「気づき」の欠如がもたらすハラスメント被害

2015年03月23日 | 日記
協会けんぽ富山支部のメルマガ「きときとメール」のコラムで、大阪天保山にある水族館・海遊館であったセクハラ事件の裁判のことが取り上げられていました。


職場の部下女性にセクハラ発言を繰り返した男性管理職2名が
「体に触れるなどの行為が無かったのに、会社の懲戒処分が重過ぎる」
として訴えたものです。
1審の地裁判決は会社の処分を有効としましたが、2審の高裁判決は
「事前の警告が無かった点と被害女性からの明確な抗議が無かった」
として処分は無効としました。
注目の最高裁は、「内部文書でセクハラを禁止し、研修も実施。
就業規則で懲戒処分も定めていたことから、懲戒権の濫用にあたらない」
として2審判決を破棄。懲戒処分を有効とした1審判決は妥当であった
とする判決を言い渡したのであります。

報道によりますと、管理職2名は
「結婚もせんでこんな所で何してんの。親、泣くで。」
「夜の仕事とかせえへんのか。時給いいで。」
「もうお局さんやで。怖がられてるんちゃうん。」
などの発言を1年以上にわたり繰り返していたそうです。
また、露骨に性的な表現を使った卑猥な言葉を何度もかけたり
女性客を性の対象とした発言も明らかにされました。
その結果、二人は30日間と10日間の出勤停止のうえ降格処分を受けたのです。



同じような目にあったことがある女性からすれば、甘い処分にも思えるのでは?

でも、男性管理者2人は「厳しすぎる」と思ったんですね。

この感覚・認識の違いは大きく、溝は深いです。

職場だからこんな大ごとに発展していますが、くすぶってはいても、家庭内でも同じようなことが起きています。男性が加害者の場合が多いように思われますが、女性が加害者である場合も多いはず。そして、どちらも自分が相手をどれほど傷つけ追いつめているかなんて夢にも考えていないと思います。

男性の場合、女性が我慢に我慢を重ねて「その時」を待ち続けていることなどつゆ知らず、定年退職後離婚を告げられて愕然としたり、女性の場合、男性がどれほど追いつめらて苦しい思いをしているかなんて想像すらできず、失踪したり他の女性のもとに走ったりして、生活が成り立たなくなってはじめて自分の愚行に気づいたり…ハラスメントの多くが、加害者にとって「そんなつもりは(それほど)なかった」だと思います。

海遊館の男性2人に同情するつもりはありませんが、気づけないということが自分にどれほどの損害をもたらすかと思うと、戦慄を覚えます。

「気づきが大切」と、自己子啓発本やセミナーなどでよく言われることですが、なぜ「気づくことができないのか」といった考察が十分になされているとはいえないのではないでしょうか。

「気づく」にはどうすればいいのか。「気づき」を妨げる要因はなんなのか
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