二時間ほどで小さな祠のある地点までやってきた。ここから先は針葉樹林帯をひたすら下っていくことになる。随分と雷が近くなってきた。尾根筋からやっと離れられることがとても嬉しい。

 

 キンミズヒキ

 

 すっかり色づいたマムシグサの仲間

 

 持参したペットボトルの水のつきかけた頃、やっと登計集落まで下ることが出来た。奥多摩駅傍の橋から見た河原。絶えまない雷で人々は少しずつ、後片付けを始めているようだ。

 

 駅に辿り着いたのは15時38分位。42分発の立川行きになんとか間に合ったようだ。

 


薬草の花

2011-08-04 | 植物園

 夏のこの時期は仕事が忙しく、遠出が出来なくなる。勿論山にも登れないので、どうしても花を見たければ近場の植物園に出かけることが多くなる。

 久しぶりに青空がのぞいた日、東大和の都薬用植物園に出かけた。

 

 ヒマワリに劣らずオニユリも夏らしい花だ

 

 これはラシャガキグサというそうだ、北アメリカ原産でドライフラワーに使われる花とのこと。

 

 ゲンノショウコの花も紅白咲いている。

 

 サッコウフジ。沖縄や台湾原産のナツフジ

 

 ハブソウ、漢方名は決明子。あの有名なバンドにその名が使われている。

 

 カワミドリはこの時期山地でふつうにみかける、香りの強い花だ。

 

 雁に似た花の形から名をつけられた、カリガネソウ。

 

 オオケタデ

 

 おいしそうな和菓子に似たヨモギギク

 

 オオツヅラフジ。生薬名をボウイ(防已)といい,鎮痛や利尿に用いられる

 

名前も実の形もグロテスクなのだが、花だけは繊細なヘビウリの花

 

 マルバルコウソウはヒルガオの仲間、民家の庭先でも見かけるようになってきた。

 

 黄花ノコギリソウ

 

 ムラサキウマゴヤシ

 

タバコの花が咲いていた。

 

 アオイ科の花を幾つか、ビロードアオイ、トロロアオイ、ワタの花。

 

 

 

 アメリカ原産の花スギモリケイトウ、人の背丈を優に超える大きな花だ

 

 こちらは小さなノゲイトウ

 

 鉄製のフェンスに絡まって咲いていたのはアメリカホドイモ。根塊が食用となる。

 

 サワギキョウ

 

 タヌキモ

 

  イネ科の花を三つ、モロコシ、ハトムギ、アワ。

 

 

 

 林地に入ると、ミミガタテンナンショウがもう実を赤くしていた。

 

 レンゲショウマ

 

 一株だけ早く咲きだしたものの、花の重さに耐えかねて地に伏してしまったナツズイセン。

 

 真っ赤な実をつけたトチバニンジン

 

 木の花と実を三つ。一つ目はビールの原料となるホップ、二つ目はギョリュウ、三つ目は日本の低山でもよく見かけるツリバナの実

 

 

 

 何時ものように最後の仕上げは温室見学。

ブラジル原産のジャボチカバ。物の本によるとライチに似た酸味と甘みのある果物だとか。

 

パラグアイ産のアヤメ、キペラとあった。

 

 名前不詳

 

熱帯アジア原産のシクンシ。花の色は初めが白く、後に赤に変わる。強い芳香があると言うが、3mほどの高さに咲いていたので、匂いは知れなかった。

 

 お終いはオオフトモモ、レンブとも書かれていたマレー半島原産の果物、見るからにうまそうだ。

 

 この辺で。