1月12日に砺波市消防本部所属の水難学会会員であるM氏に案内してもらいながら、南砺市の水難現場の現場検証を行った。例えば図1に示す用水路において、1年に2人の高齢者が亡くなっている。冬にもかかわらず水深が30 cmほどあった。流速はおおよそ1.5 m/s、水温は3.5℃ほどだった。記事に記載された水深からすれば、なぜこのような浅い場所で亡くなるのか、と不思議になるが流れが速いし、水温が危険温度である17℃を大きく下回っているので、確かに命の危険は感じる。基幹的水路には遠く及ばない水路で、幅は60 cmで深さは50 cmである。ただし、路面から斜めに切られた法面があるため、路面からの深さは1 mを超える。もし、路面から頭を下にして転落すれば、水深30 cmのプールに頭から飛び込むのと同じことになる。これであれば、命にかかわるような傷を負うことは十分に想像できる。他の現場にも調査に向かったが、やはり同じような構造の用水路に転落して亡くなっていた。
図1
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