イナ中尉Day's
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ズドラーストヴィチェ 皆様

本日はこのはな綺譚のお話を書いていこうかと思います。

ネタバレありなので目を通される方はお気を付け下さい。
また、記事内容は私の私見が多分に含まれておりますので
その点を留意の上でお読みください。

今回は前回同様上巻の2章 「花の散るらむ」
の内容から私の所見・感想を書いていきたいと思います。

皐とタッグで仲居をすることになった柚ですが、
思うように仕事を回せず四苦八苦。
皐は柚の面倒を見つつも自分の仕事を完璧に
こなしており、自分も皐の様になれるよう必死に
頑張ろうとする柚。
 これに対して仲居頭の桐(キリ)は思う事が
あって一日タッグを変更。
柚と組むことになったのは櫻(さくら)。
仲居メンバーでもかなり年齢が低めのキャラで
仲居仕事をやりつつも結構自由気ままに動いている
印象の寡黙キャラです。
櫻の自由奔放なその行動に戸惑いながらもとりあえず
その行動を真似て過ごす柚。
 その間に沢山の物を見たり経験し、柚は櫻と一緒に
いると時間がゆっくり流れてすごいと感激します。
 その後皐とのタッグに戻った柚ですが、視野が
広がって今まで目に入っていなかったところまで
目が届くようになり、皐も褒めるようになります。
この章はもう少し続きますが、割愛で。

さてさて、この内容から感じた事を
書いていきますね。
まず大きく見た場合、これはリアルの仕事において
不器用な人によく見られる行動が櫻を通して改善されて
いく様になっているかと思います。

冒頭の柚。仕事に熱意があり、向上心やる気もあって
皐の仕事を必死に覚えようとがんばっているのですが、
果たしてそれが良いかと言うとそういうわけでもないのです。
まず、人はそれぞれ見えている世界が違います。
それは一般に視野と言えるものでしょう。
一つの空間を見た時に左右上下に捉えられる視界の広さ、
それとは別に空間内にある物や形状の把握、色の判別
例を挙げるとかなりの量になりますが、一言に視野と
言っても結構な情報量となります。
 当然柚と皐では見えているもの見ようとしているものは
違うわけで、さらに言うと仕事のベテランと新人という
立場からしても見るべきものの認識は大きく違います。
 よって皐の仕事を見て必死にそれを覚え、やろうとしても
上手くいくわけでは無いのです。
 例えば皐が来客に備えて部屋に入り、テーブルを拭いて
床を掃除し、花瓶を整えて水差しも行ったと。
じゃぁ柚も同じことをしたらいいのかと言うとそうではないですよね。
まぁ、テーブル拭きや床掃除は必要かもですが、花瓶は花の
位置が崩れてたから皐は直しただけかもしれませんし、花瓶の
水が減っていたから水を差しただけかもしれない。
それは皐だから気付いた視野であり、必要と思ったからやった事。
それを毎度やるべき事と思ってやってしまうと不要な仕事を
増やしてしまったりするし、ベテランの皐がやった事を全て
やろうとすると次にやることは!次にやることは!みたいに
とりあずその後を追うような仕事になってしまいます。すると
都度一つの事に集中してしまって周りが見えず、視野が狭まって
やり忘れや気付かずにっといった不手際が発生するわけです。

話ではこの状態に気付いた桐が柚を櫻に付けます。
櫻は寡黙でおっとりしていて急かす事が無く、柚の心にも
ゆとりが出ました。また、周りにある色々な物に興味を持って
遊んだりする事で同じ時間に居ても沢山の事を経験でき、
その結果時間がゆっくりに感じ取ることができています。
私達も日ごろからこれは経験しているでしょう。
それこそ昨年はコロナで一年を通して旅行や外出の機会が
無く、例年になく一年過ぎるのが早かったかと思います。

このように周囲の色々な物に目を向ける経験と精神のゆとりを
取り戻せた柚は部屋の色々な物に目が行くように為り、その中で
皐から教わった内容から取捨選択で必要な事をやっていくことが
出来て仕事を上手く回せるようになったということですね。

工場等の職場で働いている人とかは耳にすることもあるかも
しれませんが、精神状態とヒューマンエラーの発生頻度は
強い関係性があり、大雑把にリラックス、集中、焦燥で見ると
焦燥の状態では視野が非常に狭く、一つの事しか考えられずに
ミスを多く誘発します。「早くやれ!」「なにしてるんだ!それ違う!」
「まだかかってるのか!」「さっき教えただろ!」等々
怒られたり急かされている状態ですね。
 また、リラックス状態も焦燥よりはマシですが雑念が多くて
ミスしやすい状態にあります。
理想はリラックスと集中の中間くらい。適度に集中している
状態が視野が広く、周囲にも気を向けることができ、ミスが
起きにくくなります。
 仕事をする時、特に新人に教える時には少し厳しい雰囲気を
出しつつも時に冗談を言ったりして相手に適度な緊張とリラックス
を与えつつ、教えた事を飲みこむまで焦らせず時間を与えて
心にゆとりを与えていくと良い結果が出やすくなるかもしれませんね。
これは仕事に限らず子供の勉強とかでも使えるかもですね。

後最後にこの章の中で良いなと思った言葉を一つ。

忙しいとは「心」を「亡くす」と書きます。
心が無いと折角学んだものもこぼれおちてしまうのにね。
とてももったいないことだわ。

まさに忙しい時ってあっという間に過ぎてしまって
場合によっては何をしていたのか覚えていなかったり
周りに気を配れず、冷たく当たってしまいがち。
まさに心を亡くすような状態ですね。

この言葉を胸に刻んで急ぐ時でも忙しくならないように
生きていきたいものです。


ということで今回の章は仕事であったり勉強であったり
物事が上手くいかない時や人に何か教える時にとても
参考になる一つの考え方が話の中に盛り込まれていた
かなと思っています。

では本日はこの辺で。 ダスヴィダーニャ ノシノシ

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