



それは恵那から中津川へ向かう途中の話…
安く買ったコロッケに
ソースをかけてほうばろうとしたその時
二人の警官に声をかけられた道の上…
「どちらに行かれるんですか…」
独りは昭和居酒屋顔でもう一人は半人前…
餌の時間に声をかけるとは
無礼千万千客万来とは心の中で思ったが
丁寧な人達だったので
「北の方に…」とだけ食べながら答えた…
二人とも気の回るお巡りさんで
コロッケを食べるペースに合わせながら
ひとつふたつと聞いてくるが
僕が買ったコロッケは全部で三つ…
食べ終わるにはそれなりに時間がかかる…
でもその隙間隙間に
「警察に声をかれられたりした事は…」
「少なくとも百回以上は…」
そんなやり取りを時々挟んだりもした…
スペイン人じゃあるまいし
昼飯ぐらい黙って喰わせろ野菜コロッケ…
因みに…
もしこれが若く綺麗な婦警さんだったら
丁度三人で食べれたんですけどね♪
なんていうようなアメリカンジョークは
通じない時があるので止めておこう!
ところで日本の警察官とはいえ
この二人の様な
丁寧な人達ばかりはとは当然かぎらない…
中にはチンピラ風情の様な物言いをする
そんな警察官もいる…
その御陰様で
過去に二度だけ大喧嘩をした事があった…
その警察官の名誉のために
それがどこだったかはとても言えないが
確かその街には
京都タワーと呼ばれる観光名所があった…
やがて…
三つ目のコロッケを食べ終わる頃
質問を前に進めようとしてる警察心理が
手に取る様に分かった…
「何か身分を証明するようなものは…」
「無い…」
「例えば健康保険証のようなものは…」
「無い…」
基本的に僕は身分証明は絶対に出さない…
その理由はとても言えないが
ぶっちゃけ面倒臭くてたまらないの一言…
そして次に
住所名前と生年月日を聞こうとしてくる…
それに答えるかどうかはそれぞれの自由…
己に非があれば答えるべきだし
因みに禁止の場所でテントを張った時は
五秒で全てを答える僕システム…
結果的に今回は
その丁寧さに敬意を表し名前を教えたが
信長の「信」に秀吉の「秀」と教えたら
「おぉ!武将のような名前ですなぁ!」
なんて言ってくるもんで
「そ、そおですかぁ~」なんつって
少々気分良くて住所教えちゃいましたね…
なんか負けた気がする…
因みに僕の本名は前記した通り
信長の「信」に秀吉の「秀」と表記して
アドルフスキーと読みます…
追伸…
そのお巡りさん達に頂きました記念品の
反射式のタスキは
今まで恐らく三十本以上になり
その全てを外国人旅行者にあげているが
漢字が入ってるので
喜んで貰ってくれる人が多い…
全部が全部日本国民の血税でありますぞ!
そしてその夜
中津川の街ド真ん中にある綺麗な公園に
思いっ切りテントを張った…
この日幾らも歩いてないのに
ここに野営するのは
この公園がとても綺麗だという事が半分…
残りの半分は
少し負けた気がした中津川署への腹いせ…
アピタが目の前で
買い物立地がすこぶる最高な場所だった…
僕はそういう子供なところがあるんです…
自分では嫌いなんだけど…
