斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

NSTC訪問2

2013年06月02日 06時48分49秒 | 企業訪問記
洋上からの生還を重点的に訓練できるように立派な施設を備えています。
例えば、深さ5mの訓練水槽。この水槽にはクレーンが設置されており、これで大型構造体を水中に落とすことができます。もちろん、人間を吊り上げることもできます。洋上に落水した人を回転翼機で吊り上げる想定です。通常は28℃設定です。
 

洋上の石油掘削基地に従事者を陸から送る場合、回転翼機が使用されますが、その機体が洋上に不時着したことを想定して脱出訓練が行われます。脱出訓練用の構造体で、これをクレーンで水中に落とします。


もちろん、訓練者が中に入っている状態で、ここから窓を外して水中から脱出します。操縦席からの脱出も訓練します。


機体はシコルスキーのS-76を想定しているとのことでした。私も訓練で何回も搭乗したことのあるなじみのある機体です。

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NSTC訪問1

2013年06月01日 19時43分39秒 | 企業訪問記
ニッスイマリン工業株式会社の日本サバイバルトレーニングセンター(NSTC)にお邪魔しました。
ニッスイマリン工業は日本水産の関連企業で、NSTCは同社の一部門として世界の海で活動する人々が事故に直面した時、冷静に判断し、行動できる能力を身につけ、もって自己の生命の安全を守り、世界の海洋産業の継続的かつ健全な発展に貢献することを目的としています。

本学の専門職大学院のシステム安全系が目指している先端の安全分野のマネージメントが企業活動としてが成り立つかという興味あるテーマで見学をしました。結論として我が国初のセンターとして開設以来、多くの企業により活用されているとのことでした。大型船舶の船員ばかりでなく、洋上石油掘削基地の従業員も受講しに来るとのこと、また最近ではメタンハイドレート探索や希土類探索事業に従事する従事者もここで訓練を受けるとのことでした。新潟県からも(長岡も!)多くの人がここで訓練を受けているようです。驚きました。

日本水産ビルの中にNTSCはあります。たいへん歴史のある建物で、威厳ある内装でした。


日本水産の事業紹介のフロアです。ファインケミカル事業部では、海産物から化学薬品を作っています。


今回、社内を案内していただいた社員の皆さんです。よろしくお願いします!


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実務訓練先訪問

2013年01月16日 02時09分14秒 | 企業訪問記
本学では、大学院に進学予定の4年生が約半年間企業にて実習を行います。これを実務訓練といいます。企業の現場で工学がどのように工業に活かされているのか、将来のために大学院で何を勉強すべきか、こういったことを学びます。

長野県にKOA株式会社という電子部品のメーカーがあります。私の研究室の4年生がお世話になっているので、実務訓練の様子をうかがいに出かけてきました。その様子はブログで公開すべき内容ではないので、夜の様子だけ公開します。


同社には、本学からたくさんの修了生が入社し、活躍しています。特に材料開発工学専攻の無機講座組が多く、実務訓練の挨拶におじゃますればこのように迎えてくれます。昔のことやら、いまの大学の様子など様々な情報を交換し、同窓生と大学をつなぐ役割も担っています。学生時代からよく知っている顔なので、いまの活躍を聞くととても嬉しくなります。

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海上自衛隊館山基地見学

2012年09月08日 23時26分02秒 | 企業訪問記
館山基地には第21航空群があります。この航空群には、第21航空隊、第21航空整備隊、第23航空隊、第73航空隊、館山航空基地隊、第25航空隊が所属します。今回は、特に第21航空隊を中心に、航空救難に使用する資機材の素材に関する調査と救難隊の活動に関する調査を行いました。さらに、たいへんよく整理されている資料館があるということで、資料館の見学も行いました。

まず、第21航空群の中田司令(海将補)を表敬訪問し、その後回転翼機の見学を中心に基地内をまわりました。東日本大震災で発災後すぐに被災状況調査のために航空機がこの基地からも飛び立ちました。実はそればかりでなく、日頃から伊豆諸島や小笠原諸島からの傷病者の搬送で活躍しており、東京都知事からの感謝状が贈られたそうです。これまでの救難活動で救助した方の数が庁舎内に掲げられていました。それにしても小笠原諸島にはたてやまから回転翼では直接いけないよなあ、と考えていたら、小笠原へは硫黄島から飛んでいくそうです。そして館山と硫黄島は直接回転翼機で行けるそうです。


第21航空群で使用されている救難回転翼航空機はUH-60Jです。もともとシコルスキー社の開発した機体ですが、わが国では自衛隊向けに三菱重工が製造しています。全長が20mにも及ぶため、室内は広く、ストレッチャーで11台分の収容容積があるとのことでした。海上で使用しているため、飛行後に水洗いをしているとはいえ、エンジン回りなどからオーバーホール点検時には相当な量の塩がとれるそうです。


両脇には遭難者捜索用の半球状のアクリル製の透明窓がついていました。室内から窓をのぞくと、上下左右楽々と確認することができました。東日本大震災のときには千葉県沿岸に押し寄せる津波をUH-60Jから映像に収めたそうですが、この半球窓を使うと確かに障害なく状況を撮影することができそうです。

水難救難時には、ホイスト降下により海面に到達する場合と、潜水装備を装着した状態で直接入水する場合とがあるそうです。直接入水をするためには、資格が必要だそうです。直接入水の時には機体を水面高度3mくらいまで下ろすことがあるそうです。3mの高さの波なんて普通にありますから、直接入水による救助は命がけの作業だということは容易に想像できます。

基地内にある資料館です。戦前と戦後の資料にわかれていました。
旧海軍の礼服


旧海軍の小物


兵役に就く際に掲げられたのぼり


たいへんきれいにまとめられているばかりでなく、貴重な資料がたくさん展示してありました。持ち主が亡くなったあと遺族が遺品整理をしていてでてきたものが多いそうです。





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よい話を聞きました

2011年08月19日 17時03分08秒 | 企業訪問記
奈良機械製作所という会社の人事担当の方とお話をしました。
最近の学生の就職活動でインターネットからいろいろな情報を得ているという話題になりまして、その方が「大人の知恵を大人として若い学生に話してあげるべきだ。これが大人の役割だ」と発言されました。

たしかに学生のお父さん、お母さんの年代、われわれ教員は、すくなくとも学生の皆さんより社会で経験していて、こういう業種、会社、内容がこの人に合う、合わないというのはすべてとはいわないけれども、ある程度わかります。そして、大人がそういう話をきちんとしてあげるのが、大人の役割だとすれば、そのとおりだと思います。

身近な大人の意見ですべてを決めるのもまずいですが、インターネット情報100%というのはさらにまずい。大人がきちんと役割を果たせる世の中にならないとだめですね。

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