斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

スラグについて

2015年10月22日 23時23分19秒 | 斎藤秀俊の着眼
「高炉で還元されて溶かされた鉄は、スラグという不純物とわけられて、スラグはスラグカ―に、銑鉄はトーピードカーに乗せられて転炉に向かいます。」と数日前に書きました。

ちなみにスラグカーはこちら。


鉄鋼製造工程において副産物として発生する鉄鋼スラグは、高炉スラグと製鋼スラグに大別されます。スラグにはいろいろな種類があるのです。

高炉スラグは、高炉で発生するスラグで、鉄鉱石に含まれる鉄以外の成分と、副原料の石灰石やコークス中の灰分が一緒に溶融分離回収されたものです。製鉄所の説明でありましたように、銑鉄1t当たり約290 kg生成されます。スラグカーに乗せられてすぐには約1,500℃の溶融状態にあり、その冷却方法によって徐冷スラグと水砕スラグに分類されます。

製鋼スラグは、銑鉄やスクラップから成分を調整し、靭性・加工性に優れた鋼を製造する工程で副生されます。そのため、転炉から生成する転炉系スラグと、スクラップを原料とする電気炉製鋼工程で生成される電気炉系スラグがあります。

言ってみれば石みたいなものですが、水に反応するものが多いのです。アスファルトコンクリート用骨材や 路盤材に利用されます。言ってみれば、道路の材料になったり、コンクリートを作るときの混ぜ物に使われたり、ということ。だから、使い道がきちんと明確化されています。
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