斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

がまんならん

2010年11月08日 23時30分16秒 | その他
人を行動させるテクニック。
今日の午後、市役所の方々と打ち合わせを行っていたときに、この禁断のテクニックについてしゃべってしまいました。

企業誘致で、「こちらの土地はただでお貸しします、電力は半額です、水道も半額です、さあどうぞいらしてください」とお話してもなかなか動いてくれませんという話で盛り上がりました。斎藤理論でいうと、「知らない美しい女性がいきなり私の後ろに立って、肩をお揉みしましょう、といきなり肩をもみ始めた」に近いほど、居心地の悪いものです。

世界も企業誘致に熱心です。世界には仕事のほしい人が低賃金で待っています。電気も安いし、土地も安いし、税金も安い。仕事のほしい人がいきなり日本の技術レベルで仕事ができないし、そういった工場を作ることもできない。だから、日本の会社が私の国に工場を作って何もかも準備してくれないかなあ、と思って企業を誘致したいわけです。そういうとき、どうするかというと、誘致したい世界の国々が協調して「円高」にするのです。円高になると日本の企業は「がまんならん」と国外に工場を立てに動き出すのです。これが人を行動させるテクニック。

真人(まっとと読む、小千谷市にある)の狢(むじな)が悪さをするので退治してやろうと、真人の人が穴倉に隠れている狢を食べ物で釣ろうと思ったけれどもだめでした。それならばと穴の入り口から煙を送って、「がまんならん」状態にして穴から出そうと思いました。これは狢を行動させるのに正しいやり方だと思います。

ところが狢は穴から出てこなかったそうです。真人の人はもっと大量に煙を穴に送り込みました。そうしたら、なんと海の向こうに薄く見える佐渡の山の頂上から煙が立ち上り始めたとさ。

さて、わが日本国はこの円高の状況で「がまんならん」という道を選ぶか、その上手(うわて)を頭を使ってゆくのか、どうしましょうか?
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