



渋皮の むけし女はみねぇども
栗のこわめし ここの名物…
十返舎一九が中仙道を歩いた時
休んだ茶店で名物栗おこわを食べた…
季節は秋が良いと聞く…
という訳でカミナリ迫る雨空模様
四の五の言う前に
とっとと山を下りに下る逃亡大作戦!
分厚い雲で天井低いが
下れば下る程高くもなるというもの…
さてさて早速駆け下りてみると
兎にも角にも速度が登りとは桁違い
あっという間に
霊剣あらたか子安観音まで到着!
子宝詣でに滅法矢鱈と効くとのお話…
そしてそこより遥かに下れば
二本の滝がそれぞれ男滝と女滝
二つの滝が同じ谷間に注いでいるが
そこは吉川英治の小説中で
宮本武蔵が修行した場所だとマジ話…
そしてその下三十余名が斬殺された
倉科祖霊社…
その先には石畳の街道が延びている!
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なにゆえ一気に羅列したかと言えば
ここまで一気に走った景色斜め読み!
なぜなら雷様が追いかけて来る!
しかしながらふと後ろを振り向けば
四匹いた筈の鯉のぼりが
たったの一匹しかいない怪奇な現象!
しかもよくよく眺めてみたら
竿ごと折れて無くなってる乱暴狼藉!
そして僕は静かに立ち止まった…
それから戻りに戻った同じ道中仙道…
荷物を脱いで下ろしたので
軽い軽い体がまるで羽のよう…
その勢いでどれほど戻っただろうか
木曽五木の森の中で
無惨に折れた鯉のぼり達を見つけた…
というより
近づいてきたと言うべきなのか…
と申しますのは
山の上から歩いてきた金髪ガールズ
そのひとりが右手に持っていたのが
まさに僕のコ!イ!ノ!ボ!リ!
外国人さんだったので
それを探してた事を英語で伝えると
「知ってるわ!さっき見かけたから」
と、ニッコリ…
出た!背景バラ色スマイル!
いわゆるべっぴんさんといった感じ…
聞くと彼女はUSAの人で
もう一人はオーストラリアの旅行者…
二人ともタイで仕事をしていて
休みを利用し日本へ来ているらしい…
しばらくお喋りに花も咲いたが
日本の感想を聞いてみると
「とっても綺麗で大好き…」との話…
「君の方が綺麗だよ」
なんていうイタリア人みたいな事は
口が裂けても言えないがどうか
この国を存分に楽しんでもらいたい…
そんな彼女達へのお礼がわりに
大事にしている観永通宝を一枚づつ…
「ありがとう!旅の御守りにする…」
そんな別れ際に握りあった手と手は
1.5秒で離れ離れ
だけど
決していつまでも忘れないで欲しい…
日本を綺麗だと思ってくれたことを!
さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~て!
本格的にデンジャラス!
見上げる空模様がマックスにヤバい!
途中何人かとすれ違ったが
天国に行くつもかアンタたちぃぃ~!
そして大妻籠にさしかかったその時
何粒かの雨を感じた…
「きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」
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そんな織田裕二の真似はしてないが
その刹那
薄暗くなりかけている土色の小道を
楽しそうに登ってくる
西洋人らしきカップルとすれ違った!
今から登るんかい!
つづく…
