時々いい風が吹いてくる

日差しを避けながら、日影から日影へ。

時々、いい風が吹いてくるんですけどねえ。

さっさと夏をさらっていって欲しいですよ。


風といえば、｢風の鬼｣なんか描いたことがあったな。

女の鬼なんだけど、腕や足が風に吹かれたようになびくんですよ。

その腕や足を相手に絡ませて絞め殺す。

僕はその鬼を、男の鬼と絡ませてキスをさせた。

男の鬼は戦で体がひび割れて、肌が赤くただれて、見るからに痛々しい。

その二人が津波の上で合体しちゃうんですよ。

津波の上だよ。

若いねえ。

そんなアイデアスケッチを描いたんだけど、使ってもらえなかった。

ちゃんちゃんですよ。

それから３０年。

やってる事はあんまり変わらない。

今日提出したアイデアスケッチは監督からの注文だったけど、たいそう喜んでくれた。

時間の無いところで書きなぐったようなものだけど、戦のシーンだからタッチの荒々しさが幸いしたのかもしれない。

この後もアイデアスケッチの仕事をどんどん回してくれるってさ。

嬉しいねえ。


こうやって仕事が繋がっていくんだよな。


どこまでも繋がっていきますように。


ちょっと祈りを込めました。