3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

Hawaii一人旅 ―秘境ナ・パリコースト―

2010-10-21 18:50:33 | 
Hawaii一人旅記も早くも三日目。
この日はカウアイ島で秘境ナ・パリコーストをボートでセーリングし、見に行くと言う予定だった。


起床は6時。

シャワーを浴び、念の為と成田で購入した酔い止めを飲み、バックパックを担ぎ上げる。もう港に向かったらここには戻ってくることは無い。本当にいい宿だったな、と暫し噛みしめていた。

今日は宿を出るのが7時なので、悠長に朝食を食べている時間は無い。
最後にお馴染みとなった喫煙所で一服。これまた朝日が輝いており、綺麗だった。

その後、直ぐにチェックアウト。
何か追加料金を取られるわけでもなく、すんなりと事は済んだ。

まず宿のエントランスに7時15分に集合し、タクシーでポートアレンという港へと向かう。
およそ30分ほど車に乗った後、8時前にポートアレンにあるブルードルフィンチャーターというオフィスに到着。そこで乗船の手続きを行う。シートに記入し、料金を払うと、
“ボート乗船の時間まではここで待機しろ。そしてキャプテン何とか(ここの名前を聞き逃してしまった)が来たら彼に付いて行け”と言うようなことを言われたので、オフィスで待機。
参加者が動き出したら俺もそれに付いていけばなんとかなるだろと甘い気持ちで待っていた。
お土産や服、マリンスポーツグッツなども売っており、暇することは無かった。
参加者であろう周りを見ると、一人で参加してるやつは誰もいない。皆一様に楽しそうにこれから行われるセーリングの話題などで盛り上がっている様子。

参加者は当然全員外国人。ってかここまで来ると完璧に俺が外国人なんだが。
アジア系の女性が二人で参加していたが、日本人ではなく流暢な英語を話してた。
多分、ノンネイティヴは俺だけだ。


そしてついにキャプテン(らしき人)が来る。周りが一斉に動き出し、キャプテン(らしき人)に付いて行ったので、ああ、これだなと判断し、俺も付いていった。

船の前で靴を脱ぎ、預け、いざ乗船。

乗船して気付いたのだが、こんなでかいバックパックなんて持ち込んでるやつは一人もいない。そして更に気付いてしまったのだが、みな一様に水着というか、水に入ってもいいような格好をしていた。

これはまずいと思い、クルーの一人に、“服を着替えたいのだが、どこか着替えられる場所はないか”といきなり尋ねた。
すると、階段を下りるとトイレがあるから、そこで着替えろとのことだったので、早速バックパックから水着を引っ張り出し、着替える。これで準備は整った。

いざ太平洋へ。

しばらくは太平洋の大海原をセーリング。本当に青い。海が青過ぎるのである。
見渡す限りの真っ青な海、それに加えて天気も再校の状態で、真っ青な空。水平線を空の境界線が曖昧になるほどの青さ。

どんどんテンションが上がり、一人でボートをふらつく。

周りの人は、ここに一人で参加してきた怪しいアジア人をどう思っているのだろうな~なんて思いながら飲み物を頂て飲んでいると、家族連れで来ていた白人さんの、おそらく小学校低学年の子にガン見された。やっぱり怪しかったのね。

ボートのエンジンの轟音。
照りつける日差し。
目の前には真っ青な太平洋と青く澄んだ空。
振り返れば着た道を白い泡の轍。

何とも爽快な気分だ。

暫くするとビュッフェスタイルの朝食が出る。待ってましたと言わんばかりに食らいつく。チーズとサラミをレタスに挟んで食べただけなんだけど凄く美味しかった。

今回のボートでは相当揺れが激しかったにも拘らず、全くもって酔わなかった。そもそも乗り物酔いしないんだけど、せっかくの機会に酔っちゃったりしたら楽しめない。


そして何故か、いや、理由はなんとなく分かる気もするが、今回クルーの人たちがやたらと気を遣って、ハイテンションで“楽しんでるか?”って何度も話しかけてくれた。

俺自身は心から楽しんでいたのだが、一人で黙々と海を見つめている様子が、“こいつ大丈夫か?”って思わせてしまったのかもしれない。

とても気さくに話しかけてくれ、怪しいアジア人に気を遣ってくれ、本当にいい人たちだった。俺も最高の笑顔で“Yeah!”と返す。

クルーの方々のみならず、他の参加者の方々にも結構話しかけられた。
けど俺が逆の立場だたら、その気持ちはとてもよく分かる。
例えば京都の世界遺産寺巡りツアーみたいなのに一人で異国の人がバックパック担ぎ込んで参加してきたら、俺は何か魅力を感じて話しかけたくなってしまうだろう。

しかし、そこで俺の英語力のなさを実感する。
旅先で生活する上での日常英会話くらいは大きな問題も無くこなしていた気はするのだが、英語で世間話をするというのが、俺の英語力からするととても難しかったのである。
何せ会話が続かない。

例)

「どこから来たの?」

「あ、日本です」

「一人?」

「ええ、一人です」

「そっかぁ…」

「そうなんです…」

「カウアイ島は綺麗だねぇ…」

「ええ。とても綺麗ですね…」

「…」

「…」


このような会話を繰り返してしまい、折角話し掛けてきてくれたのに、申し訳ないことをしてしまった気持ちで一杯になる。

色々と会話の引き出しを増やし、話題を提供できるほどの英語力には至っていないようだ。

そんなこんなで、暫く太平洋を航海していると、突然野生のイルカに出会う。

このボートセーリングのセールスポイントの一つに、“航海中、必ずと言っていいほど野生のイルカに出会えます!”と書いてあった。
“必ずと言っていいほど”ってのが面白かった。まあ、自然が相手だ。会えない場合もあろう。
言ってよいかどうかの許可は俺が決めるぜ!期待し、何としても太平洋で野生のイルカが泳いでいるところを目撃したかったのである。

日本だったらボートで航海中に野生のイルカを目撃なんていったら、結構奇跡的なイメージがあるかもしれない。少なくとも俺には滅多に見れないものというイメージがあった。

だがしかし、ここは太平洋のど真ん中。

一回だけではなく、何回も目撃することが出来た。しかも泳いでいるのは一匹ではなく、群れになっており、時折水面から飛び上がったりもする。
絵に描いたようなボートセーリングのワンシーンではないか。

イルカだけでなく、エイ、海がめ、モンクシール(ハワイ特有のアザラシ)なども普通に泳いでいるのを見ることが出来た。


そしていよいよ、ボートはナ・パリコーストに突入。

キャプテンが何か説明らしきことを言っているのだが、何を言っているのか聞こえない。
俺のリスニング力不足もさることながら、ボートのエンジン音がやかましく、物理的に何を言っているのか聞こえない。
波も高く、ボートの端に立っているとバッシャンバッシャン海水を浴びる。


そしてこれがあの伝説の(俺の中で勝手に)ナ・パリコーストである。

これがとてつもない壮観であった。
秘境という言葉をそのまま体現しているような景色が果てしなく広がっていた。
コーストと名前が付いているが、海岸なんていうレベルではない。
グランドキャニオンが海から突き出しているよう。

昨日見たワイメア渓谷もとてつもなかったが、それを超えてしまった。
何と言うか、海から突き出しているという環境のせいか、こちらの方がより秘境という感じがする。誰も近づくことは出来ない場所と言う感じ。
俺的にはナ・パリのほうが好みかも。海から突き出している山が凄いんだって。

本当にとんでもないものを見てしまったという感じだ。

因みにナ・パリコーストは本当に秘境で、車なんぞで立ち入ることは出来ない。
本当に行きたかったら徒歩しかないのだが、本格的な装備で2泊3日かかるらしい。

ひたすら見つめていた。



1時間ほど、ナ・パリの絶景を眺め、クルーと一緒に写真を撮った後、次のお楽しみであるシュノーケリングのポイントに到着。

シュノーケル、水中眼鏡、フィン(足ヒレ)を借り、軽く講習を受ける。

そしていざ、太平洋にダイブ。

実はシュノーケリングをするのはおよそ20年ぶり位なのである。
記憶も曖昧な幼い頃にやった覚えがあるが、ほとんど初体験なようなものだ。今考えるとよくそんなことをいきなり海外で一人でやろうと思ったものだ。

意気揚々と潜り、空気を吸おうとした瞬間、一気に海水を吸ってしまい、開始2秒で溺れる。呼吸困難となり、その時ばかりは「あ、死ぬ」って思った。

何度挑戦しても、上手に空気を吸うことができない。どれほど強くシュノーケルを噛んでも、水が入ってきてしまう。そして強くかみすぎると、“オエっ”ってなって余計水を飲んでしまう。

開始5分くらいで結論を出す。よし、素もぐりでいいや。

シュノーケルなんて無くても普通に2分位なら息を止めていられるし、水中眼鏡してるんだから何ら変わりは無い。逆にシュノーケルよりも呼吸を気にすることなく深く潜ることが出来る。

なんて海に浮かびながら自分を即座に納得させ、シュノーケリングに挫折。

一人で素もぐりをずっと行っていた。

水中の世界は凄かった。
魚と一緒に泳ぐ、なんて言葉があるが、本当にこんな近くに魚が泳いでいるんだなと実感した。目の前に普通に泳いでるのだから。それは日常的に見れるような光景ではない。

調子に乗って魚に向けて指を出したら噛み付かれてしまった。
それほど魚たちは近くにいた。

1時間弱位、シュノーケリングという名の素もぐりを終え、待っていたのはいい運動をした後の快い空腹感とのどの渇き。

そして最高のタイミングで昼食が。

ボートの上でこんな美味い飯食ったのは初めてだ。あの美味さは一生忘れられない。
ここでもクルーの方々は気を遣ってくれて、飲み物を持ってきてくれた。

最高の昼食を終え、ボートは帰路へ。

帰りは勝手に手すりにシャツを括り付け、乾かしながら帰った。

ポートアレン港に到着。本当に楽しかったので、チップは弾ませておいた。
チップとは本来こういうものである。


時間は14時。リフエ空港→ホノルル空港の飛行機は17時03分発である。少なくとも1時間30分前にはリフエ空港に到着しておきたいところだ。となるとリフエに15時半、ポートアレンから空港はまあ、多く見て1時間ちょっとだろう。

ポートアレン港からブルードルフィンチャーターのオフィスまではちょっとしたお土産ストリートになっていた。そんなに多きな店がある訳ではないが、素朴な感じの店がなんともそそられる。

店を30分ほどうろつき、お土産を購入する。何か“ザ・カウアイ”的なものが欲しかったのでキーホルダーを購入。

時間は少し早い気もするが、飛行機ということを考えると早すぎるに超したことはないだろう。コンダクターさんに手配していただいていたタクシーリフエ空港へと向かう。
でかいバックパックをタクシーに担ぎ込んだとき、あぁ、いよいよカウアイ島ともお別れか…kの2日間は本当に楽しかったな、という思いがどっと押し寄せてきた。

思い残すことは……多分ないと思う。


リフエ空港には2時間前に到着。速攻で喫煙所を探す。Hawaiiに来てから喫煙所を探すことが得意になった気がする。

一服した後はハワイアン航空へチケットの手配とセキュリティーチェックと一連の流れをすんなり終え、かなりの余裕を持ってゲートまで辿り着くことが出来た。ハワイアン航空は来る時も使ったため、簡単だった。

空港内のお土産店を冷やかしたり、コーヒー飲んだりしながら搭乗を待つ。

搭乗してからは行きと同様、全く覚えていない。30分間のフライト、泥のように眠る。


17時40分、ホノルル空港に到着。再びオワフ島に舞い戻ってきた。
取り敢えずあの場所、そうThe Bus乗り場。

バスを待つ時間と、ワイキキまでの移動時間を考えると、今日はこれからどっか行くってのは無理だろう…。ワイキキに直行して、夜の街をほっつき歩くことにしよう。
そんなことを考えながら、タバコ吸って例の19or20番線のバスを待つ。この線は何回乗ったのだろう。本当にお世話になった。

暫くしてバスが到着。一人でワイキキ行きのバスに揺られること1時間30分。

ワイキキに到着したのは8時位であった。

さっきまで夜の街をほっつき歩こうかと考えていたのだが、思ったよりも体が疲れていたらしく、一刻も早くホテルに向かおうとする。

しかし、夜のワイキキビーチはとても綺麗だ。
昼間の青い空に白い砂浜っていうのももちろん綺麗なんだが、夜の少し涼しくて静かな海の雰囲気も非常によい。
何より人が非常に少なく、静かで海風が心地よい。
漆黒の空には月がとてもくっきりと見える。

遠くのビル郡のライトもとても綺麗だった。

ホテルはバス停から非常に近かったにも拘らず、カピオラニ通りで道に迷い、またダイヤモンドヘッドの方へ1時間も行き過ぎてしまった。

ようやく辿り着いた時には、かなりいい時間。店も結構閉まっており、空いているのはABCストアとファーストフード店くらいだ。

ホテルでチェックインを済ませると、重すぎるバックパックを下ろし、財布とカメラという身軽な荷物で夕食を求め、夜のワイキキへと向かう。

ホテルにもダイニングはあった。そのメニューはシーフードを中心にとても美味しそうなものであった。が、値段が結構なものだった。なので、この豪華な食事はHawaii最後のディナーに取っておこうと考えたのだ。

日本にいるとき、友人にハワイで有名な食べ物って何?と尋ねたら、ロコモコと馬鹿でかいハンバーガーじゃない?との返事を得た。

近くの通りをほっつき歩いていると、有名なBigger Bugerというハンバーガー店を発見。要するにこれは馬鹿でかいハンバーガーが食べられるところだろ。
#1comboというモノを注文。一番でかくないやつだったが、十分でかいよ。
#3のThe Biggest Burgerなんてどんだけでかいのだろうか…

一人で満腹になり、ホテルへ。

シャワーを浴び、塩塗れの体をきれいにし、ようやくベッドへと潜り込む。

明日は実質Hawaii最終日である。
最終日のオワフ島を完全にフリーにした。予定は今の所リベンジに燃えるダイヤモンドヘッド登頂しか決まっていない。
完全にフリーなので、別に寝坊しようが全く問題ない。
何をするかガイドブック片手に考えるのも楽しそうだ。

そして俺の今回の旅の大きな目的の一つに、海外の街、道をぶらぶらとほっつき歩く、というものがあり、それをする時間をどうしても取りたかった。
しかし、今日ほとんどうろつくことが出来なかったため、明日はほっつきあるく時間も取ろう…

そんなことを考えていると、やはり体は非常に疲れていたらしく、12時位までは覚えているが、一瞬にして眠りに落ちてしまったようだった。