斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

富山県の用水水難2

2018年04月15日 20時27分01秒 | 水難・ういてまて
1月12日に砺波市消防本部所属の水難学会会員であるM氏に案内してもらいながら、南砺市の水難現場の現場検証を行った。例えば図1に示す用水路において、1年に2人の高齢者が亡くなっている。冬にもかかわらず水深が30 cmほどあった。流速はおおよそ1.5 m/s、水温は3.5℃ほどだった。記事に記載された水深からすれば、なぜこのような浅い場所で亡くなるのか、と不思議になるが流れが速いし、水温が危険温度である17℃を大きく下回っているので、確かに命の危険は感じる。基幹的水路には遠く及ばない水路で、幅は60 cmで深さは50 cmである。ただし、路面から斜めに切られた法面があるため、路面からの深さは1 mを超える。もし、路面から頭を下にして転落すれば、水深30 cmのプールに頭から飛び込むのと同じことになる。これであれば、命にかかわるような傷を負うことは十分に想像できる。他の現場にも調査に向かったが、やはり同じような構造の用水路に転落して亡くなっていた。


図1

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