斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

講演会

2010年11月11日 22時01分13秒 | 長岡技術科学大学の広報
午前10時から、西水美恵子さんの講演会を学内で開催しました。西水さんは、前の世界銀行副総裁を務めた方です。世銀に入行してから、世界を調査し、そして融資を決定するというお仕事をされたのですが、詳細は著書「国を作るという仕事」をごらんください。開発途上国を中心にその国に融資をするかどうか、その国の住民と直接生活をともにして、国民の目線からその融資が効果的に利用されるかどうか、現場を踏みながら考えていかれたそうです。学生たちとの対話形式となりました。学生たちのほとんどは、世界に興味がある、いわゆる外向きで、西水さんとの対話では、「見つめあいながら」問答をしていました。そのやり取りは、お母さんと子どものやり取りに似ていて、西水さんの人間性がたいへんうまく表現されていたように思います。いくつか、ほっとしたことがありました。西水さんご自身、開発途上国の田舎でホームスティをはじめたとき「帰りたくなった」と回顧されていました。そして、ほんとうの貧困をみた、ということです。この言葉の中に現場主義の真髄を見ました。

この講演を聴きにきた学生たちには、敬意を表します。あなた方の顔は私の頭にインプットされました。私の研究室からの参加は、残念ながら2人でした。

ここから、一般論。チャンスが与えられる人、取り残される人、というのはこういうことの積み重ねです。斎藤理論のひとつに、鳥の巣理論があります。親鳥から見て、子鳥の口の大きさがすべて。目の前に口が迫れば迫るほど、そこにえさを入れてしまいます。チャンスは全員に与えられますが、そのチャンスを使う人、使わない人で、差が現れます。

本学は、世界に打って出ます。
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