月刊社労士で、職場のパワハラ防止のための「アンガーマネジメント」が3回にわたって掲載されていました。
アンガーマネジメントというのは、1970年代にアメリカから広まった「怒りと上手に付き合う」「怒りの感情をコントロールする」ための心理教育です。
問題となる怒りの現れ方4タイプが紹介されています。
⑴頻度が高い
⑵強度が強い
⑶持続する
⑷攻撃性を伴う
パワハラで問題になる人って、4つのタイプが全部そろっているような気が…
頻度の高い人は常にストレスフルの状態だから元のストレスを除去するべきとか、強度が強い人は自分の怒り(感情)を見える化するとか、持続する人は「思い出し怒り」を払しょくするには、正々堂々とした振る舞いで相手を見返すとか、なんかわかっちゃいるけど実行に移すのが難しいってかんじが…
ご心配なく!怒りを抑える具体的な方法もちゃんと書かれています。
怒りのピークは長くて6秒だそうです。なので、その最悪の6秒をやり過ごす方法です。
深呼吸・数を数える・自己暗示をかけるです。
なあ~んだ。と思うかもしれませんが意外とそういうもんです。とりあえず、何かひとつの作業に没頭するというのもありました。具体的な行動を起こすことがポイントですね。
人が怒る原因のひとつに「べき論」があるとのことです。~はこうすべし!ってやつですね。そして自分のべき論が目の前で裏切られるたびに怒るわけですが、これの解決方法はちょっと難しいかも…
相手の「べき論」を受け入れ、自分の「べき論」を緩める努力って書かれていますが、我が家はこれができなくて、夫婦ケンカ・親子ケンカが絶えないので、かなり高度な方法に思えるのですが…
では、どうすればいいのか?ちゃんと書かれていました!
自分や他人が日頃どのような「べき論」を大切にしているのか把握することだそうです。言われてみれば自分のべき論にしたって、頭に血がのぼっているときは、「そうなんだったらそうなんだ!!」と思い込んでいるけど、後になって「なんであんなにこだわって怒ってしまったんだろう…」と不思議に思ったりなんかしてます。ましてや他人のことになると…
アンガーマネジメントは地道な作業の繰り返しで自分のものにしていくしかないのかもしれません。
社労士でアンガーマネジメントファシリテーター(こんな名称があるんですね)の小林浩志さんのコラムを紹介しました。
ところで、アンガーマネジメントでは怒ること自体は全くかまわないけれども、「何を怒り、何を怒らないか、自分の基準で区別できないこと」を問題視していますが、「怒り」そのものをろくでもないもの、怒りに勝る悪徳はないと断罪しているのは、古代ローマの政治家・哲学者のセネカです。その著書『怒りについて』のなかで、怒りとは「他人に害を加えている間に自分を見失うもの」「怒るのは小心のしるしである」「怒って強くなる人はいない。ただし、怒らなければ強くなれない人は別であるが。」と容赦ないです。1冊まるごと怒りがいかにろくでもないかをえんえんと訴えています。興味のある方はぜひ一読を。
セネカはかの有名な暴君ネロの幼少期の家庭教師で、治世当初はネロのよきブレーンでした。ネロはさいしょっから残忍で悪辣な皇帝だったわけではなく、賢帝であろうと努力はしたようです。なにがどうしたのか手の付けられないくらいの暴君になり、セネカはネロに自殺を命じられ死んでいます。
セネカは他にも『人生の短さについて』『幸福な人生について』など今も残る名著を残しています。古代ローマ帝国の皇帝たちとその周辺の人間たちを見続けてきて、思うこと・感じることが多かったと思います。
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